銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

なぜだろう 全然塩っぱくない!【J1第16節・神戸戦】

中町公祐の付き添いに続いて、ウーゴ ヴィエイラがLED看板を超えてきたのは2度目だった。

みんな、ありがとう。俺は決めたよ。祖国のため、マリノスの勝利のため、そしてスタンドで何十回と名前を呼んでくれたお前達のためだ。

 

直後、万雷の拍手とともに、ウーゴはピッチを去っていく。ポルトガルの故郷で起きた山火事で、心を傷めていたウーゴに送ったゴール裏からのメッセージは「あなたのゴールでみんなを笑顔に」。その通りになったと言える。

 

もしも。あの堅固なマリノス守備陣が一瞬やらかして、内容の割に不当な引分という結果に陥っていたのなら。

 

ウーゴ ヴィエイラは間違いなく、お前が決めてれば!の大ブーイングを浴びていたことだろう。敗戦責任者の誹りを免れなかったに違いない。間違いなく当たっていなかった。神戸GKとの間合いが合いすぎていたのだ。

得点の時も、股下を大きく開けてくる誘いに乗って、GKの身体に当ててしまった。それが運良く自分の体に再度反射しただけのことだ。

エリク モンバエルツ監督も、選手交代の決断の遅さが吉と出たが、はたして。冨樫敬真の投入をあえて遅れさせたのは、FC東京戦で交代にキレたウーゴの気持ちを汲んだのか、それとも彼も横断幕のことを理解していたからなのか。はたまた1-0で動けずに、悩みまくっていただけなのか。

 

度重なる決定機を逸し続けたことは宜しくないが、後半の内容は一方的と言ってよかった。前半はスコアこそ動かなかったものの、得点を予感されるものは十分あった。1-0、2-0はロースコアの部類に入るが、ロースコアすなわち塩っぱいという評価は誤っていることがこの日のマリノスが証明してくれているのではないか。

観客が沸く攻撃とはすなわち、次のパスなり、シュートなり、動きの予測を上回ってくれるかどうかにある。

だから横パスを予期したシーンで、その通りに横パスされると納得はしながらも興を削がれるのだ。

 

果たして、山中亮輔のマイナスのクロスを俯瞰した座席から以外で予期できた人がどのくらいいただろう。中町公祐は速度を緩めて、ひっそりとマークを外した待っていたのだ。山中もそのことが分かっていた。先にウーゴのことを書いたけれど、美しい先制点を私は先に描写すべきだったかもしれない。中町が看板を越えて、左胸のエンブレムにキスをした瞬間、なんか泣けた。

 

あのキザな選手会長のことだ。自らのマリノス残留を決め、ロイヤリティを持った選手が集まればいいと発言してから、きっと決めていたに違いない。今季のゴールの時には、俺のマリノスにキスを捧げると。多少時間はかかったにせよ、我らは中町の想いの強さをはっきりと見せてもらった。

あのシーンも、扇原貴宏の狙ったのか偶然か微妙な見た目のウーゴへのラストパスも。私たちの予測を上回ってくれている。だから、塩気など私は微塵も感じない。

 

サッカーの醍醐味は得点にあることは認めるが、同様に無失点に無上の喜びを感じよう。アップの時に、中澤佑二は幾度となくロングボールの落下点に入ってヘディングで跳ね返して、痛々しいテーピングの両膝の感触を確かめていたのだと思う。試合本番では、味方のセットプレーのために攻撃参加した後に高速で戻って、落下予測して、高さで相手を上回って。もう人間業ではない。あの守備を見るだけで金を払う価値がある。何度でも言おう、2010年のW杯より後の日本代表のセンターバックは、壁どころか生け垣である。

139試合連続フル出場。12510分。日数に直すと8日以上、ぶっ通しで試合してる。ごめん、なんの意味もない。ついに頂に並んだ。

 

こんな攻守を見て、塩っぱいという輩がいるなら、もう川崎でも、横縞でも行けばいい。

4連勝は誇らしい。首位争いに名を連ねてることも誇らしい。若き力と、ベテランの矜持が入り交じる魅力も。

だが一番大事なことは、2017年6月のマリノスは、一度たりともゴールを破られることなく、(あっ試合の趨勢が決まったFC大阪戦は許して)しかもチャレンジを繰り返して勝利と興奮をもたらしたことにある。

 

