マリノスは国内で初の対外試合で、大宮との練習試合。
3本試合して、スコアは2−2だったそう。
タイでの2試合に加えて、この試合も、攻撃が形になっているのが気になる。
だって、ここ数年の開幕前と言えば、無得点が常だったから。やっと得点!と思ったら、当時ユース3年の和田昌士という珍事もあった。
それから考えれば、やけに順調な今年のマリノス。
ウーゴ、バブ、デゲネクという期待の新外国籍選手も揃ってプレーできたらしい。この時期に新外国籍選手が揃っているだけでも奇跡なのに、試合出場とはもはや驚き。
パクジョンスが腕を痛めたという情報は心配ながらも、着実にチーム作りは進む。
今日の1本目が、レギュラー争いでは一歩リードの面々だろうか。
____富樫_____
_学__バブ__マル_
___中町_天野___
金井_中澤_デゲ_松原
____飯倉_____
次は、9日のFC東京戦。それで宮崎キャンプは打ち上げとなり、いよいよ最終調整、熟成の期間に入る。
そんな新マリノスも楽しみだが、すごいっすね。俊輔効果。
磐田と熊本との練習試合、5千人超えだって。
本当に特別な選手なのだなと思う。
マリノスでは「勝っても、喜べなかった」というインタビューの断片が、SNSで拡散され、俊輔への憎しみのような感情を煽っている。悪意ある断片的な捉え方をすれば、古巣をdisってるように聞こえるだろうが、果たしてそんな酷い話なのだろうか?
NEWS23で放送された俊輔の回答について、字起こしを行うことにした。
根本的にサッカーを楽しむ、練習して伸びるうれしさとか、そういうものがだんだん欠けてきたというのは事実。
マリノスの10番のユニフォームを脱ぐことは、自分のイメージというか、そんなこと考えたこともなかったけど、それをも脅かすような心理状態だったんで。
(サッカー以外で悩むことが大きかった?)
ほぼ、そうです。練習に行くのが辛い。試合で勝っても、なんかこう喜びが起きない。それはやっぱ一番あってはいけないこと。まあ残り1年とか2年、決めてはいないですけどゴールは近づいてきていると思うので、1年1年、1日1日を無駄にしたくないっていうか。
「サッカー小僧」というか、サッカー始めた頃の感覚に戻りたいなっていうのは、やっぱそうじゃないとサッカーやっている意味はなくなるんじゃないかなという。
(磐田ではゴールすると選手が名波監督に抱きつきに行くが?)監督に抱きつきに行くのはプロじゃやらないじゃないですか。高校生じゃないんだからと思うんですけど、でもそれぐらい関係というか距離が近いのと、信頼関係ですね。
自分が進まなければいけない道というものをジュビロが与えてくれたっていうのは、恩返ししたい気持ちがすごい強いです。
うまくなりたいですね。それは変わらないし、そういう気持ちが欲ですね。あいついいなと思ったら、味方でも嫉妬しますし。22人のなかで一番いいプレーを俺がしてやるっていうのもウワーッて出てきますし。
カズさんでさえ、僕に聞いてくるんですよね。あの時ってどういう感覚で持ってるの?とか、なんであのプレー選択したの?とか。向上意欲っていうか、キラキラしている感じで。自分にはあの感じはない。
(理想の終わり方は?)漠然としていますね。たとえばみんなでいいプレーをしてタイトルを取ったら、「あれ?来年もいけるぞ」ってなっちゃいますし、向上意欲とかはもう、勝手に湧いてくるので、うーん流れるままにしているって感じですね。
実は、俊輔が語っている大半は、マリノスサポーターなら耳にタコができるくらい聞きなれた話が多かった。向上意欲の話とか、引き際の話もそう。
ただ、心情的に受け容れ難いのは「勝っても喜びが起きない(起きなかった)」のワンフレーズでしょう。思いを一つに応援していたサポーターのこと考えても、そんなこと言えるのかと。そこまで過去を否定する必要があるのかと。
その気持ちは私もわかる。男なら、転職した本当の理由など黙して語らずという美学もあってよい。
髪がまだ金色だった小林祐三も、KAPPAを纏う前の河童こと兵藤慎剛も、コーチ兼任のオファーが不服だった榎本哲也も、決してマリノスを悪く言うことはなかった。ただ、中村俊輔ほどの選手になると、移籍の理由をはぐらかしたままにはできないのかもしれない。
ただ、俊輔はこの移籍がどうしてもやむを得ないものだったということを表明したかっただけなのかもしれない。
事実として、マスコミによる色付けを除くと、俊輔はマリノスのフロントや、モンバエルツ監督のことを表立って批判、否定などはしていない。
楽しくなかった、喜びがなかったというのは、男らしくない答え方だったとしても、必死にもがいて、いち選手がやるべき以上のことと戦ったのはまぎれもない事実だと思う。そして別離という結末は、誰もが望んでいないことだったと思う。ただ名波浩を除いて。
誰かが、もし中村俊輔がキャプテンでなかったなら、ここまで抱え込まなくてよかったかもしれないと言っていた。
飯倉大樹は、誰よりもサッカーと向き合ってきた兄のような存在である俊輔を思って、魂を受け継がなくてはと語る。
マリノス復帰後、マリノスを勝たせようとした彼の姿勢は、功績は疑われるものではないのではないか。
普通の選手やスタッフには見えない未来を見通して、人一倍苦しんでしまったのではないか。
「苦しい思いに耐えきれなくなった」というインタビューは、本音だろう。テレビの編集によって誇張されると分かっていながらわざわざ本音を言わなくても、自分の胸にしまっておけばよかったのにという指摘は当たっているが、あの中村俊輔が、思わず漏らさずにはいられなかった苦しみを少しでも分かってあげたい。マリノスから離れるなんて考えてもいなかった彼が、そうせざるを得なかった、という立ち位置で聞いてあげられるのはマリノスと俊輔を愛する私たちだけではないのか。
俊輔にとっては苦しみを生む環境だったとしても、それは俊輔にとって苦しかったという主観的事実であり、マリノスそのものを否定してるわけではない。
俊輔とて、人である。ゴールを決めて、監督と抱き合うこともやってみたらいい。
マリノスの監督と抱き合うことなんて考えられなかったとしても、今後マリノスの中にもそんな選手があらわれるかもしれない。
そう考えると、感情的に反応するなんておかしい。マリノスにとっても磐田にとっても、俊輔自身にとってもよい移籍になるのなら、それでいいじゃないか。