マリノスにシャーレを 2021

横浜F・マリノスの話題を中心に、いちサポーター目線で愛を語ります。いちお3級審判、不定期で審判やルールネタも。サッカー少年2人の父。

宮市亮の警告を検証する ~審判のコミュニケーションで気になったこと~

Jエリートリーグの清水戦、YouTubeで配信されたのはありがたかったですね。主催した清水側の英断に拍手です。

リアルタイムでも、アーカイブでも見られるというのは格別です。


www.youtube.com

試合結果は1-1。リーグ戦の試合間隔が空いているため、主力メンバーが前半に出場しました。清水も同じで、リーグ戦で名前を見る選手が大半です。

マリノスの得点者は、ユース所属の細川楓。清水は先発フル出場したイブスキーこと指宿洋史が後半ATに意地のゴールをあげています。

 

前半45分、デビュー戦の宮市亮が退場に

試合後に注目を集めることになってしまったのは、先発した宮市亮が退場処分を受けたことです。しかも2枚の警告をわずか1分足らずの間に受ける珍しい退場劇のため、自慢の「スピード」が別の方向に行ってしまったとからかわれる事態になってしまったのです。

 

警告を受けた理由は、Jリーグ公式サイトJ. League Data Siteで確認できます。

これによれば宮市は、前半44分の遅延行為、前半45分の反スポーツ的行為と立て続けに警告相当のプレーを重ねたためにわずか数十秒の退場劇となってしまいました。

 

上記のYouTubeリンクから、その様子を確認できます。58分20秒ころから見てみてください。

まずは味方から供給されたクロス、ほぼ決定機に見えますが宮市のシュートは枠外へ外れます。これを相手GK永井がゴールエリアにセットして再開したボールを故意に動かしてしまったのです。

明らかに不要なプレーで、すかさず遅延行為として中村一貴主審は宮市にイエローカードを提示しています。長い笛を鳴らして宮市の近くまで移動して警告を宣告しているので、宮市が見えていなかった、認識していなかったということは考えにくい状況です。

 

改めてゴールキックが再開されると、マリノスの右サイドに送られたボールはサイドチェンジで左サイドでフリーポジションにいたノリエガエリック(だと思います)へ。

 

これ宮市の守備への切り替えが遅くて、フリーにしてしまったように見えます。決定機を外して、警告を受けてから、気持ちを切り替えるのが遅くなってしまったのかもしれません。

 

遅れを取り戻すように相手選手につっかかると、突破を許すまいと続けざまに2回接触します。手を使っていたように見えます。

これが●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、また大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。に該当したと、中村主審は解釈されたのではないでしょうか。反スポーツ的行為を定めた競技規則の一部です。

 

したがって、「合わせ技一本」で退場。短時間で2回の警告というのが異例だったため、マリノスのチームメイトも大きく驚き判定に異を唱えています。

 

ただ、この2枚の警告は妥当だったと言わざるを得ません。映像を見る限り、この宮市のプレー2つに、やむを得ない理由があったとは思えないのです。

 

マリノス選手による異議、抗議

宮市自身は、自分に提示されたレッドカードを確認すると苦笑しています。近くにいた扇原貴宏も笑みを浮かべて、それは厳しすぎるよという表情で審判に歩み寄ります。もちろん主審は首を横に振って、宮市にピッチ外に出るよう指さすほかありません。

 

「どういうことなんですか?どういうことなんですか?!」というマリノス側の声が入っています。説明を求める声としては理解できます。

 

加えて、水沼宏太は「さっきのはイエローだって目を見て言った?ほら、1枚目のイエローに気づいていないんだって。言ってあげなきゃ。それなのにひどくない?気づいていないんだって」と異議を唱えていました。大きい声はばっちり拾われています。主審は最初の「ちゃんとイエローを伝えたか」という質問に対して肯いています。上記した通り、主審は近い距離で宮市にカードを提示しており、水沼の主張は無理があると私は感じました。

宮市のプライドを守ろうとする姿勢としてはもちろん評価しますが、ちょっと見苦しい部分だったと言わざるを得ません。

 

そして別で、話題になってしまったのが杉本健勇。やや遅れて審判のもとへ来ると「お前遊びとちゃうぞ?」と主審に言ったと言われています。

確かに音声は聞き取れますが、映像がひきになっているため、健勇が言ったのか、主審に向かっていったのかは、確証はありません。

これが主審に向けられた言葉と受け取ると、「リーグ戦ではないからといってちゃんとしたレフェリングをしてほしい。正当なジャッジと思えない」という抗議の意味を、相手へのリスペクトを欠いた言葉になってしまったと言えるでしょう。

 

エリートリーグは、調整試合の色彩が強いとはいえ公式戦。多少は空気を読んでほしいという競技者側の気持ちはさておき、主審が提示した2枚の警告は妥当だったというのが私の見解です。

 

中村主審は2019年から1級審判員に

ここからは完全に推測です。マリノスが~とか、健勇が~とかいうことではなく、審判へのリスペクトをもっと生みたいねという話です。

この日の中村主審のジャッジが悪かったかというと、そうは思いません。29分にCBの角田涼太朗が自身のコントロールをミスしたボールを取り返そうとしたプレーで警告を受けています。これも適切な位置で、一拍置いた笛のタイミング(アドバンテージを見ようと考えたのか)もストレスのないジャッジだったと感じます。

 

ただし2019年から1級審判になり、おそらく20代中盤の主審です30歳前後の選手からすると年下であり、J1公式戦の歴戦の審判員に比べ下に見てしまう気持ちがあったのかもしれません。完全に憶測です。

中村主審にはまだJリーグの主審経験はありません。ただもちろん1級審判の試験を受かった実力者です。普段は、総理大臣杯、高円宮杯、JFLなどを担当されているそうです。

 

エリートリーグの本来の目的が若手選手の育成ならば、審判員にとってもそうした側面があることは想像できます。マリノス対浦和では初のJ女性主審で有名になった山下さんが担当したことも話題になりましたしね、

 

憶測に憶測を重ねるのはここまでにしますが、プレーそのものは起きてしまったこと。それに対する判定も誰かが下さなければならない。最終決定権は主審にある。

 

判定によって利益、不利益を受けることは当然ある。異議を唱えたくなる気持ちも分かるし、正常なコミュニケーションの中で意見を言うのはいいと思います。

 

ただ、どんなにプレーで熱くなっても冷静に。人としての礼節を忘れずに。無観客で声や態度が伝わるだけに、より一層意識してほしいと感じました。