川崎戦を見守った4.2万人のうち2.5万人はどこへ行った。ユニフォームが貰えればそれでいいのか。次の試合に戻ってきたならば許そう。

 

さあ、マリノス3大鬼門の一つ、ナックに乗り込もう。塩分控えめマリノス、脱水症状には気をつけて。

 

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最終ライン、緊急事態。決定力を封じよ【J1第16節・神戸戦 展望】

気がつけば前半戦最後のホームゲーム。やはり1ステージ制はいいなぁ。2ステージ制なら、首位に勝ち点差5で残り2試合は健闘だけど、ステージ優勝は絶望な話。ステージ2位には何の意味もないことだし。

1ステージ制なら、やるべきことはただ一つ。目の前の試合で勝ち点3を積むこと。長いシーズンの中で、安定した戦い方を生み出すこと。もっと言えば、怪我人を減らすこと。怪我人が出たとしても、なんとかなるだけの選手を揃えること。

 

ミロシュ デゲネクの帰国が迫っている。豪州代表としての奮戦は讃えられていいがまだ間に合わない。

そして、アクシデントで栗原勇蔵の離脱だ。瓦斯戦で復活を印象づけただけになんとももったいなく、チームには痛手だ。何しろ勇蔵を頼りに、天皇杯では新井一耀とパクジョンスをフル出場させてしまった。そのパクジョンスの抜擢が予想される。出場機会の観点では、勇蔵以上にはパクには「枠」の存在が、すなわちミロシュの壁がそびえる。プロ人生が変わるほどのモチベーションがこの一戦にはあるはずなのだ。

コンビを組む中澤佑二はこの試合にフル出場すると、フィールドプレーヤーでリーグ記録の139試合連続フル出場に並ぶ。なぜ故障と無縁なのだろうか。プロ意識とか節制では片付けられない奇跡の大記録である。パクと中澤だと当然のことながらスピードの対処に弱点がある。だからこそ田中順也や渡邉千真らを4バック全体で封じたい。

 

相手も最終ラインには、高橋峻希と橋本を欠く。そう言えば、俺たちの岩波もいない。齋藤学とマルティノスの両翼としては仕事のしがいがあるはずだ。「ここまで点が取れないのは初めて。だから逆に新鮮」とは学の談話。そんか逆転のプラス思考もあるのかと感心させられる。もう耳にタコができるほどだが、大事なのは先制点。学の最初の仕掛けで、神戸を早めにビビらせたい。

 

ウーゴ ヴィエイラは、FC東京戦のスコアレスにもかかわらず交代させられたことに立腹していたが、意地は結果で見せるしかない。盤石の先制点と、3試合連続のクリーンシートで4年ぶりの4連勝へ。

 

見出しは決まっているのだが、はたして。

雨は間も無くあがるだろう。今週も気持ちのよい一週間をマリノスとともに。

 

 

 

固唾を飲んだのは試合前の方だった?

昼過ぎから不思議なほどにアクセスが伸びていて驚いたのは弊ブログの管理人である私。
はて?平日のしかも天皇杯にまつわる展望記事なんてさほど人気が集まるはずがないのに、実際にはその前日の記事、天野純の劇的ゴールを伝える記事とほぼ同等のアクセスがあった。

 

理由はすぐ分かった。ひとえに、紛らわしいタイトルのせいだ。「天皇杯 ああ大雨や 再試合」という記事をあげた段階では、まさか開催が危ぶまれるほどの事態になるとは想像していなかった。それが昼過ぎの新幹線の運転見合わせ、FC大阪のチームが足止めを食っているツイートを流したことで、状況が変わったわけ。

 

え?今日の試合は中止なのか?って弊ブログのタイトルを見た方が誤解したとしても、無理はない。それくらいのひどい雨、ひどい遅延だった。一番気の毒だったのは、新幹線の車内で体を動かすなど、厳しい試合直前の調整を余儀なくされたFC大阪の選手たちであるが、弊ブログの紛らわしくも、試合の開催可否については何の中身もない記事を読まされて舌打ちをした方もいたことだろう。意図した釣りではなかったのだが…素直にお詫び申し上げます。

 

 

このツイートが出たのは、17:19。キックオフの1時間半あまり前と考えると、普通なのだが何しろ新横浜からの直行だ。休む間も、ウォームアップも、あったものではない。これが試合が予定通り行われることが確定した瞬間だった。

