銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

去年の中銀は学の独壇場だった【J1第27節・甲府戦 展望】

甲府名物、塩味増し増しのはずの試合を完全に破壊したのは、齋藤学だった。

2ゴール、2アシストで4得点に絡み、4-0の圧勝。あんなスゴイ学を見て、代表復帰とシーズン限りの海外流出を誰もが覚悟したものだ。

 

もうしょうがないよ、これだけのものを見せられたらというあの感じ。恐れ入ったかって、遠山の金さんが桜吹雪を見せるような、絶対正義。それがあの季節の学のすごさだった。

 

あれが去年の10月1日。なぜかは分からないが、とにかくいろんなことがあって学は今もマリノスにいて、重くて勇ましい背番号を背負うようになっている。

 

リーグのタイトルを語るには、鹿島に随分と差をつけられてしまった。勝ち点差は10あるから、直接対決で差を詰めるチャンスがあるものの、その他に2敗してもらってもまだ追いつけない。しかも前節の鹿島は、新潟に2点リードを奪われて期待させるも、後半だけで4点を挙げて逆転勝利。週中の天皇杯でも、浦和を粉砕しており、死角が見当たらない。

 

数字上は厳しいが、だからと言って諦めるにはまだ早い。

可能性のある限り連勝を続ける。言うは易しのシンプルな目標をクリアしていくしか道はないのだから。

 

柏を相手に惜しくも白星を逃し、天皇杯の広島戦は劇的な逆転勝利だった。勝利の内容に相応しかったのはどう見ても柏戦。だが120分かかっても、試合をひっくり返した広島戦から得たムードの良さも、捨てがたいはず。

 

ウーゴ ヴィエイラは、そりゃさぞや気分良く甲府に乗り込んでいることだろう。だが学と同様に120分フル出場の代償はいかに。

天皇杯で温存された選手の中には、マルティノスや天野純らがいる。山中亮輔も元気いっぱいだ。それ以上に、フレッシュなのは学の調子次第で初出場が噂されるイッペイ シノヅカ。エリク モンバエルツ監督にFWまたはトップ下での起用の可能性を伝えられているとか。

 

一方で、鉄壁の中澤佑二には、安室奈美恵引退問題、通称アムロス問題が横たわる。40歳での引退と安室さんが口にするのは構わないが、中澤さんの引き際にも影響を与えないでほしいものである。

 

ドゥドゥとリンスの2トップを封じることは、ほぼそのままマリノスの勝利を意味する。飯倉大樹は引き続き好調。ミロシュ デゲネクもそろそろ代表の疲れが取れ復調へ、となるだろうか。

 

大逆転に沸いた天皇杯から一転、今度は手堅いゲームを。理想的には学とウーゴでリードして、あとはイッペイら、若い者に任せて…と行きたい。

 

8試合、自ら可能性を狭めたくない。勝って、わずかな可能性を次に繋ごう。

 

 

ウーゴのシュートは練習する類のものなのか??【天皇杯4回戦・広島戦】

そりゃあもう、敗色濃厚な2失点。たった15分の間だから、まだ75分ある。いや最終的には100分以上残っていたのだけどそれは後の話。それに、点の取られ方がかなり悪かった。ボールウォッチャーだらけ?のコーナーキックと、捲土重来を期したはずのボランチ・ダビド バブンスキーが背後、ど真ん中にパスを通されたのアンロペこと、アンデルソン ロペスの豪快ミドル。

 

諦めなかったし、ハーフタイムに必死に修正した。メンバーを変えることなく、出ている選手たちが修正した。

3失点目を喫してもおかしくない機会もいくつもあったが、数少ないチャンスをものにしたマリノスは敗退の淵からよみがえる。

 

遠藤渓太のクロスを、水本が手で弾いたと判断されて広島には厳しいPKの判定。スポットに向かうウーゴ ヴィエイラにすがるように、遠藤は自分の取ったPKなのだからと蹴らせてくれるように主張していた。チームとしての勝利ももちろん大事だが、遠藤は自分自身が生き残りたい。そんな強い思いが溢れていた。結果的に蹴ったのはウーゴでも、その心意気をサポーターは感じたはずだ。それにユース出身の後輩をなだめた喜田拓也や齋藤学は、やはり優れたリーダーだ。

