マリノスにシャーレを2019

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

探せ最適解:「誰を出して、誰を外す」

「贅沢な悩み」がついに現実のものとなった。エジガル・ジュニオの帰還である。
マリノス サポーターであっても、あの時、「詰み」を予感したはずだ。

あの時、とは7月20日。第20節の神戸戦だった。ノエビアスタジアムの生い茂った草むらのようなピッチに足を取られた、当時の得点王は骨折。全治3カ月ということは、すなわち今シーズンは絶望ではないかという予感さえした。程なく代役の筆頭候補だった李忠成も負傷離脱してしまい、山谷侑士か、大津祐樹か、いやマルコス・ジュニオールを前にするしかないではないか、などという事態に陥ったのだ。

並みのチームなら、少なくとも、私たちがよく知るマリノス ならここで手をこまねいてズルズルと順位を下げていた可能性が高い。得点源を失うというのはそういうことだからだ。

振り返ってみると、8月5日、エリキ選手加入のお知らせ。8月12日、マテウス選手加入のお知らせだ。渡辺皓太の加入発表も8月8日である。このころ、チームは8月3日の清水戦、8月10日の鹿島戦、8月17日のC大阪戦と悪夢の3連敗を喫している。もう優勝の2文字が視界から消えようとしていた首位との勝ち点差9の頃のお話である。天皇杯狙いに切り替えかけていた人、先生怒らないから手を挙げなさい。

エリキ、マテウス、なべこうが揃って先発したのはC大阪戦。この時は、試行錯誤一発目がハマらず、4-4-2の不慣れなやり方で自ら苦しんでしまった感がある。翌週の5-1で大勝した名古屋戦以降は、慣れ親しんだ4-3-3に戻していて、要するにリーグ戦はただの1試合も負けていないのだ。

エジガルが戦列を離れて、ついでに李も合わせていなくなってしまったあの頃の苦しみを経て、今の快進撃があるのだ。エジガルが健在だったら、エリキ、マテウスはマリノスのユニフォームに袖を通していなかったと思われる。エースのケガさえも、燃料に変えてしまった進化のスピードに今年のチームの本質的な強さがある。補強は実に的確だった。

ラスト3試合。絶好調のチームに、頼れるエースが帰ってきた。鬼に金棒なのは間違いないが、みんながみんな試合には出られない。外国籍選手の枠の問題である。悲しいけど、これ、日本国のプロリーグなのよね。

外国人枠ベンチ入りの枠は5名だ。たまにAFCがどうの、ティーラトンと朴一圭を同列に扱う誤った記述が見られるが、いい機会なのではっきりさせておこう。兵庫県方面のお金持ち、金満くんがゴネたおかげと言われているが、2019年シーズンより、J1の外国籍選手は出場・ベンチ入りともに5名が上限となった。マリノスはかなり恩恵を受けていると言っていい。

大事なポイントだが、タイ国籍を持つティーラトンは「外国籍選手の枠」に含まれない。制度上は、ティーラトンと高野遼は同じ扱いだ。タイの他、ベトナムやマレーシアなど提携国と呼ばれる計9カ国の選手に適用される。そして、この枠は「外国籍選手に含まれない」とだけ記載があるため、ティーラトンとチャナティップとティティパンが同じチームにいたとしても、まだ他の外国籍選手が丸ごと出場できる事になる。

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悪魔の左足・ティーラトンはJ1では「外国籍選手」ではない。このポーズ、マジカッケェ。

また「在日枠」として、外国籍を保有していても、日本で生まれ、日本の高校・大学を修了している場合は1名に限って、外国籍選手の枠から除外される。朴一圭の場合は、朝鮮大学卒であり、この資格を満たさないため、ブラジル人選手と同じく、外国籍選手の枠を争うこととなる。

ドゥレ(ドゥシャン)がベンチ入りすらできないのは、こうした背景がある。パギ、チアゴ、マルコス、エリキ、マテウスの5名がベンチメンバーに入ってしまっているからだ。チアゴが長期間試合に出られないことにならない限りは、ドゥシャンは冷や飯を食わざるを得ないのが実状。あんなに熱く、あんなに豪快に警告を受ける選手は松田直樹以来ではないか。実に惜しい。

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「王の帰還」松本戦では彼の起用法が最大の注目ポイントとなる。

前置きがあまりにも長くなった。エジガル・ジュニオをベンチ入りさせるには、ドゥシャンの他に、もう1名、ベンチからも外さなくてはならないのだ。

1, パギを外しちゃう

好調な攻撃陣をさらに活性化し、ボコボコに殴り続けるなら、パギを杉本大地に代えてしまう手法。
マテ エジ 仲川
  エリ マル
   喜田
ブン チア 畠中 松原
   杉本

控え目に言っても、「狂っている」と思う。実現可能性は1%以下?
ボール支配率が70%近くなることを予想すると、ポゼッションの質で殴る爽快感はたまらないのだが。地元の松本市教育委員会からイジメを助長するとかいうクレームが来てもおかしくない。ではお宅のやり方だと、引きこもりを助長する可能性については…以下略。