ちなみに、キックオフ時間に7人以上の選手が揃わないと、不戦敗ですよ的な規定がある。これ、もし交通遅延であったとしても、杓子定規的に適用されたのだろうか。それとも、やむを得ない理由として、再試合などの裁定が降っただろうか。本当はチームが到着していないのが致命的な理由なんだけど、表向きには試合の安全が確保されないからとか、もっともらしい理由をつけて延期されただろうか。

 

Jリーグの公式戦のように前日入りが義務付けられていない天皇杯ではこうしたことが起こりうる。ま、アマチュアクラブの経済的負担、時間的拘束の長さを考えると、前日入り義務化は現実的でないかもしれないが。

 

とまれ、試合は3-1。マリノスが初戦に90分で勝利するのは、3年ぶりだ。試合展開としては危なげなかったのは意外ではある。

三ツ沢は試合開催が危ぶまれたほどだったが、各地で波乱続出。周りを見渡せば、甲府、瓦斯、札幌が不覚。岩田は惜しかった、いや危なかった。仙台については筑波大学に敗戦と、去年の盛岡戦に続いてトラウマが出来つつある。ひぃー、天皇杯ってなんて恐ろしい。それにしても札幌から5得点した県リーグ所属のいわきとは一体…。

 

 

 流石に、21時に試合が終わってからでは深夜バスでないと帰れない。新幹線が今度は停電の影響で深夜まで止まったことを受けて、大阪の帰路を心配する声が多く寄せられたようだ。

 

次戦は京都を倒したアスルクラロ沼津。すみませんが、ゴン中山がいることしか知りません。

さて試合会場は一体どこに…?

 

天皇杯 ああ大雨や 再試合【天皇杯2回戦・FC大阪戦 展望】

頑なに総取っ替え。
タイトルを獲りに行くと宣言しても、先発メンバーは総取っ替え。
怪我人が多くて、物理的にリーグ戦で起用した選手も出場するが理念の上では頑なに総取っ替え。エリク モンバエルツ監督のやり方は、よく言えば初志貫徹だ。
ルヴァン杯で敗退してしまったために貴重な実戦の場を失ってしまった選手からすれば、捲土重来の公式戦だ。FC東京戦に出たのは富樫敬真くらいのもので、GK杉本大地、DFには出場停止明けの松原健が入る他、新井一耀とパクジョンスのCBコンビは新鮮で懐かしい。左サイドは下平匠。
ボランチには怪我から復帰の中島賢星とユースの山田康太の先発が有力と見られる。2列目には遠藤渓太、前田直輝、高野遼が入り、富樫の1トップ。

相手のFC大阪は、JFLで3位につける。得点もリーグ3位で、リーグ屈指の攻撃力を誇ると、JFLのサイトで紹介されている。百年構想クラブにも入っていないため、目下、成績はJ3昇格を満たしているが、当然必要なライセンスは交付されない。だがHondaやソニー仙台と並ぶ実力派折り紙つきで、2年前の天皇杯では当時J2のC大阪との大阪ダービーを制している。決して侮れる相手ではない。

何しろマリノスと言えば、天皇杯では延長戦大好き。昨年の福島戦、その前年のびわ湖戦。結局競り負けた北九州戦。優勝を勝ち取った長野戦。もう下位カテゴリーとやる時は判を押したように延長戦だ。90分で決めきれないマリノスさんサイドに大いに問題がある。せっかくの実戦の機会だから、120分試合を満喫しようと思っているとしたらタチが悪い。

90分ですんなり決まる時というのは、先制点をあっさり取れた時というのはほぼ相場が決まっている。前半であっさり趨勢を決めてしまいたい。長引かせて、好調のリーグ戦に影響を残して水を差すようなことは避けたい。

 

元祖、雨の横浜カーニバルとなったMIOびわ湖戦では当時、中町公祐が負傷し、すでにピッチコンディションは試合続行できる限界を超えていたのになかなか中断および中止が決断されなかったことにも不満が残った。あの試合、3点差以上ついていたならば、雨天コールド的な、MIO側が再試合を拒否(諦め)ていた可能性もあるのではないか。同点だったらそりゃ引くにも引けない。

あんな感じの豪雨とはならないと思うが、なかなかのカーニバル予報が出ている。MIO戦の再現を防ぐには、序盤から様子見をすることなく攻め倒すことだ。

 

