銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

現時点でポステコグルーが無能とか言っている人への反論

まあ確かに、チグハグである。

用意されたタオマフがガンバ柄に見えてしまうという皮肉のようにチグハグで、そのタオマフが一番勢いよく振り回されたのが、試合中のゴールシーンや勝利の凱歌を歌う時でもなくハーフタイムのminmi登場のくだりと言うのもチグハグである。

ウーゴ ヴィエイラの動きは中途半端だったが、彼を下げるとともに仲川輝人が中央の1トップに残るなど、おそらくは練習でも試していないだろう陣形もチグハグだった。

 

ただし、仲川が悪かったとも思わないし、この不思議な交代策をこき下ろしたいのでもない。それよりも、エリア前後で攻撃に加わる選手の少なさこそがチグハグである。昨年に比べればそれでも多いのだけれども、エリア内に侵入してくる選手が少なく、それでチャンスをゴールまで結びつけられないという勿体無さが目立つ。特に仲川が中央に入ってからはそうだ。理解度とパフォーマンスの差がありすぎる。

 

かと言って、ウーゴの交代策は意味が分からなかったという試合後のコメントは良くない。ただスタンドからも感じられたように多くの選手が意図が分からなかったとするなら、それは奇策そのものよりも、伝えられなかった監督に問題があると言える。

 

大きな穴ははじめからある。穴を見せてこそ、高いリスクを取ってるからこそ、得る果実が大きいというサッカー。もっと言えば、ミスの可能性の少ない、能力の高い選手を揃えなければということになる。だが、それは不可能だ。では、このJリーグでは実現の難しい分不相応なサッカーを目指しているのか。理念に殉じていいのだろうか。

 

ただ惜しくも結果が出ていないが着実に良くなっているから、と首脳陣は言う。選手も概ね「新しいサッカー」への手応えを語り、専門誌などは道半ばだがこれが完成したら脅威になると持ち上げる。

だが多くのサポーターたちは不安で仕方がない。着実に前進しているのかどうかが良く分からないからだ。

 

でもね。本当にね、信じるしかないと思うのだ。

wegottadigitupsomehow.hatenablog.com

 

たった半年前のシティパパに関するブログ。ジョゼップ グアルディオラを招聘した上に、ピッチにはシルバやデブルイネが居るにもかかわらず、ボールポゼッションが不安定とか、決定力に問題があるとか、カウンターに弱いとか、いったいどこのマリノスだよ。年間最多勝ち点を叩き出し無双状態のシティは見る影もない。

 

もちろん、それだけで、半年後にマリノスが無敵になっているという保証にはならないのだけれど、ポステコグルーは無策ではなく壮大な実験中なのだということはわかるのではないか。

 

だってそうでしょう。2018年の苦悩(迷走ではないことを信じている)は大津祐樹とともに記憶されそうな気もするが、紅白戦におけるフリーマンのような勝手気儘な動きをされては、美しき清き連動サッカーが完成するはずもない。

だのに、背番号9を与えてしまったからには活躍してもらわなければ困るという特別な事情があるのか、インサイドハーフで左に吸い寄せられた後は、1トップで使われて、そんなに左サイドが好きならと、ついにガンバ戦では左で使われた。正直に言って、貢献していない。喜田拓也も、素人でもアンカーで使いそうなところでなぜか扇原貴宏をアンカーで起用し続け、喜田は2列目。1列目〜3列目までの6選手は、毎試合違う組み合わせだった。神聖なる公式戦の舞台を使って、実験を続けているのである。そのことが、いいか悪いかではない。

上述のシティでもそうだったように、浸透に時間がかかるのは間違いない。だからこそ確かな後ろ盾、クラブとしての支持・サポートがない限りは、クビが怖くてとても挑めるようなサッカーではない。柏や浦和の監督が解任されるのに、G大阪や鹿島、そしてマリノスでは解任されないのは我慢強いとか、解任した場合の給料をケチっているとかそういうことではないのだ。1日でも早い習熟を図るべく、実験を優先させた。それだけのこと。

もう見限られてもおかしくない選手もいたはずだが、幸いなことに中断期間がある。戦術理解度が低い(と思われる)選手にも、追試の機会が与えられるわけだ。チーム内における本当のレギュラー争いはこれからなのかもしれない。

 

また監督の試合後のコメントに、苛立ちを隠せないファンたちがいる。テンプレートのように、「概ねゲームをコントロールできたのよかった。チャンスも作っていた。でも決めきれなかったのが残念だ。結果が出ていないが、着実に良くなっている」というコメントが出されるからだ。気持ちはわかるが、そのコメントで批判するのはまちがっていると、私は思う。

優れた監督が、なぜチームの問題点を正直に言う必要があるだろうか。今のチームの戦術浸透度は65%です。先週より4%進捗しました、とか言うか。ダメだからこそ褒めるというのも常套手段であるし、うまくいったからこそ油断させないために雷を落とす手もある。手の内を明かす必要なんて全くない。しかも冷静になれば、名古屋、G大阪の2試合は彼の言う通り、内容としてはよかったのだと私は思う。まあ、だからこそ勝ち点1という結果そのものが大いにフラストレーションになるのは事実だけれども。

 

実験の果てに、J2に降格してしまうようなことがあったら目も当てられない。また実験中に最大の結果を出すには、個々の選手が少しずつ足りないのも事実だ。だからこそ固定もできず、実験が長引く。

 

強くて痛快なマリノスサッカーを求めている。だったら、やはりサポートだ。

よくまあ短期間で、ここまで持ってきた。だからこそ、ここで頓挫させるわけにはいかない。日本代表の同じ轍を踏むことはしないのだ。どんな時でも俺たちがそばにいる、という言葉は決して上っ面などではない。