マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

StayStrongTogether 第4節 今やサッカー選手はサッカー選手の領域を超えた

もとは正直言うと、参加するつもりそんなになかった。発売直後に売り切れていたら参加もできなかっただろう。ただ夜、チケットをチェックしたらまだ残っている。不思議なもので、ここで一気に欲しくなり、妻に無許可で第4節を慌てて確保した。

アウェイのチケットをしばらく買わなくなっていたので、「Jリーグチケット」のパスワードを失念し、確保したチケットが決済できずに肝を冷やしたのはここだけの話だ。2500円が高いのか妥当なのかは、もちろんこの時点では分かるはずもない。

「STAY STRONG TOGETHER オンライントークショー 第4節」出演がパクイルギュ、大津祐樹、水沼宏太だということだけが事前情報だ。

f:id:f-schale:20200519005625j:image

神イベだった

結論としては、最の高だった。その理由はいくつもある。選手がガチだったこと、本気で楽しませに来たこと、彼らも一生懸命楽しんでいたこと、Stay Strong Togetherという、一緒に、ともにこれを乗り越えていこうぜという触れ込みはダテじゃない。

 

16:20、開始の10分前。画面のクラブエンブレムに乗せて、天の声(運営)による事前説明があり、第4節が終わるまではネタバレの投稿は禁止、チャット機能の説明などがある。

16:30、いよいよ開始。オープニングはスタジアムで選手紹介前に流れるあの動画。全クラブでも屈指と評価されていると喜田拓也が語るあのオープニング動画。

 

それが終わると、テンション全開の3選手が画面に登場。2018年加入の大津祐樹、19年加入のパクイルギュ、そして今年10年ぶりの復帰を果たした水沼宏太、全員30歳という安定感抜群の同級生トリオは、最初のフリートークで静まることを知らない。仲の良さが伝わってきて嬉しいのと同時に、宏太の声のデカさに驚かされる。


f:id:f-schale:20200519005544j:image

このコウタッチマンが公式のTwitterで取り上げられたために話題になっているが、これは後半の話。これはこれでストレッチを楽しめて最高だったのだが、トークもよかった。

前半はトレーニングシャツ姿で、宏太の家には予め運営から渡されたフリートークのテーマが書かれた紙がある。それをパラパラめくり、残りの二人がストップ!と言ったところで止めるというもの。とにかく宏太の仕切りが小慣れているなと感心していたら、聞けば前日の1節、2節はMC役で出演していたという。同日の3節は大津が仕切っていたというから2日間この2選手がいかに大車輪の活躍だったかが分かる。

 

それでいて自分たちが出演する4節は、フリートークもさらに全力で挑むのだから、もう頭が上がらない。90分到底もつとは思えないほどのハイライン、ハイプレスで見ている方が心配するほどだった。

 

パギ・ハイライト「このチームの一員でいることが誇らしい」

確かボスのことをどう思うか?という質問がきっかけだったと記憶している。大津が述懐するには結果の出ていなかった18年もずーっとブレなかったことだという。結果が出ていないことでやろうとしているサッカーがブレてしまう監督が意外にいるそうで、それをやられると選手が全員同じ方向を向いたりなどできないという。

 

それを受けてパギは昨年に加入したときのことを振り返る。「すでに完成していて、なぜ前年に12位だったのかが全く分からなかった。サブ組に、ユウキもタカもキーボー、シン、陸斗までいた。めちゃ強かった」

宏太「そして今年はさらに強くなっている。開幕戦は負けてしまったけれど、韓国チャンピオンと豪州チャンピオンにあれだけ内容でも圧倒して勝つというのはちょっとすごい。本当に再開後が楽しみ」

 

そのあとに、パギが話した言葉がよかった。「本当に強い。俺、自分が出ていなくてもこんな強いチームの一員であることが誇らしかった。そんなこと初めてだった」

 

「ACLに(外国籍選手の登録枠の制限から)出られないので、実は本社で中継を見ていた。とにかく強いと思った。自分が出られなくても心から応援できてし誇らしかった」

 

 

要するに心までイケメン、大津祐樹

いくつか呆気にとられたシーンがあるのだが、そのうちの一つが「無人島に持っていける持ち物を3つ選べ」という珍質問に対する回答だった。

自給自足には、とにかくサバイバルナイフが重要だと熱弁するパギと、その熱弁を聞いて俺もナイフと言い始めたのが宏太だった。ナイフがあればいかにいろんなことに役立つか、しょーもない話を力説する30の大の男たち、これもガチなのである。

