マリノスの優勝条件を今一度整理しよう
12月7日、第34節は、首位である横浜F・マリノスと勝点差3で追う2位のFC東京(瓦斯)の直接対決。マリノスの勝ち、引分の場合だけでなく敗戦としても3点差以内ならば、マリノスの逃げ切り優勝となる。瓦斯が必要なのは4点差の勝利。
そのような中で、瓦斯公式がトンチキなTweetを出した。
2003年8月30日、J1リーグ 2ndステージ第3節。#横浜F・マリノス 相手に #阿部吉朗 選手、 #金沢浄 選手、#戸田光洋 選手、#宮沢正史 選手がゴールを奪い、4得点で快勝!!!!!!!✨✊✊✊#最後の1秒まで #fctokyo #tokyo pic.twitter.com/wHnJvFIlZ3
— FC東京【公式】🔜12/7(A)横浜FM戦 (@fctokyoofficial) 2019年12月3日
この試合のファイナルスコア、瓦斯4-1横浜FMである。すなわち3点差なので、これだとマリノスの優勝が決まる。しかも03年とはマリノスが1st、2ndの両ステージ制覇の完全優勝を達成した年だ。何が言いたいのだろうか。
…ちなみに2005年には瓦斯が4-0で、マリノスに勝利した年が実在するというのに。
直接対決のスコアを振り返る
過去リーグ戦の対戦成績はマリノスの12勝、瓦斯の17勝、8引分。マリノスからすると最も苦手な部類に入る。しかも、今年夏の第17節は2-4、昨夏の第17節も2-5で大量失点している。何が言いたいか、0-4の大逆転V逸が起こる可能性はゼロではないのだ。
<各得点ごとの試合数>
0点 1点 2点 3点 4点以上
瓦斯 10 16 5 2 4
マリノス 14 13 7 3 0
マリノスから見ると、かなり分の悪いことがここからも窺える。瓦斯が4得点以上あげたのは、4試合で全対戦の11%ある。ただし4点差がついたのは、上述の2005年、瓦斯4-0マリノスのただ一度だけである。一度だけだが、すでに前例はある。
マリノスの4点差負けは記憶にないが…
では過去10年の全リーグ戦の成績に広げてみよう。瓦斯は09〜19年、マリノスは10〜19年を調査対象とした。瓦斯は11年にJ2に落ちているので、その年を除外して1年深く掘り下げた。
瓦斯が4点差以上の差をつけて勝利したのは339試合中で6試合あった。確率は1.8%となる。
マリノスが4点差以上の差で敗戦したのは339試合中でゼロだった。ちなみにマリノスの4点差以上勝利は9試合なので、確率は2.7%とこちらの方が多いほど。
実は世の中、3点差負け、3点差勝ちというのは結構ある。ところが4点差になると話は別だ。「そうは起こらない」。マリノスも昨年に、瓦斯に2-5、広島に1-4という屈辱の連敗があったのは記憶に新しいが、これらも3点差負け。
週末、もしも瓦斯が4点差をつけて勝つとなると、これはただの1試合としても歴史的大勝、大敗ということになる。ただ繰り返しになるが、遡れば2005年に瓦斯4-0横浜FMという対戦があったことは事実である。
アジジ作戦を上回るには殴ること
ここまで1試合平均1.39得点(総得点46)の瓦斯にとっては4得点はかなりの至難の業。加えて、得点源のディエコ・オリヴェイラが膝を痛めて離脱という噂が真実ならますます陣容は苦しいはず。永井はどうなる。いわゆるアジジ作戦である。どうせ、ディエゴは何食わぬ顔で出てくる。そう思って備えていた方がいい。
それを上回るには、相手がどんな体制でやろうと、誰が出てこようと、いつものように殴るだけ。
いつものように。これが大事。普段と違うことをやったって、急にはハマらない可能性の方がずっと高い。でも瓦斯は普通にやってはダメ。ならば?
セットプレー頼みで来るだろう。扇原貴宏が欠場し、渡辺皓太が出るとなれば、いつも以上に空中戦はマリノス不利。もう三田のキックを頼りに放り込む、放り込む。
で、マリノスのミス待ちだ。瓦斯との前回対戦では、朴一圭のまさかのキャッチミスがあった。それが大量失点のきっかけになった。普通では起こらないミスが起こる。ミスの原因の一つを「重圧」と呼ぶ。
いくらだって事例はある。だから殴れ
今年5月の欧州CL準決勝。第1戦を0-3で敗れたリバプールには、4点差の勝利が必要だった。しかもバルセロナを相手にである。リバポはホーム、アンフィールドでそれを成し遂げた。まさに奇跡である。
そのバルセロナも2017年にPSGを相手に第1戦を0-4で落とし、第2戦に6-1の大逆転を演じている。
少し古いが、上述のリバポにはイスタンブールの奇跡という逸話もある。05年の欧州CL決勝で、前半だけで0-3とされながら45分でミランに追いつきPK戦でビッグイヤー獲得…。
おい、けっこうあるな…奇跡。そう、起こり得るのだ。瓦斯は、リバポと同じくユルネバ(と日本語で略するのはあまりにもダサ○いと私は思うが)を歌うものだから、オラ達も奇跡起こすべと言っているようだ。まあ、全く不可思議な理屈だけれど。もし私が逆の立場なら絶対に同じように言ってると思う。
先月末には柏が京都を相手に13-1という不滅のスコアを打ち立てた。それまでのJリーグ記録が9点だったので、空前絶後のスコアだ。だがこれも実際に起こりうる。
だから、マリノスは殴る。殴れるだけ殴る。1-0も狙わないし、13-1も狙わないし、もちろん0-1になっても逃げることもしない。今、サポーターも心底信じている。いつからそうなったのか思い出しづらい。選手たちだけではない、スタンドも今のチームを信じているから、シーズン当初とは「雰囲気が違う」。
おっかなびっくりやっていた頃とは違う確かさがスタジアムを覆っている。マグレで6連勝はできない。
俺たちがやれること
しかし、もしも、ありとあらゆる不運や事故やミスも手伝って瓦斯が4得点し、上回られることがあるならば、その時は瓦斯を称賛するしかない。私はそう思っている。
だけれど、そんなのは絶対にイヤだ。マリノスを勝たせたい。今スタジアムを覆う確かな雰囲気をそのまま最終戦にも持ち込みたい。
ということは、分かりますよね。一生懸命応援することがすべて。
超満員の日産スタジアムには初めての方も来るだろう。恥ずかしがり屋もいるだろう。「声出して」「跳ねて」では、反応しづらいのも確か。だって、私もそうだった。応援は人から頼まれたり、強制されたりするものではない。
栗原勇蔵は、家族だから、家族のために頑張るでしょうと、言った。確かに家族ならば自然に応援する。一緒に応援したい…。跳ねたい…。叫んじゃおうかな…と思わせるしかない。ごく自然に。
例えばこういうことを、さっとやる。マジ尊敬する。
セブンでプリントアウトできるので、自分の分、ゲストの分、ぜひ持参したい。