マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

マリサポ金井さん教育部#10「1高丘陽平」編(議事録・後編)

「Footrico!」というclubhouseでマリサポが最も集まるお化け番組をご存知だろうか。現在リーグ戦の観客上限は5000人の試合が続く。Footricoのフォロワーはおよそ300人なので、スタジアムの観衆のおよそ16人に1人はFootrico!ヘビーリスナーということになる。すなわちマリサポそうなやつだいたいFootrico!、マジでヨコハマ代表トップランカーだ。という例えがだいぶ古い。でも伝統ってこうやって生まれるものでしょう?

Footrico!は毎週月曜、金曜に配信されていて、横浜F・マリノスにまつわる「最新情報」を解説して、みんなで盛り上がろうぜという雰囲気のコンテンツである。それに対してFootrico!のスピンオフ企画として生まれた「マリサポ金井さん教育部」は勉強会的な位置づけで、横浜FMの愛すべき選手を毎回1名お題として取り上げて、プレースタイルや人となり、こぼれ話を紹介している。Footrico!のnote様子はこちらでご覧ください。

開始当初の金井さんは確かにヒヨコだった

マリノスのトップパートナーであるマネーフォワードの金井さん。「サッカーのことよく知らないんです。せっかくパートナーになったので楽しみたい。色々教えてくださーい!」というのが初期設定でした。ただ今や、ホームスタジアムでは金井さんの周りに人だかりができ、何着もユニフォームを買いあさっています。四字熟語で言うと、「コアサポ」ですね。
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でもヒヨコ(初心者)と言い張る金井さん。多くの選手のプレースタイルを学び、ついには「GKのことをもっと知りたい…!高丘選手のことを知りたいの…!」となり、今回の高丘特集と相成りました。

本記事を楽しむために

Footrico!を主宰する献身的コンテンツメーカーnari (@fmbh_nari) | Twitterさんが「これいいコンテンツだから誰か議事録取ってほしいな」と本番1分前に思いついたので、僭越ながら弊ブログに議事録を掲載します。前編まだの方は下記から先に読んでくださいね。
www.f-schale.com

Footrico!のTwitterに参考文献、参考動画が貼ってあるのでそちらを参照しながら読むと、松原健と仲川輝人かよというくらいの爆発的シナジーを発揮します。

<GK高丘選手のすごさを語ってくれる有識者3名>


marbleさん


ibuさん


Jaku
さん

高丘選手のここがすごい!

さて、いよいよ前編からの続き=本題です。
まず高丘選手の特に優れているポイントを、GK経験豊富なスピーカーのmarbleさんにあげてもらいました。

特に優れている点1:被シュートまでのポジショニング


marbleさん
相手がボールを持ってからシュートを打つまでのポジショニングのレベルが高い!Jリーグのなかでもトップクラス。

特に優れている点2:自軍がビルドアップするときのポジショニング


数的優位を作れるようにビルドアップに参加するタイミング、ポジショニングが秀逸。相手の攻撃陣がこちらの最終ラインに積極的にプレスをかけてきた場合に、選手が同数となるためボールを回せなくなってしまいます。そこでGKが参加すると相手を剥がしてボールを前進させられます。このときに高丘はDFの一人かのような積極的なポジションを取って相手のマークをかわします。このポジショニングにも長けているのです。

特に優れている点3:両足とも高い精度のキックを誇る

金井さん「おお~~!!」←ここで反応するあたり完全に玄人。


高丘選手はどちらの足でも速くて長いボールを蹴れます。GKにボールが入った場合、相手のFWはGKの利き足で蹴らせないようにプレスをかけてきます。でも高丘選手は「苦手な足」がないので左足でも的確なボールを蹴れるのです。これってすごいこと

子供のころに…フィールドプレーヤーの経験があったからなのかもしれません。配信後にコメントで寄せられた情報によると、小学校時代はGK専門は少なくフィールドを経験させることも多いので「あざみ野FC」時代に磨かれたのでは…とのことでした。

特に優れている点4:前に出るタイミングが的確

Jakuさん
相手FWとこちらのGKが1対1となる絶対絶命のピンチでGKは前に出ます。これは相手のシュートコースを狭くするためです。この詰めるタイミングが的確なんです。
相手がトラップしたワンタッチ目の瞬間に飛び出すのが高丘の特徴。これをやられると相手は顔を上げた瞬間に高丘がぐっと近づいて見えるので重圧がかかります。
これによってシュートが枠外に飛ぶか、高丘の体に当たるかというシーンが今季とても多い。これ高丘が優れている証拠。

特に優れている点5:サイドステップでボールを身体の正面に持ってくる

高丘選手は横っ飛びしてセービングする直前にサイドステップで数歩細かくステップを踏んでから飛んでいます。このことでボールを身体の正面でキャッチできます。何がいいかというと、弾いてCKを与えてしまう確率が減る。
高丘選手のアップしている姿を見ると分かるのですが、このサイドステップを当たり前のようにやるので「すげえええ」と誰も気づかない。ただ高丘選手のおかげでそもそものピンチが減っていることを強く言いたいです!!