 

それでもまだ敗色濃厚。そこを飯倉大樹のビッグセーブが、寸前でチームを救う。結果的に広島のサポーターからは叩かれる工藤壮人の決め切れないあの感じにも随分と助けられた。でもって、今夜はキレ味がないなあと思われた学が後半42分に大きな仕事。中央を切り裂くドリブルでエリアに侵入し、そしてヨロシクと、フリーのウーゴにラストパスだ。ウーゴは浮いていた上に身体の向きまで完全に備えていた。まるでPKよりも簡単に、今度は右隅へのゴール。土壇場の2-2は、田中隼磨が言うところのスコアレスドローだ。

 

だが、天皇杯にドローはない。正直、両軍避けたかったはずの延長戦。マリノスの天皇杯における延長戦への突入率は実に高い。この日も8試合中、唯一。どうせやるならさ、90分よりも120分だよね。お客さんもその方がお得でしょ?と誰かが言ったかどうかは知らないが、三ツ沢劇場は延長、そして、あのフィナーレへ。

 

シュートの前に、特筆すべきことが二つある。一つは飯倉のパントだ。あれがなかりせば、生まれ得なかったチャンスだから。飯倉らしい低くて速いパントキックの軌道は美しい。日本代表の西川周作も上手いが、遜色のないキックだ。

ハーフウェイラインを超えて、タッチラインに向かって転がるボールに全力疾走で追いついたウーゴの執念も褒められるべきだ。ちなみに、「120分フル出場の120分目」の出来事。半年前のウーゴと比べるのはおかしいが、あの頃から思うとウーゴ…あんた最高だ。

 

普通はクロスを選択するところ。富樫敬真が中央に入って来たことにより、GKの注意がそちらに向いた。だからこそ、シュートを選択したのだそうだ。そんなウーゴにもう一つだけ聞きたい。あんな角度、ほぼ平行線からのシュートって、そんな練習してあるものなのかい?

 

スライス回転のかかったボールは、バウンドとともに急速に右側に旋回して、ゴールラインを超えて行った。

もちろんルール上、Vゴールではないのだが控え選手まで飛び出してきてのお祭り騒ぎだ。0-2からの大逆転はすべてウーゴ ヴィエイラのゴールで成し遂げられた。そのヒーローを呼ぶ歌声がそう簡単に鳴り止むはずもない。

 

これを、クレイジーなゲームと称したのは勝軍のエリク モンバエルツ監督だった。齋藤学はサポーターのおかげと感謝した。

 

準々決勝進出!というだけの、ただの1勝じゃないかもしれない。120分激闘の中で、中2日の甲府アウェイ戦は容易ではないが、リーグ戦のモヤモヤした流れを断ち切り、「残り8連勝」を合言葉にしてもいいのではないだろうか。

 

絶望から救ったウーゴが甲府戦にどれくらいのコンディションかは微妙だ。だが、ここぞのスーパーサブで起用するのも一手。

これをきっかけに、マリノスはリーグでも、再浮上する。

 

柏戦の後と、天皇杯のことをまとめて

あれをファウルとされるなら、どうボールを取ったらいいか分からないと、喜田拓也は言ったそうだが、正当なフィジカルコンタクトやタックルと、ファウルの境目にあるプレーだったと思う。到底、明らかな誤審などと呼べるような判定ではない。吹く人、吹かない人、両方いるようなプレーだったと、10回リプレーを見直した4級審判の私はそう思う。

 

というよりも、必然だったさ。あの同点ゴールは。むろん幸運を拾って勝った可能性も十分だったけど。でも一発勝負。エリク モンバエルツ監督の早々に喜田を入れた采配を消極的だとか、あれでますますフルボッコになったとか語る人がいるけれど、それもまた結果論。同点の後に、ウーゴ ヴィエイラ投入に動かなかったのは首をかしげたのだけれども。

 

