マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

1年の時を経てプロがそこにいる意味

一森純の涙が話題になった。試合後に、相手チームの選手と握手を交わす際に、11人目の小池龍太とは熱い抱擁だった。

言うまでもなく一森が在籍したのは2023年の1シーズンのみであり、小池が出場したのはルヴァン杯の鳥栖戦1試合のみだった。
この試合、小池が交代するまでの46分、ふたりは同じピッチに立っていた。

そこからの長い長いリハビリに挑む小池を、一森は近くで見ていたに違いない。彼は彼で、己のGK人生を大きく変えるチャレンジを始めていた。彼自身はともかく、1年後に東口順昭を押しのけるとは多くの人が思うまい。

さほど長い時間を一緒に過ごしたとは思えないが、ともかく一森の日産スタジアムへの帰還を、小池龍太が抱きとめていた。俺もお前もよくやったよな。本人たちがそう言わないのなら、外野からせめて賛辞を浴びせたい。

野球の投手がひじにメスを入れるトミージョン手術も、サッカー選手の前十字靭帯の再建手術も成功率は9割なのだという。なんだ、そんなに高いのか、と思うのは早計だ。今日話した整形外科医によると、そうした特殊な手術は、スペシャリストでなければできないのだと。高齢者の単純骨折とは違うのだ、とそりゃまあ医療の素人でも想像はつく。トミージョンは、手術前に比べて球速がアップする事例もあるそうだが、サッカー選手が手術をしてパワーアップしたという話はほぼ聞かない。

宮市亮や畠中槙之輔、小池裕太は膝前十字靭帯の損傷や断裂。小池龍太は、右膝蓋骨骨折だった。ググると、かなり怖い話も出てくる。要するに悪名高い前十字靭帯のケガと比べてもさらにキツイことがわかる。プロサッカー選手にとって20代の1年を棒に振る意味はあまりにも重い。トップフォームに戻れるかわからない不安と戦いながら、そして松原健というライバルに挑む日を思い浮かべながら。


柏レイソルから来た右サイドバックが13番を背負っているだけで、だいぶエモい。その彼もまた、マリノスの多くの選手と同様にクラブ愛を隠そうとしない。何が彼らをそこまで。

正直に言って、小池龍太の絶好調時を知るファンからすると、まだまだだと思う。でも長期のリハビリを経て、痛みが再び出ることもなく、そこへ居続けてくれたなら。

23シーズンのACLでゴールを守った一森はいないけれど、そのときはいなかった小池が24のACLにはなんとか間に合った。おかえりなさい、そして神様は彼の膝を守ってほしい。