マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

圧倒的4級審判は、「令和の大誤審」をどう見たか

J1の笛を吹ける、1級審判が日本サッカー協会に何人登録されているかご存知ですか。調べればすぐ出てくる数字ですが、2018年度は227人。
サッカー審判員登録数|データボックス|組織|JFA|日本サッカー協会
JFAが出してます。

ちなみに最下層の4級は、育成年代の若い審判を合わせて23万人を超えますから、1級審判とは1万人に1名レベルのスーパーエリートだということは言っておかなければなりません。

そんな私、こないだ初めて「公式な区大会の笛」を吹きましたよ。あ、まあ4種=小学生ですけどね。「後審」と言って、自分の子供のチームが試合をすると、その直後の審判をコーチや保護者が担当します。アトシンと読みます、間違っても「ゴシン」って読んだらダメですよ。
勝ったチームの親が主審と4審を、負けたチームの2名は副審をやるのが通例です。たまたま低学年の、しかも敗者復活トーナメントが割り当てられたのですが、大変でした…。コイントスして、宙に投げ出したコインが自分の靴の上に落ちた時とかどうしようかと思いました。

保護者は沢山いるし、みーんなボールの行方を見てるんですよね。スローインでどっちのボールかを指示すると、結構な確率で「はっ、マイボだろ(怒)とかこちらに聞こえるようにつぶやく保護者も少なくありません。保護者がそれやるのはご法度なんですけど。

うまくボールを蹴れないような弱小チーム同士の試合を取り仕切るのが私の仕事。無給なのはもちろんとして、労いの言葉より罵声の方が多いのはどういうことか。コケて泣いてるやつ、相手のシュートをブロックしたというよりたまたまみぞおちに当ててしまったって悶絶しているやつ。ばかやろう、泣きたいのはこっちだ。

1級審判は本当にすごい。体力も動体視力も、ゲームをコントロールする力も。そして毅然とした態度も。まあ、今回の場合はどこに自信があったのかはしりませんが、毅然とし過ぎちゃいましたね。両チームの選手に耳を傾ける余裕は必要です。しかも得点だったかどうかは最重要な判定。ファウルを見逃したとしても、得点を見逃したは許されません。上川徹さんはジャッジリプレイの中で、オフィシャルなVARの情報しか採用できないと教科書通りの答えをされていましたが、DAZN見ちゃえばこんな大ごとにはならなかったのになと。もうすこし周りの意見を聞いて冷静になれたら、などと思いますが、3万人近くが見守る中でそれ、口で言うのは簡単ですが…ね。すみません、これぞ小並感。

4級審判の私がジャッジした試合ですら、両チームの親御さんは運動会さながらにビデオを撮っています。この映像を見てみたいですよね。手で押したと思えるが流してしまった判定は妥当だったのか、私の勇気が足りなくてあのチャージはPKを与えるべきだったのではないかとか。他所でこいつ最低な審判だよなとか言われてたら本当に辛いです。二度とやれないかもしれません。それをリアルタイムでネットで配信されてるJリーグとは恐ろしい…。しかも審判とは間違うことがない生き物という前提。

国際主審でもある山本雄大氏に話を戻すと、最近の思い出と言えば、第7節の名古屋戦ですよ。1-1で迎えた後半の82分に、我らの仲川輝人がエリア内で倒されたんですがノーファウルの判定。おいおい、ホンマかよというのがありました。
微妙な判定や、どちらかと言えば間違いだろって判定は山ほどあります。でも日本で屈指の経験と能力を搭載しているのも事実です。

soccer-db.net

↑これを見てみてください。すごいですよ、これだけの試合数の実績。しかもまだ36歳と若いのに立派です。それにしても担当した最多のクラブが浦和で、しかも浦和が担当した試合での最多勝というのもなかなかシュールですね。次いでマリノスも27試合担当というご縁の深さです。

そして2週間後に復帰だそうです。流石に復帰戦で浦和か湘南の試合を担当することはないかな。J2やJ3かもしれないし、清水対マリノス、翌週のマリノス対松本の可能性もありますかね。停止期間が短いと批判があるようですが、もう十分すぎるほど叩かれたのではないでしょうか。プロフェッショナルレフェリーとはいえ、人間です。

もし次、マリノス戦の担当になったら、ゲーム前の審判紹介のときに少しだけ拍手して、後はスルーしようかと思います。

良い試合では審判が目立たない、とよく言います。山本主審復帰試合であることよりも、大事なのは良い試合になること。引き締まった好ゲームに雑音は不要です。選手は選手の、審判は審判の、本来の仕事に専念してもらえるようにスルーで。10年くらい前の家本氏へのブーイングなんて以ての外です。

4級審判にひどいこと言ってきたチームに不利な判定をしてやろうか、とか思う余裕は私にはありません。それなりにテンパって、隅々までこの目で見逃すまいと必死です。威圧に、威圧を返したら最悪だろうと思いますので、何言われても必死で作り笑いします。ヨユーですけど、何かwって。

誤審が生まれないように我々ができることって、それでもなお思いっきり審判をリスペクトすることかと思います。異議も本当はいかんのですが、どうしてもの時も、リスペクトを横に携えて。

VARが導入されても全プレイを検証するわけじゃありません。判定がVARによって変わることも出てくるでしょう。
が、VARをもとに「最終的に判断するのも主審」です。ですから結局主審は絶対です。絶対だからこそ間違えられるとムカつくのはわかりますが、信頼しましょうよ。ね。