金井「やばい、見どころが増えちゃった~(嬉)」
nari「今アップの話出たけど、ひょっとしてアップのとき、GKばかりを見ているの?」
三人「いや、GKしか見てねっす(断言)」


marble だから言いたいんですけど、アップでシュートが決まると拍手するじゃないですか。(GKが)かわいそうなんです。ビッグセーブしたらそっちにも拍手してほしいです!

高丘はSGGK若林くん!?

続いて、高丘選手に関するデータの紹介がありました。
www.jleague.jp
こちらを見てください↑。
スタッツが…えぐいのです。特にペナルティエリア外からのシュートセーブ率100%!!これって「キャプテン翼」でSGGK(スーパーグレードゴールキーパー)の異名を取った若林くんと同じ成績。(ごめんなさい、漫画と比べて…)

名だたるJリーグのなかでもちろんナンバーワンです。チョンソンリョン(川崎F)が85%、ランゲラック(名古屋)が77%、東京五輪で名を上げた谷晃生選手だったら88%です。100%なんていないんですよ。これで高丘選手のすごさ分かりますよね。

またキャッチ率も高いので、そのあとのピンチも少なくなるんです。

データからも分かる高丘選手のすごさ…。

高丘選手のメンタルも鬼強い

Ibuさんは「ほぼ二人が言いつくしてくれたのですが」と前置きしながらもとても重要な解説をしてくれました。


メンタルな強さの話を補足したいと思います。思い返すと開幕時、高丘選手はスタメンではなかったんですよね。開幕はオビ選手がGKでした。ただ、きっかけ、出番を得たときにそれを生かしてポジションを掴み取りました。

去年秋に入団したあと、自分が出場した試合だけ勝利できないことがありました。それでも今年こうしてチャンスを得て、しっかり活躍できるメンタルは格別です。金井さんが言っていた鹿島戦でミスした後の試合もすばらしかったです。

またGK全般に言えることですが、GKは試合開始直後からミスが許されないポジション。FWならミスしても一回決めればOKです。非常にGKは難しいポジション。常にベストが出せる準備をし尽くしていることが高丘選手の素晴らしさです。

プレー解説

ここからは動画を一緒に見ながらのプレー解説です。


ポイント:この決定機で高丘選手は「前に出なかった」それはFW古橋選手のトラップが素晴らしかったため。あえて動かないという選択をした、この判断の正確さがすごい。(トラップがよかったので安易に前に出ていたら交わされていた可能性が高い)




ポイント:連続した決定機のストップ!まず耳を澄ませると「右足、右足!」という高丘選手のコーチングの声が聞こえてくる。このことでジュニオールサントスの強烈な右足シュートの可能性を消している。利き足でない左足で蹴らせたためコースも限定されて至近距離でもなんとか弾くことができた。さらに1回めのセービング後に体勢を立て直すまでがとても早く、2回目も反応できたのは高丘選手の身体能力の高さのおかげ。




まず映像の7秒時点のポジショニングに注目。これでボールホルダーのシュート、また中央へのスルーパスに対応できている。結果、クロスが上がったが、この瞬間にニアからファーにすばやく移動している。結構な距離があるが移動が早かったので、相手のヘディングを正面で受けられた。このポジショニングの妙がファインプレー。




これはフィードの正確性を見せる動画。止める蹴るの正確さ、蹴りやすい場所への正確なトラップ。短いパスも出せますよと見せかけて、もう一列前の選手に出すという判断も◎。ロングショートのパスを一つずつ判断して、織り交ぜているところも素晴らしい。映像の4秒、最終ラインにいた近くのチアゴに出すつもりだったかもしれないが、それを変えるまでの流れも美しい。




今はチームメイトの前田大然選手の強力なヘディングを防いだシーン。ヘディングは足によるシュートよりもコース予測が難しい。また肩口というGKがもっとも手の届きにくい場所に反応できる速さ。ニアコースを決められると、最もキーパーの責任が問われるコースだがよく防いでくれた。



www.youtube.com
最後の映像は先週行われたばかりの大分戦から。相手の決定機のシーンです。こちらは相手が外してくれたように見える。
しかし実はラッキーなどではなく、高丘が「外させた」のだという解説。GK高丘陽平のポジショニング、寄せのタイミング、DFによるコース限定によって、「外させた」のだ。

また、味方DFにいかにコースを切らせるか指示するのもGKの手腕による。

まとめ

有識者のおかげでGKを見る目が変わりました。他にもサイドステップとプレジャンプの相関性なども学びました。60分の特別版だったにもかかわらず、「時間が足りない、足りない、まだ話をしたい~」と言いながら、この会議はおひらきとなりました。続編に期待・・・!
次回はマネーフォワードの誇れる有料会員【小池龍太選手】が登場予定。走る下剋上!



さて明日は仙台戦。高丘選手の様子にいつも以上に注目しましょう!