それを聞いても、話を振られると、「俺?俺は、愛と夢と希望」と即答する大津。その際には、それだけあってもすぐ死ぬでしょと宏太に一蹴されていたが、常に育ててくれた親、周りで支えてくれている人たちへの愛と夢と希望を持ってプレーしているのだという解説があった。だから無人島にすら、それらを持って行くという。ちょっと何を言っているか分からないかもしれねーが、イケメン大津の生声で聞くと、響いてくるのである。

 

 

水沼宏太、君は確かに天敵だった 

トークの進行役として、コウタッチマンとして、後述のファッション対決でも、MVPの活躍を見せた水沼宏太は、とにかく明るく、最初から最後まで運動量が衰えないのが印象的だった。

彼のハイライトは、後半の「今までで一番悔しかった試合は何か」の問い。

パギ「今年の開幕戦。期待されて出たのに、期待に応えられなかったから」

大津「一昨年のルヴァンカップ決勝。決勝まで行って、自分たちのサッカーもできずに負けたことが悔しかった」「あー、確かに分かる」

水沼「でも意外とこれが悔しいというのはない。負けた試合は全部悔しいし、それを引きずったままではプロはやっていけない」「確かにー」

とここまでは、3人のトーク力を象徴するようなキレイな流れ。

 

ここで、参加している方がチャット機能を使って「天皇杯決勝では、あなたにやられたんですよ!」と華麗なシュートを叩き込む。それを大津が読み上げて爆笑。宏太「あー、確かに、マリノスのサポーターに向かって決めたんですよね、すみませんでした」と謝罪。さらにファンたちの「あれは確かにいいゴールだった」「あのときゴール裏で見てました」「これからは恩返しゴールを恐がらなくてすむ」などのコメントに大いに笑った。

2018年元日の埼玉スタジアム、マリノスと、水沼宏太擁するC大阪が天皇杯決勝で相見えた。勝っても負けてもこれがエリク・モンバエルツ監督のラストゲームだ。延長の激闘の末に、決勝点を叩き込んだのが宏太だったというわけ。

 

この決勝戦の直前、3日前の準決勝は柏レイソル戦。背番号10は大津祐樹。この試合の大津怖かったのだが、これも延長の熱戦でマリノスがウーゴのゴールで勝利。このときすでにマリノス加入が内定していた大津は、決勝では当然マリノスを応援していたが「決勝点の瞬間はコイツ(宏太)何やってんだー」と叫んだという。

 

思えば、マリノスに徹底して恩返しを続けてきた宏太の復帰は頼もしい。それにしても10年チームにいなかったとは思えない活躍ぶり。

人間性も含めて素晴らしい補強。パギが、二人のことを「適度に緩く、後輩にいじられても優しく、逆に締めるところは締めるところが素晴らしいから二人の言葉は響くのだと思う」と評し、「パギの言葉も響いているよ」「若手がノビノビできるようにするのが俺たちと努め」とかいうこのチーム。どうですか。誇り以外の言葉が見当たらない。

 

マリノスケの逆襲

素晴らしいトーク、ハーフタイムには民衆の歌の動画が流れ、コウタッチマンと体操服姿を堪能させてもらうと、ここで突然マリノスケこと、扇原貴宏こと「被害者の会・代表 扇原」がサプライズ登場。3選手も全く知らない登場だったようだ。実はこれ、前節のトークまでを仕切っていた年長者の宏太また大津が、若手3選手にデートに来て行くコーディネートを披露せよという無茶ぶりをやらせていたらしい。

タカはその仕返しに来たそうで、先輩3人にも勝負服への着替えを命じる。本当に楽しそうな顔していた。

f:id:f-schale:20200519093814j:image

 

これまたガチに悩み、着替え、規定の時間をオーバーする3人。結果は1位・ナチュラル大津、僅差の2位・韓流スタイルパギ、大差の3位に蝶ネクタイはやりすぎた水沼、という順位に。軽妙なトークと恥ずかしそうな姿に、いやー笑わせてもらった。

 

進化を続ける選手、チーム

有料とはいえ、たかがオンライントークショー。企画から実行までの速さ。そして選手が真剣だから笑いと共感が生まれる。

なぜここまでガチなのか。大津祐樹のもう一歩踏み込んだツイートが興味深い。

 

クラブ運営スタッフの盛り上げ方もよかった。本当にお疲れ様でした。

 

この内容で、どこまで魅力が再現できたかは定かではないが、次回以降同じような企画があったら、今度はチケット争奪戦になってしまうだろうから、「楽しかったー!」と本当は言いたくない気持ちもあったが、クラブ・選手・サポーターが一緒になったこのイベント、参加できて本当によかったので、感謝の気持ちも込めてまとめてみた。

 

もちろん早く試合を見たいという思いも強くなる。でもサッカーの試合ができなくても一緒なんだと思えた。一緒に乗り越えていこう、という言葉は本当だ。サッカー選手って、サッカークラブの力はすごい。幸せだった。