マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

今年50台、来年は100台。伝説を作るには ~キッチンカー革命・後編~

キッチンカー革命の道を突き進むCDA。横浜F・マリノスの新たな名物。

「列に入れよ我らの味方に! 食え!それが自由への道」という替え歌を歌えば、美味しいスタグルはゼロカロリーになるとか、ならないとか。

 

個人ブログとしては異例の反響をいただいたCDA(CATERING &DELIVERY-SERVICE ASSOCIATION)の須谷CEOのインタビューをお届けしてきたが、最終回となる。

 

↓過去2回の内容はこちら

www.f-schale.com

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キッチンカーを愛し、マリノスを愛して、着実に結果を残してきたCDAの功績はすでに大きい。そんな須谷の口から出てくる目標は「今年50台。コロナ後には100台」だ。その真意と実現のための道筋を聞いた。

 

現在の日産スタジアムは工事中

先日も須谷の挑戦的なTweetが話題となった。

 普通の感覚では、26台を「寂しい」とは言わない。もちろん「この規模で満足していないよ」というメッセージである。

 

目下の最高記録は4月に行われた横浜ダービーでの38台。このとき初めて中央広場が使われた。これまで構想はあったものの、中央広場は階層が異なるため見た目以上にスタジアムからは遠くなるため実現しなかったという。最終的にはコロナの影響により新規のチケット販売を早々に取りやめて、観客は1万2千人だったが、本来ならもっと多数の集客が見込めたカードだ。

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この図では「北ゲート」の文字があるあたりが「中央広場」。東西ゲートに加えて「中央広場」にもキッチンカーがお目見え。さらなる余地は…?

現在、写真にあるように大多数のキッチンカーが設置されるはずのトリコロールランド(東ゲート付近)が、大きく設置不可の制限を受けている。この工事が終わり、12月の最終節を須谷は見据えている。

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絶賛工事中の大階段。階段下に設置されるキッチンカーも制限を受け、少なくとも5台はマイナスとなっていそう

「最終節はフロンターレ戦です。ここをぜひ優勝決定戦にしていただいて、できれば制限なしで動員できる状態になっていてほしいと願っています。

そうしたら僕たちは、最強の50台を率いて、皆さんを迎えたい。これは十分実現可能と考えています」
ー仮に観客が3万人動員なら少なくとも50台ないと、さばききれないですよね 

「そうなんです。多くのこだわりキッチンカーは調理に時間がかかるので提供に限界、なので台数を増やして対応するしかないです。頭数だけそろえるならだれでもできます。あくまでも最強の50台をそろえますし、試算上は中央広場を使わず、日産スタジアムの東と西だけで50台並べられるんですよ

ーそれはワクワクします。ただ設置台数を決めるのはマリノス?

「いえ、最終的にはスタジアムをもつ横浜市の許可がいただけるかどうかです。日頃からかなり無理を聞いていただいていると思っていますが、避難通路などの確保のほか、今は密にならないように車両の間隔を開けるなど、台数が増やせない事情はあります。正直、台数が多いほうが行列も分散するのですが、あまり無理は言えません。

ただ少なくとも上限5千人が解除され、対話を重ねることで計画に許可をいただければ50台は射程圏内です」

 

ハーフタイムの光景にも変化が

日産スタジアムは東ゲートから再入場が認められている。試合開始後にスタジアムの外に出るという人は、どれほどいるだろうか。

ハーフタイムであってもずっと須谷は外にいる。彼に会うために、筆者はハーフタイムになると同時に、トリコロールランドへ向かった。初めてのことだった。

 

試合中にもかかわらず外に出てくる人数も増えてきたことを須谷は実感している。ハーフタイムは15分、長蛇の列にはならないので食事を買って席に戻るだけなら十分可能な時間だ。

「もう一つ、今年に入っての変化ですかね。運営にかかわるスタッフさんも、試合中になると買われたりしています。お弁当の用意があるはずなのにすごいことですよね。

あとうちのスタッフも買いますし、最近は日産スタジアムのスタッフも楽しみにしてくれていて。

『今日はあのお店来ていないんですか…?』なんて聞かれたり。来ていなくても他のお店も美味しいですよなんて。本当に美味いものは美味いんだなあと実感します」

完全に胃袋を握られてしまった。もうキッチンカーがいないスタジアムは想像できなくなってきている。

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(余談)勇猛果敢にハーフタイムに突撃、それでもベリーズベリーさんにはチラホラと客。もらった番号札は”4ever Tricolore”で縁起がいい。 そしてもちろん美味かった…!


 

ニッパツ三ツ沢の景色も変えた

三ツ沢の試合は、現在、多くて15台の出店となる。日産の半分だが、日産スタジアムのラインナップが三ツ沢公園にも並んでいるときの光景に興奮を隠せなかったサポーターも多いのではないだろうか。

日産スタジアム以上に食の選択肢が少なかった三ツ沢。とくに球技場もよりのコンビニが閉店して以降は、どこか遠くで買ってくるしかなかったと言っていい。その意味で胃袋的な貢献度はきわめて高い。

 

新横浜公園とは比べ物にならないほど敷地の制限がある三ツ沢ならではの試行錯誤もしたという。

「ニッパツの魅力であるスタンドからピッチの近さが災いしたんです。豚丼の煙がピッチ方向に流れてしまって、マリノス運営担当の矢野さんから『やばいです。試合が始められなくなるかも』と電話が。

