順当だ。昨今のマリノスでの成長を見ても、同タイプの選手が周りにいないことを見ても、さらには招集された際にはしっかり結果を出していたことを見てもだ。遠藤渓太を外す理由はなく、選出は極めて順当だった。
5月20日に開幕する、U-20のW杯本大会において、遠藤は日の丸をつけて戦う21名に選ばれた。誇るべきことであり、この世代にはその先に20年の東京五輪の中心となる。
U-20のW杯では24カ国が6グループに分かれ、D組に入った日本は、5月21日に南ア、5月24日にウルグアイ、5月27日にイタリアと対戦する。
渓太が試合に絡めるかどうかはこの辺りに書いた。
堂安、三好、小川それにバルサの恋人、久保建英とタレントは豊富で、スタメン組と目される彼らの壁は高いかもしれない。それでも遠藤には彼らとは異なる武器がある。マリノスでは齋藤学やマルティノスが担っている、サイドから主にドリブルで局面を前進させる能力、スピード。それが遠藤の魅力と言って間違いない。
ルヴァン杯待望の初勝利となった新潟戦で見せた遠藤の今季国内初ゴールは、スピードとテクニックの詰まった、技ありの股抜きゴールだった。恐らくは子供の頃から何度も練習した形を実戦で出すだけだったはず。
中島賢星や扇原貴宏のように前節で初ゴールをあげた選手たちは同様に再現を狙い、山中亮輔と新井一耀の攻撃での貢献は続くか。その辺りが見どころとなる。
対戦相手の甲府は、ここまで2戦ともスコアレスドロー。ぶっちゃけた話、学とマルを欠くマリノスとなら塩試合になる可能性がとんでもなく高い。前田直輝と遠藤のミッションは、塩回避ではないかとすら思う。
ただ逆の言い方をすれば、リスク管理、具体的にはカウンター対策を正しくした状態で、守りの固い甲府を攻めるのは遠藤にはまたとない経験となるだろう。
ルヴァン杯の順位は4位につけている。今日勝てば、3位以内に向けて大きく視界が開けるし敗れたら逆にほぼ厳しくなる。再来週にはリーグで再び甲府と当たるのだから確実に叩いておきたい。引き分けの多い印象のあるこのカードだが、カップ戦ではマリノスが3戦3勝。
リーグ戦で苦しい今、カップ戦で勝ってチームに勢いをもたらしたい。さらに閉塞感を変えるためにはこの試合で活躍した選手はリーグメンバー入りも増えるだろう。
まさかの祝日開催なんて不思議な感じのするルヴァン杯。第4節ということはまさに折り返し地点だ。
祝代表選出。遠藤渓太の壮行試合だ。自身の祝砲に期待したい。守備を引きずり回せ。