桜の美しさは、先週の金曜の夜も、そして今も。ここ数日の低い気温のおかげで、まるで時が止まったように満開が発表されてから以来の長さで花が咲き誇っています。でも儚きもの。長いシーズンでは、いい時も、悪い時もあります。いい時、ラッキーな時はそんなに長くは続きません。桜の花のようにな。
そう考えると、開幕戦での仲川輝人の同点ゴールがオフサイドだったり、仙台戦でのマルコスがもらったPKは誤審だったり。ラッキーの巡り合わせで勝ってきた部分もあったりして。
逆に鳥栖戦ではもらえるべきPKがもらえなかったわけですが、別に村上伸次主審をかばうわけでもなくしゃーないということも。
入れるべきゴールがいくつもあったわけで、この0-0はちょっと残念、いやあまりにも残念な終わり方だったと言えましょう。川崎戦の土壇場で勝ち点1を得たものの、この日は勝ち点2分を失ったと。おぉ、帳尻合わないですね。ゴールネットを揺らしてナンボのスポーツですから、クロスバーやポストにいくら当ててもゼロはゼロです。
我がマリノスも、マンチェスターシティもそうなのですが、個性的なのはゴールを奪うための組み立て。言わばプロセスです。アタッキングサードまで、できるならフィニッシュの直前まではデザインできても最後は、ストライカー様お願いします。
本家セルヒオ・アグエロにも、うちのウーゴ・ヴィエイラであっても、エジガル・ジュニオにもストライカーの価値は、奪い切る確度の高さ。そこで給料が決まるわけですよね。
エジガルが遠目から打ったシュートの軌道、美しかったですね。吸い込まれるようにゴールに向かってきてました。あ、ゴール裏から祈りながら見てたから「向かってきた」わけです。入る、これは入るうぅぅ!とジョジョのように呟きながら、「ザ・世界」(ワールド、と読みます)から引き戻されたのは、バーを叩く無常で乾いた音。中央をがっちり固めていても、あんなシュートが入る時は入るし。ドン引きしても無駄ァ!無駄ァ!と、叫びたかったですけどね。
J1デビューとなった朴一圭。ピンチらしいピンチがほぼなかった展開なので、評価が難しいものの堂々の無失点デビュー。ルヴァンのような浮き足立った感じもなく、良かったのではないでしょうか。「飯倉時代の終焉」かのように言う人がいたならば、それは違うと思います。そんなコロコロ選手を変えるポジションではないのは確かにそう。アンジェ・ポステコグルー監督が前日に「お前で行く」と告げた理由は、とにかく意欲的に練習に取り組み、十分な準備ができていると判断したからだそうですが、それはフィールドのプレーヤーの競争心をあおる意味でもいい起用だったのではと思います。
珠玉なのは畠中槙之輔です。ファウルを犯さずに奪う守備!本当にたくましくなっています。正確な前線へのパス。まるでトップ下の選手のように、シンを経由してから攻撃のスイッチが入る信頼感はすごい。彼がいるだけで、天野純、三好康児がより高い位置で決定的な仕事に絡む回数が増えるはずです。センターバックはこうあるべしという成長。所属チームでセンターバックのレギュラーを目指す息子にも、何度「今の畠中を見たか!!」と言ったことか。途中から辟易してたようですが、そんなことではシンにはなれないよ。
幸運の女神は勇者に微笑む(羽生善治)
人は幸運の時は偉大に見えるかもしれないが、向上するのは不運の時である(ジーコ)
優れた人物は、運に恵まれようと見放されようと、常に態度を変えないものである(マキャベリ)
だそうです。明日も、勇気を持って、ほんの少しの運を手繰り寄せましょう。
私は、出張先から新幹線で戻り、勇猛果敢なるハードワークでギリギリ、キックオフに間に合いました。間に合って良かった。