あわてて火を消してくれ!と頼んだのですが、炭火だからなかなか煙はおさまらなくて…。ありったけの扇風機をかき集めて風向きを変え、なんとかキックオフ。スタンドのサポータには『発煙筒を炊いたみたいだ、幻想的だった』とか言ってもらったみたいだけど、笑い事ではなかったです…」

 

次の試合から豚丼の配置はピッチから遠い場所に変更されたのは言うまでもない。このようにしてノウハウはたまっていくのだそうだ。

 

ビーコルセアーズ、キヤノンイーグルス進出で横浜統一へ

すでにCDAは、Bリーグの横浜ビーコルセアーズについても、マリノスと同じアプローチでスポンサーになり、アリーナのグルメプロデュースを担っている。

 

さらに狙うのは来季からラグビー新リーグがスタートするのに合わせて横浜をホームタウンとすることになったキヤノンイーグルスのプロデュースだ。予定される試合会場は、日産スタジアムとニッパツ三ツ沢球技場。マリノスで培ったノウハウが余すところなく生かされ、ラグビーファンをも唸らせるに違いない。

 

「ラグビーのファンにも食べてほしいですよね。弊社としてもチャンスだと思う。地元のキッチンカーは張り切ってくれるはず。やはり出店機会は多くほしいし、台数も増やしていきたい」

ーやはり観客が多いマリノスはまだまだ伸びしろありますね?

「先ほど50台と言いましたが、もし(6万人近く来場して)3万人が購入したとすると1台あたり600名。試合開始まで3時間しかないので1分に3名さばく計算になる。それはどうやっても不可能なんです」

 

「目標は100台、夢ではない」

「なので夢ではなく、コロナ後すぐの目標として100台を実現したいです。設置場所の調整は横浜市さんに判断いただくことになりますが、スタジアム外周通路、リング通路もおこうと思えばおけるのではないかと思っています。もちろん私たちだけの言い分をいうわけではありませんがアイデアはぜひお伝えしたい」

ー新横浜駅から向かう「東ゲート橋」にキッチンカーが並んでいたら壮観かなと個人的に思います

「それもあるかもしれません。なので、いつもとは言わないまでも『キッチンカー出店台数のギネス記録を狙う』など大義名分をつけて要望を出したいと考えているのです。構想ですけれどね。今もコロナの状況で、スタジアムもマリノスさんも可能な限り調整してくれて感謝しています。ですが、めざしたい景色はもっと先なんですよね。コロナの影響で足踏みしてしまっているが、やりたいこと本当にまだまだあるんです」

ー防災の観点では、万一の備えもしなくてはならないですよね。でもファンの立場としても、横浜市にはこれまで以上のお力添えをお願いしたいところですね

「サポーターさんたちの純粋な発信力は、大きな力だと思います。ピッチの外からマリノスを、横浜を一緒に盛り上げていきたいですね。ぜひ100台で…!」

 

真のWin-Winに向かって

インタビュー終了後、須谷がくれたメールの一部を紹介したい。

今日はいろいろとお話でき楽しかったです。1つ加えて書いていただきたいと思うことがあるので、追記させて下さい。

 

100台を出店させることができても、1台1台の売り上げが芳しくなければ、それは失敗であり、出店していただくキッチンカーの方々に100台出店という弊社側のエゴを押し付けることは絶対にしたくありません。

 

100台のキッチンカーが出店し、全員が納得する売り上げをあげて初めて成功になると考えています。(中略)そこまでが弊社の仕事、「キッチンカーファースト」であることはぜひ記事にも記載ください。

 

こうした熱い思いを受け止めたうえで、サポーターができることを考えると、結局「腹いっぱい食べる」ことに尽きる。ごみをポイ捨てせずに後片付けをして、笑顔でごちそうさまを言うこと。できれば、それぞれがインスタ、Twitter、ブログなどで発信していくのはいいと思う。

 

実際に須谷のインタビューを読んだ方からこんな感想が並んでいる。結構多くのサポーターが以前よりもいっぱい購入している自覚があるようだ。

 

まだまだ伸びるだろう。なにしろマリノスサポーターは全国に仲間がいる。そうした人たちが再びスタジアムに集えるようになったときに体重を増やしてから帰路につけるように。アウェイサポが腹ペコのまま到着して、たくさん消費していただけるように。

 

 

散財せよ、ということを言いたいのではない。作るあほうに食うあほう、同じあほうなら・・・という心境である。

 

「マリノスはいいよね、強いし、かっこいいし、スタジアムも大きくてアクセスいいし。おまけにスタグルも日本最強だものね」よそさまからそう言われてみたい。

すでにJリーグのスタグルは世界一との評価もある。なので日本一は世界一なのだ。

 

もちろんスタジアム内のホスピタリティ、VIPの充実も、マリノスの大切な一部。

こんなブランディング、一緒に伸ばしていきたい。

 

 

(了)

 

追伸:もうすでに清水戦のキッチンカーラインナップが発表されています。応募台数や須谷さんの思いを考えると「台数が寂しい」は煽りでも、ギャグでもなく本気なのだと思います。 各キッチンカーのご紹介ができなかったところもありますが、気になる方はぜひ店舗名でググってください。食いしん坊のレポートがいっぱい出てくるはずですよ。

 

待ち時間を表示するテストの話もクラブからリリースされましたね。進化はまだまだ止まりませんね。

「混雑ランプ」を活用したキッチンカー混雑可視化施策に関して | ニュース | 横浜F・マリノス 公式サイト