少なくともあの判定は試合のほんのディテールの一つに過ぎない。ファウルはファウルだよ、という立ち位置から話せば、試合終了の整列後に抗議して警告を受けているという事実、その行動の方がはるかに幼稚で重くないか。だって僕はきちんと体を入れていたし、チャレンジできる状況にあった。あそこでファウル取られたら、危ないことくらい分かってた…本当に?自分のプレーをジャッジするのは自分じゃない、他人だ。「正当なフィジカルコンタクトだったんです」と後から自分で弁明するのはやや、おめでたい。

ガツガツと球際に厳しく行く特長は素晴らしい。それに伴って普通のプレーよりもファウルを取られる確率は高まる。だからこそ、ファウルを犯さずにボールを取りきると、それは賞賛の的になる。

 

そう。取り切っていれば、マリノスのカウンターが成就したかもしれないし、たとえそうでなくても時間を上手く消費できただろう。

紙一重。ただそのリスクが逆に触れた時に、そこにはクリスティアーノの右足である。そんな1-1のドローゲーム。新潟対鹿島はハーフタイムの段階では、鹿島が2点のビハインドだったから、「このまま」ならマリノスと鹿島の勝ち点差は5に縮まるはずが、なんとなんと、終わってみたら「10」差。

 

もう、勝って勝って勝ちまくって、それで上位が落ちてくるのを待つしかない奇跡待ち。そういう差になってしまった。ああ、優勝争いとはこれほどまでに躓きが許されないか。

 

私の仕事がいっそう忙しさを増し、天皇杯も、週末の山梨行きも取りやめとなった。ブログの更新が遅れているのも、何も熱意がなくなったとか、こないだの引き分けに呆れているとかではない。物理的なプライオリティの問題。いや、改めて毎日の更新などは並みの技ではない。

 

週中の天皇杯だ。広島とのラウンド16に挑む。広島は最悪の時期を脱して明らかに堅守が戻ってきた。得点力不足は相変わらずのようだが、それはどこかのチームとて似たようなものではないか。ロースコアの接戦が予想される。

期待の新戦力、イッペイ シノヅカは登録の関係上、出場できない。それがショック。遠藤渓太、前田直輝、イッペイの2列目が見たかったが、代わりに齋藤学の先発。

大切なのはブン殴られた後のこの試合【J1第26節・柏戦 展望】

ACLの結末は、いくつかの不確実な要素が折り重なって劇的なものとなった。
1stレグを3-1で制し、さらに1点を先制し圧倒的に有利な局面で迎えたのは川崎。ところが車屋紳太郎の一発退場や、中村憲剛、大島僚太という中軸を途中で下げざるを得ない状況もありまさかの4失点。
大逆転で浦和が2戦合計5-4として、準決勝進出を決めた。

 

いや、何も前節にマリノスが敗れた川崎の敗退をことさら強調したかったわけではない。いや、せっかくだから、川崎wwと書き残しておきたい気持ちはこれっぽっちもない。その川崎に良いところなく敗れた自分たちを蔑むのと同じことだと思う。

 

浦和は立派だったと思う。1-4になっても、戦った。戦えば勝てるというものではないが、諦めたらそこで試合終了なのは古今東西、いや安西の金言なわけであり、首位との勝ち点差が8だろうがなんだろうが、何も諦める必要などない。

 

ショックの残る15試合ぶりの敗戦をどう捉えたか。天野純は今までのやり方は間違っていたと言い、カピトン齋藤学は自信を失う必要はないと呼びかけた。私も後者の立場だ。

 

真価が問われる柏戦となった。勝敗の前に、マリノスの目は死んでいないか。そこがまず大事だから、中町公祐やパクジョンスがスタメンに選ばれる。入れ替え、大いに結構だ。さらに1トップには得点から遠ざかっている富樫敬真。マリノスの生き残りはこの男の勝負強さに託されたのだ。

 

よりによって、と思う。川崎の攻撃的、積極的守備に屈した次が、ハイプレス柏とは…。自陣におけるミスの連鎖は起きないだろうか。ジョンスや飯倉大樹がややタッチ数多めにプレーするのは、柏相手ならかなり危険である。

 

前節、出どころとして潰されることの多かった扇原貴宏の横に中町がいてくれる効能は特にバルドアップの場面で大きい。それに加えて、古巣からの初白星に燃える山中亮輔の攻撃参加には期待せずにはいられない。