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札幌戦でもビッグセーブを連発。パギ外しは狂気の沙汰か。

2, マルコスを外しちゃう

誰が呼んだか、マルコス システム。2019年のマリノスの攻撃を組み立てたのは、当初予想された天野純でも三好康児でもなくマルコスだった。無双状態だったが、ここに来て指摘されているのはマルコスへの過度な負荷である。不調なのか、痛みを抱えているのか、それとも役割を変えたのか。マルコスにしかできない動きがチームを支えており、エジガルを入れたいからと言ってマルコスを外すのは愚策だろう。エジガルが出場した場合に最も輝くのはマルコスだからだ。

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マルコスとエジガルの補完関係が、前半のリーグ戦を席巻した。コンビ復活か。

3, チアゴを外しちゃう

まー、イニエスタやビジャを封じた伊藤槙人なら大丈夫。前田大然のいない松本ならスピードでぶっちぎられることもないだろう。槙人と槙之輔のマキシンコンビって新鮮だね・・・って、ばか!
今、チアゴを外すのは自殺行為。敗退行為だ。何がどうあってもありえない。本当になんでこのクラスの子が、シティじゃなくてウチに来てくれたのかしらね。この子を干すパルメイラスって一体…。

マテ エジ 仲川
  エリ マル
   喜田
ブン 伊藤 畠中 松原
   杉本     ないでしょ。笑。槙人にはもちろん期待しているけど。

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ハイラインこと、戦術チアゴ。ただのチートCBになりつつある。

4. エリキを外しちゃう

微笑みのエリキ、何をいつもヘラヘラと、と思ったらこの笑顔には深い理由が。貧しき幼少期を思うとサッカーをできる喜びを胸に、短くも儚い現役生活を「常に楽しんでプレーする」という彼の人生訓があったのだ。深すぎる。
エリキよりもCFとしての適性はエジガルの方が勝るだろう。シンプルに札幌戦の先発布陣に当てはめるなら、エリキか、エジガルかという話になる。コンディションはどう見てもエリキが上。9試合連続先発中、シュート23本、5得点。鳥栖戦だったかの放送内で解説者があまり得点していないとか言ってたけど、当時7試合2得点。一昨日きやがれ、J2行きやがれと言いたい。このエリキを外す、はないでしょ。エリキは与えるでも奪うでもなく、気がつけばそこに居てくれる助っ人の鏡である。

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前節2得点。守備時の動きも飛躍的に改善。CFもできるのは素直に驚きだ。

5. マテウスを外しちゃう

ユニフォームにはカストロの文字。え、マテウスじゃないの、共産主義者なのと驚いた方多数と思うが、キューバ危機は関係がない。ただの苗字である。渓太!渓太!と呼ばれているけど、ネームはENDOみたいなものだ。マテウスと渓太のポジション争いも終わり(=END)が見えない。

17試合4得点。名古屋で3点取ってたのね。マリノスでの得点は湘南戦で度肝を抜いた無回転ブレ球のスーパーFKだ。なお出場時間は、名古屋で9試合401分に対してマリノスで8試合522分。もうすっかりハマのマテウスやでー!この子を干していた名古屋って一体…。

マテウスの1得点という結果以上にインパクトがすごい。札幌戦で仲川が決めた50m独走ドリブルゴールも起点はマテウスの持ち運びだったし、鋭い振りでクロスバーを叩いたシュートは非凡そのもの。決定機を数えるとマテウスだけでハットトリック達成していたのは内緒である。
そのマテウスを外す…? こんなにフィットしてきたのに? 回遊魚というか、野に放たれたヒョウというか、これほどの脅威を与えられる選手を、反りボールの組織守備を無効化できる質的優位を手放すなんて、とんでもない。

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ブレ球のFKに加え、常に質的優位を披露。前節は初の90分出場も果たしたマテウス

6. やっぱエジガル、出れなくね?

こうなってくると、無理にエジガル出す必要ある?
60分マテで行って、残りでエジ試運転…?だからそれが、できないのである。エジを意地でも使いたいなら、誰か有給。残りの川崎と瓦斯戦をどう考えるかだが、松本戦の展開次第で上手く事が運べばエジを試したい、という狙いも分かる。仮にエジが万全なところまで戻るなら、エジ・マルコスのホットラインが一番破壊力が増すというのもあるかもしれない。

鳥栖、札幌と見たらわかるように、前プレスと攻撃のパラメータを前半1分からバルブ全開にした結果、後半のガス欠が起こっている。3〜4点差あるならともかく、このままだとかなりギャンブル性のある後半となる。それがエリキとマテウスを野放しにすることの代償である。0-0で後半を迎えようものなら、もう目もあてられない…。
もしそうなら、エジガルを出した方がもう少し賢いペース配分、オトナマリノスの戦い方ができるだろう。

本稿予想。マテの代わりにエジ。ただし、先発の3トップは、渓太-エリキ-テル。60分で同点またはリードしていた場合に、エジを中央に入れて、エリキが左へ…かな。

贅沢な悩み最高。えー、でも書きすぎた。ラフィーニャが川崎戦で削られて、「詰んだ」夏の日、覚えてる? あの頃を思い出せば罰は当たらないよね。

役者は揃った。でも全員は出せない。松本戦だけでなく、3つを勝つための選考が求められる。僕らは全員の名前を叫びたいだけの欲張りなサポーターだ。誇らしく。勝つ。