ネーミングライツの功罪。その前が長ければ長いほど、親しまれていればいるほどに、新しくライツを買った企業には不利極まりない。ビッグスワンは未だに私の中では東北電力だし、ベアスタはベアスタなのです。でもアイスタがその前なんだったかは今はもう思い出せません。メットライフドームを初めて聞いた時は絶句したものの今では慣れてきました。ライツを買うなら途中でおかしな変更はしないで10年呼び続けるということかもしれません。
大分銀行ドームは、9年間その名前でした。初代は九州石油を名乗っていたようで、確かにその記憶もないことはありませんが、期間は4年間。やはり大銀ドという私の主張は年数からしても間違いないようです。ずっと変わらないでいることは難しく、2013年の頃、「凄いのは指原だけ」という名物横断幕が掲げられましたが、その後大分はJ1経験クラブとしては初めてJ3降格まで味わいます。でもそこからがすごかった。片野坂監督はぐう名将。寡兵ながらJ2も突破してJ1へ返り咲き。当然これも初のケースです。天国から地獄を味わい再び這い上がる稀有なクラブと、未だかつて降格を味わったことのないクラブの激突。
大分のその後の軌跡は、松本"レイチェル"怜のサッカー人生を重ね合わせることができます。え、31歳?!
北海道で生まれ育ち、死にたいくらいに憧れたマリノス。その入団の夢を叶えて、木村和司に冷遇され、たどり着いた大分でも怪我に泣き。やっと才能を花開かせたと思ったら、ついにチームはJ3降格。個人的に誘われても漢気の残留を繰り返して、自分に言い聞かせた言葉は「このチームでJ1へ行く。そしてマリノスを倒す」
最後の部分を叶えさせるわけにはいきませんが、よく戦ってきたよね、レイチェル。もはや不動の存在。イケメン、快足、遅咲きの右サイド。
燃えて散るのが花、夢で咲くのが恋、大分で遅く咲く花もまた美しい。「J3からJ1」で言えば、今話題の藤本憲明。藤本と同じく裏抜け大好きで、初先発に燃える生え抜き後藤優介も気になります。
さらに言えば、レイチェル、後藤に加えてタイ代表・ティティパンの右サイドトライアングルのポジション、裏抜けの駆け引きには注目が必要です。鹿島、磐田を倒して2勝1敗のチームをよもや昇格組などと侮る人はいないでしょう。
迎え撃つマリノスの左と言えば、天野純。レイチェルのポジションを下げたいマルコス ジュニオールと、そしてタイの同胞、ティーラトンは真価の問われるリーグ2戦目です。多少のご愛敬は、現役日本代表の畠中槙之輔先生におまかせあれ。
ちなみに逆サイドにも、実力者高山薫が。なんとここに居たのか。こっちサイドも上下動の激しい消耗戦になりそうです。互いに失点が多いのも気になります。撃ち合い…?
何かと話題の琉球は開幕4連勝を達成。国際Aマッチデーのため1週開くだけに、勝って代表選手達を送り出したいものです。