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銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

忘れない3月11日

14:46、そして黙祷。

忘れることなどないと思っていたが、首都で普通に暮らしていると確実に記憶が風化していることに気付く。その記憶を呼び戻すように、犠牲者、被災者に想いを馳せる3月11日。

Jリーグが当たり前のように毎週末観られる幸せ。自分のチームが勝てば 1週間をより幸せに過ごす。負けたとしても、何や××も負けたんか、ザマァwと、心の狭いせめてもの救いで心を鎮める。仮にマリノスだけが負けて、他の全チームが勝ったとしても、週末にサッカーがない哀しみと不安に比べたら。突然、家族や生活が失われることに比べたら。今が何と幸せなことかと感謝せずにはいられない。

3月11日は、祈るべき日。あまねく日本人にとって。

 

大宮対仙台の試合前にも、センターサークルで両チームが輪になって黙祷が捧げられた。私たちはNACK5のビジター側にいた。目的は磐田の応援ではないので、指定席でゆっくり見たかったのだが大枚をはたく程ではない。自由席に落ち着いた。あ、気持ちは落ち着かない。中村俊輔を観る目的でそこにいるのが正しいのかどうか。でも妻は楽しそうだ。

あっ、マリノスの記事を読みたくて訪れた方は文末まで飛ばしていただきたい。

 

立ち上がりの不安定な時間はたった5分だった。中村俊輔が、FKを直接叩き込んだ。コースは甘かったが、GK加藤の逆をつき、駆け引きに勝利した。

両チーム2連敗スタート、しかも無得点というこれ以下のない状況から先に抜け出したのは磐田。俊輔のフリーキックによって呪縛から解放された磐田のペースで試合は進む。後半開始早々には大宮守備陣のミスが絡んで移籍初ゴールが川又にも生まれて完全に磐田ペースに。でも試合を落ち着かせられたとは言い難い。フィニッシュの精度が低く、打ち合いにはならなかったが、大宮に一点を返された後の磐田は浮き足立っていた。岩上のロングスローに翻弄される。カミンスキーがどうにか弾く。どうにか1点を守りきった磐田が初勝利。俊輔の安堵の表情を久しぶりに見た気がする。

 一言で言えば、中村俊輔は健在だった。 

FKだけではない。スルーパスも、サイドチェンジも、味方へのポジション修正の指示も。チームに勝ちをもたらしたと言える仕事をしてみせた。こうして、横浜ではない別の場所で、最終章の輝きを放っている事実はとても眩しい。私自身の話をすれば、去年の博多の森、吹田に続いてまた大宮でも中村俊輔のFKを生で目撃するなんて、引きの強さに驚く(笑)。

 

そして寂しい。今日私は俊輔のあの似合わないユニフォームをこの目で目撃して、敵であることを実感した。普段、マリノスの試合だったらそこまで冷静に見られない。ボールの行方も、全選手のプレーが気になる。でも私は89分間、俊輔だけを追っていれば良かったし、だからこそポジショニングや、突然スイッチを入れてダッシュするタイミングなどを見ることができた。次に俊輔を観るのは、日産スタジアムだと思う。はっきりと敵として。上手くてため息が出るけど、はっきり敵である。

 

昨年12月末、鹿島に天皇杯準決勝で敗れた瞬間から、マリノスにとって激動のオフが始まった。俊輔との別れもあそこで経験した。
それから3ヶ月、新たなスタートを切ったマリノスはまたも鹿島に敗れ去った。鹿島に始まり、鹿島によってマリノスの転換期第1章は終わったのである。そして、その幕を完全に降ろすように俊輔のFKが大宮に突き刺さった。マリサポ一家による不思議な観戦記は

つまり、ここからだ。浦和と鹿島に1勝1敗は、激動のオフを思えば悪くないはずだ。ここから新潟、C大阪、磐田の3試合は落としてはならない試合だ。その後にはアウェイで広島、柏、ホームでG大阪とここを倒して上位に行きたい相手との3試合が続く。

春は来た。新しいマリノスの本格的スタートの時。栗原勇蔵やパクジョンスの復帰も間近だ。毎年、マリノスに新戦力の台頭という収穫を与えてくれるルヴァン杯が始まる。
私のサポーターライフも5年目。第2章に入ったことを実感した週末である。

 

マリノスも俊輔も好きです。マリノス対磐田は、うちが圧倒しますよ。別にそれでいいですよね?