 

そこに立ちはだかるのはJ最速の伊東純也だ。あいつはマジでヤバイ。山ちゃんの親友にして、紅白戦でも何度もやりあってきた。そして何の因果か、柏育ちで横浜の左を張る山ちゃんと、横須賀育ちで柏の右から相手を切り裂く純也。

 

敵将、下平隆宏も春の対戦では出場のなかった山中のレギュラー獲得を喜んでいるという。

 

育ててもらった恩をその場で返す方法は、サッカー界にはただ一つしかないんだぜ。

 

さあ踏みとどまるか。再浮上なるか。殴られたら、殴り返せ。

 

 

 

失ったのは勝ち点だけだ、自信まで失うことはない【J1第25節・川崎戦】

これが川崎の普段からの強さなのか、それともマリノスのために対策されたものなのかは、よく知らない。

 

ハイプレスと一言では片付けられない3つほどの重点ポイントがことごとくマリノスを苦しめていた。

 

1つ目、扇原貴宏封じ。出どころである扇原にプレッシャーをかけて、あわよくば狩場にしてしまうという積極的な戦術。一目散に距離を詰められると、扇原は困る。前を向けない場面が散見された。試合を決定づける3点目も、ミロシュ デゲネクから扇原に送られたハンパなパスを奪われてのものだった。オーソドックスにして、徹底。

 

2つ目、マルティノスと齋藤学は2対1で封じる。ここでも先手を取るのは川崎だった。マリノスのストロングである両翼にボールが渡った際にも、ここが勝負所とばかりに早めに複数でディフェンスに行く。選択肢を狭められた二人はいとも簡単にボールを失う場面が増えていく。

 

さらに最終ラインへのプレス。小林悠の寄せが近くて早い。ここでも選択肢の狭くなったミロシュらのミスが誘発されていく。大島はマリノスのカウンターが発動しかけた瞬間に、神出鬼没でパスカットを繰り返す。なんと厄介な存在だったろう。

 

加えて、おびただしい数のミスが起きた。ただマリノスの技術に問題があったというよりは、川崎の強い守備によって、ミスが起こさせられたということは言えないだろうか。

 

確かにはっきり言えば、ミロシュのコンディションは万全には程遠く、また他の選手たちもこの2週間のインターバルが悪い方に出たのは間違いない。公式戦が続きながらも、ルヴァン杯から中5日の川崎はいい集中力のまま試合に入ってきた。

 

この川崎を相手にして勝つには、やはり耐えに耐え抜いて、攻め疲れを待つしかなかっただろう。ウーゴ ヴィエイラの惜しいシュートがあるにはあったが、リードを奪うにはあまりにも攻撃の芽を潰され過ぎていた。それに、ミスは連鎖する。飯倉大樹が一つ防いでくれたが、被決定機はほぼ全て、マリノスが差し出したものだ。

ここ一番で、これだけミスが連鎖したのも不運なようでいて、まだまだだったということになる。

 

天野純のコメントが気になる。結果的に強いチームに当たっていなかっただけなのかなと感じた。そのくらいの力の差を感じた。

川崎は確かに従来の対戦相手より強かった。ことごとくミスを仕留められた。そんな相手はいなかった。ミスをしても、相手がミスをし返してくれることが多々あったから。

 

けれども今まで積み上げてきたことは全く無駄ではない。2016年のホームで川崎に負けた際は、手も足も出なくて絶望的な差を感じたが、今はそうではない。

 

このレベルでミスをするならば、普段から川崎のようなプレッシャーを想定してよりレベルと意識の高い練習をするしかないのではないか。

 

少なくとも私は、2位で調子に乗っていた。ところが完敗で、たった1試合で5位に転落。鹿島の姿はかなり遠くに霞んでしまった。

だけれども、何かを変える必要はない。残り9戦、目の前の1戦を必勝で戦う。

 

こうした試合の次こそ、個々のリバウンドメンタリティが問われているではないか。このまま、落ちることなどあり得ない。勝ち点を失っても、自信まで失う必要はない。まずは、柏にやり返そう。