今年もマリノスにシャーレを 2020

シャーレを掲げることは難しく、守ることはさらに難しい。連覇に挑む2020年、アウトサイダーではなく本命として、今年もシャーレを掲げよう。座右の銘はシャーレです。

さあ手を繋いで、僕らの現在が途切れないように【J1第4節●FC東京1-3】

幸先良しだった。今季初弾となる遠藤渓太の右足裏での先制ゴール。前半まだ4分。最初の決定機を見事にモノにしたゴールは、J1リーグで通算100試合出場達成に花を添えるものに違いなかった。流れも素晴らしかった。初スタメン起用の水沼宏太が右ペナ角付近から速射的なクロスを上げ、そこにはオナイウ阿道。わずかに触れて落としたところに走り込む渓太という完璧な流れでもあった。

J1の歴史、27年目。所属した選手の数は万に迫る中で、100試合出場に到達した者、渓太で717人目となる。1997年生まれとしては最速の到達である。国内組の期待の星と言って、何ら差し支えない。しかもこれまでに通算で11得点をマークしたリーグ戦、すべてチームは勝利している。データとしては完璧だった。

同点の被ゴールは、チアゴ・マルチンスによるPK献上が原因となった。2点目は梶川裕嗣が一発レッドもののエリア外で手を使って相手を倒すというまんまDOGSOのファウルを犯して、FKをレアンドロに決められる。3点目はまたしても左右に振られて、早く縦へ縦へと抜けだされた結果。

ああ瓦斯にはこの形でやられていたよなぁという長谷川健太から見ればプラン通りの、こちらからはやられた時間帯が悪すぎるキツイ3失点。ジャッジリプレイでも繰り返し見たが、この1、2点目のやられ方について、あるいは警告・退場処分について考えているうちに、なんと土曜の朝まで記事アップが遅れる事態に。結論は、梶川のは退場が適切だったとの見方には賛成である。1プレーの重さという点では重要なプレーであることは間違い無いのだが、GKが1対1になる場面を作られたことが問題だった。

去年の最終節が快勝すぎてつい忘れがちだが、近年の瓦斯との相性の悪さはそこにある。
そこに加えて、チアゴもまだ本調子とは言えない状況下だから起きた惨劇。改めて「チアゴへの依存度の高さ」を裏付ける結果とも言える。


とは言え、後半の攻撃が悪かったとは全く思わない。瓦斯の専守防衛が素晴らしかった。リードを2点に広げた瓦斯は後ろの人数を増やして、マリノスのパスコースを制限していく。球際も強い。橋本拳人はもっと早く移籍してくれて良かった。それほど、瓦斯のディフェンスは硬く集中力は高かった。

それでも、決定機の数も前半を上回るペースで作れていたし、よくあるまとめをするならば、決定機を決められないなら、やはりその試合は厳しくなる。加えて取られた時間が前半の終了間際、後半の出鼻というのが最悪。

そういう点では、悲観しても仕方がない。気になるのは、主軸選手たちのコンディションがこれからどのくらいで高まってくるだろうか、ということ。ボスのコメントを読むと、浦和、湘南、FC東京との3連戦では、試合勘を取り戻すために頻繁に選手を入れ替えていたことを示唆している。まあ言葉通り受け止めても、どうせ次の試合もびっくりさせられるのではと思う。


負けっぷりがよくなかったのはあると思うけれども、サポーターの間からは存外に悲観的な反応が多く見られた。でもこんな試合もあるよね…やっぱり瓦斯は瓦斯で安定しているし、前線の外国籍選手が強力なのもお互い様だったねという総括。


そのことよりも、スタンドの雰囲気を記憶に留めておきたい。4,769名の観衆は、5,000名の上限がある中では全スタジアム中最多の人数だった。発せられるのは、拍手。激励、賞讃、相手を威圧、後押し、そして敗戦が決まった後も、感謝と次戦への励ましの拍手。相手チームの選手が怪我から立ち上がっても拍手。拍手とはこれほどまでに雄弁だったのか。声が出せないからこそ、観衆は掌に一層の願いを込めていた。その音は、その響きは、選手たちのパフォーマンスに大きく影響を与えた。
今までに見たことのないフットボールの試合だった。リスクを抱えながらも、わずかであっても観客を入れるというJリーグの判断は英断だと強く支持したい。

また感染者数が増え、テレビによる「インフォデミック」は深刻である。一部の人の無謀な行動により、また社会全体が「自由を許さない」「自粛することのみが正解」という風潮になりかねない。そうなれば、観客数を増やす、応援の制限を緩和していくというスケジュールもさらに遅れていくだろう。

私はいろんな事情から、この瓦斯線の現地観戦を見送った。来週も様子を見てからギリギリまで判断に迷うことになるだろう。



1勝1分2敗という数字だけを見ると、「前年王者が苦境に」と書きたがるのは分かる。でも、そうした背景だから、我らが喜田拓也のクラブ史に残るだろう名コメントは生まれた。

「皆さん(報道陣)ですとか、周りがどう思っているかは全くわからないけど、一つ言えるのは一度つないだ手は絶対に離さないし、何があっても全員で乗り越えていく覚悟がある。そこに自信はあるし、みんなの結束は何としてもブレてはいけないところ。どんな結果であろうとこのサッカー、このチームを信じているし、みんなも信じていると思う。心配は何ひとつ、1ミリもしていない」

つないだ手は離さない。まあ確かにいろんな歌詞に出てきそうだし、実際に出てくる。私たちも同じ気持ちでいなければ。繋いでいない人も、急いで手を繋ごう。僕らの現在が途切れないように、そしてどんな場面も笑えますように。


2020年の「マリノス対策」。それを上回るだけの時間と伸び代は、ある。