本日、J1対JFLは鹿島対岡崎、柏対浦安、G大阪対V大分、磐田対Honda、甲府対八戸そして、横浜FM対FC大阪。季節外れの天皇杯で一波乱起きるのは間違いないだろう。

普通にやれば負けないのに、普通にやれない不思議な魔力が蔓延するのが天皇杯。

 

さて、若きマリノスの選手たちに、マモノを追い払ってもらおう。今年こそ、元日まで行くのだ。

 

天野純は劇的なゴールしか決めない【J1第15節・FC東京戦】

展開はゼロゼロだったが、このまま終わる感じはしなかった。DAZNのハイライトを見ると、驚愕するほど、フルボッコに攻められているがペースを握っていたのはマリノスの方では。

 

齋藤学のミドルシュートが林卓人の横っ跳びに防がれた83分も、きっと何か起こると思っていた。しかもこの展開なら1-0が妥当で、0-1はよほど不運なことでしかないと、そう思っていた。歓喜の約30秒前だったと思う。

起点は、ロングナイスパス連発の扇原貴宏が天野純に送ったパス。これを天野は利き足の左足でダイレクトにはたく。

 

少し浮いたボールを、富樫敬真はヘディングで返した。やや強く弾ませる。敵の足が届かないように。たぶん浮かせるつもりはなかったパスは、最高のリターンで帰ってきた。

その時、天野の頭の中にゴールまでの道筋が見えた。利き足は関係ない。より確率の高い右足で振り抜けばいい。

狙った、と言われても、本当かと疑いたくなるほどの正確なショット。林でも、誰でもあれは届かないよ。

 

88分の先制点。「自分ではトップ下の選手だと思っている」プロ初ゴールをそのトップ下で記録したことにプライドを垣間見せる。そう、顔は優しいが、やや感情的なほどに実は闘争心と負けん気が強い。「中村俊輔の代役」だった去年の開幕戦は何もできなかった。試合のメンバーに絡めない日々が続くと、移籍も本気で考えた。

 

だが天野の運命を変えたのも、尊敬する俊輔と同じ左足だったのだ。天皇杯で見せたアディショナルタイムでの決勝点が彼の自信となり、チームメイトも彼を認めるようになった。それを新潟、G大阪と2試合続けたのだから尚更のことだ。

今年は代役などではない、開幕から15試合フルタイム出場。中澤佑二、飯倉大樹と並んで、攻撃的なポジションでそれだけの信頼を勝ち得ていることに意味がある。運動量も1番だ。守備での貢献も高いし、セットプレーも安心して任せられる。

それでも、彼にはゴールだけがなかった。それを、どうしても1点が欲しいチームのために、アマジュンが決めた。天皇杯とはまた違うリーグ戦初ゴールだ。

 

歓喜のち、焦れる4分ほどのアディショナルタイム。弾き返すの得意な22と4のナイスコンビ。帰ってきたコンビ。

ピーターウタカは強くて危険。だが久しぶりに味わっただろう。Jリーグ二、俺ニ吹キ飛バサレナイDFガイタカ、俺ウタカ。

室屋成は再三再四、マルティノスを手を使って止めていた。マルティノスはとてもイライラしていた。だが、あんなプレーがいつまでも許されるはずがないと思っていた。マルティノス自身の鉄槌ではなかったが、ウタカを封じきれないながらも我らは勝った。

 

相手のシュートミスに助けられた感はある。冒頭のオフサイドも狙って取ったものではなさそうだ。前半ATのウタカのラストパスを大久保が外すとは。だが中澤、栗原のシュートブロックは素晴らしかったし、飯倉大樹は堅実だった。

ほぼ全ての選手が持ち味を出せていたことが勝因と言えるのではないか。

 

ほぼ全ての選手。そう、齋藤学を除いては。 

この日も、まだキレが戻っていないことは一目で分かった。突っかけて、失って、後から追って。怪我をした後に、強行出場したことが回復を遅らせているのかもしれない。彼が戻れば、連勝は続く予感があるのだが。

 

3連勝、5位浮上。おかげさまで大混戦。

代表活動で離脱中のメンバーがいる中で、次の試合も超重要。

また試合終了直前にどうしても1点が欲しい時があれば、俺らのAJの名を呼ぼう。劇的なゴールが持ち味のニクいヤツだ。

 

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