マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

光は見えてきた…! 韓国Kリーグの快挙

緊急事態宣言の対象地域があまねく全国に広げられたものの、「特定警戒都道府県」と「そうでない県」に分かれることとなった。
感染者数の多さからも妥当な区分けだと思う。

それに照らすと、13の特定警戒都道府県に本拠地を置くJクラブは実に多い。
北海道コンサドーレ札幌、鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、浦和レッズ、大宮アルディージャ、FC東京、東京ヴェルディ、町田ゼルビア、ジェフ千葉、柏レイソル、横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、SC相模原、YS横浜、横浜FC、FC岐阜、ツエーゲン金沢、名古屋グランパス、京都サンガ、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、ギラヴァンツ北九州、アビスパ福岡。
この26クラブは、その他のクラブに比べると一層の危機感を持つ必要に迫られている。

具体的な実害としては、チームの再集合や全体の練習再開が大きく遅れる可能性である。

何度目の延期なのかは、すでに忘れたし、数えたって何にもならないが、5月末まで緊急事態宣言が延長されたことにより6月中の公式戦再開の望みは露と消えたのである。各クラブからは練習再開から公式戦開始までの期間を4週間欲しいという声が多数だったという。つまり5月末で宣言が解除されて最短の6月1日から練習が再開できた場合、7/1(水)もしくは7/4(土)の試合のブッキングという可能性が見えてくる。私見に過ぎないが、これは十分あり得るのではないか、と思っている。

もはや「コロナの完全鎮圧=収束」ということを、誰も言わなくなってきた。このウィルスを死滅するには80%を超える勢いで人と人の接触を削らなければならないし、逆に言えば10割接触を封じれば、おそらくウィルスは新しい宿主に伝染ることもできず、立ち行かなくなるのだろう。だがそんなことはできない。厳密に言うと、そんなことを追求したならば人間の生活そのものが成り立たなくなり、経済の死滅が先にくるだろう。だから「ウィズコロナ」なのである。どのように、だましだまし付き合うのか。いや、それとも付き合わないのか。


そして今宵、Kリーグが開幕した。「コロナを世界最速で克服したプロサッカーリーグ」という触れ込みは大げさではない。
当然のことながら無観客で、ツバ吐きや選手同士の会話すらも処罰の対象になるとの話も出る厳戒態勢。韓国国内のリーグ戦がこれほどまでに楽しみだったことはない。全北現代と水原三星というACL出場同士の強豪対決と言っていいだろう。スタジアムは、マリノスが2月ACLの開幕節で全北を降したあの因縁の全州ワールドカップ競技場である。

2月29日開幕予定だった試合がここまで延期された。でも2ヶ月半と経たずに再開幕にこぎつけたことは本当に素晴らしい。
YouTubeでの生配信のほか、世界17カ国に中継されたという。マリノスとのACLとは扱いの違いがすごい。それはそうである。各国のリーグ関係者、クラブ関係者がこの様子を固唾をのんで見守っていたことは想像に難くない。

ベンチ入りメンバーとスタッフは全てマスク着用である。もし感染者が出た場合には、当該チームの試合は2週間延期されるなどの措置も決まっているという。スタンドには横断幕やメッセージが貼られるなどの工夫も凝らされている。さらに無観客のはずなのに現地の映像からはサポーターの歌う応援歌らしきものも聞こえてくる。これは配信事業者による演出なのか、実際にスタジアムで過去の音声を再生したのか、端間hたスタジアム外にサポーターが集まってしまったのか…。どうやら録音によるものだということだが、これには驚いた。スタジアムには歓声が似合う。


その「再生すらライブで行われている」ことに感激が止まらない。後半からは特に土砂降りの雨がひどかった。その影響もあって試合の質が高かったかと聞かれると特に水原の攻撃は単調だった。後半にはVARを使ってエリア内でハンドの反則があったかどうかの介入があった。「あった」となればPKが与えられる場面だ。だが映像を見ればすぐに偶発的で、かつ自分の胴体に当たってから跳ね返ったボールが手に当たっただけと分かったのだが、フィールドオンレビューも含めて長々と同じ角度の映像を10回以上も再生。ウザいほどであるけれど、結論としてはこうしたフットボールを作るすべての要素が愛しい。横にいる子供とこれはハンドのわけないよね?などと、軽口を叩いて待っている時間がなんとも尊い。

サッカーがそこで行われている。今。
少しずつ、本当に少しずつ、歪んだ世界の歯車はギシギシと音を立てながら回り始めたことを感じる。
過去の名勝負もたくさん見たが、これから行われる凡戦にはかなわない点がある。それがサッカーだろ。
ありがとうKリーグ。

さらに来週にはドイツ、ブンデスリーガの再開も決まっている。欧州では初めて、これも大きな一歩となる。一方でイタリアやスペインのように一層厳しい地域では目処が立たない。新たな感染拡大をどれだけ抑えられるか、グラフの傾きが大きく下がらなければ、サッカーは再開できない。が、比較的うまくいっている国では先行して火を灯すことができる。


日本は、Jリーグは、どちらに入るだろうか。
今の流れなら6月からチーム練習を再開して、7月に合わせるのは不可能ではないと思える。

国際試合や五輪がないからこそ可能になる地獄の連戦は、戦うだけでも大変な困難が予想されるが、戦わない困難よりは180度異なる。

長い長いトンネルの向こうに光は見えてきた。Kリーグのおかげでようやくその言葉を使える。


この再開の機運を高めるためにも、もう少し、もう少しステイホーム。