黙っていたって、イニエスタとトーレス。日本の出来の悪いワイドショーマスコミじゃなくっても、世界的にだって注目されるだろうさ。ノエスタとベアスタはそれぞれ、世界的スターのデビュー戦を追う。
ニュースの尺だって、「そこ」に重点的に使うだろう。川崎対鳥栖のチケットの取り方を私に尋ねてくるJリーグ初心者が周りに多い。元世界王者、元バルセロナの至宝、アトレチコの看板の威力はそこまで大きい。
次に取り上げられるのは首位広島のゲームだろう。瓦斯戦はその次だ。普通のことをやっても目立ちはしない。
また8得点したとしても、今節は露出しないかもしれないが、それでもやってみよう。浦和は前節までにチーム総得点が15だそうだ。マリノスは連続8得点なら、わずか2試合で浦和の総得点を上回る。そんなことどう考えたって常識はずれだ。その狂気じみた攻撃サッカーを、ずっと目指して苦労してきた。上位チームとの対戦は久々だ。だから通用するかは見どころとなる。
今節のキーマンに金井貢史を推したい。大津祐樹の得点を奪い、オリヴィエ ブマルへの優しいクロスで1G1Aを記録し、のっている。センターバックとしての安定力というより、器用さでなんとか適応してきた感じ。
燃えないわけがない。両サイドバックの松原健と山中亮輔は今や盤石で、中澤佑二の相方にはミロシュが君臨してきた。ミロシュが代表で離脱した間は、代役としてセンターバックを務めてきた。ミロシュが去ったのも束の間、チームは、セルビア人DFのドゥシャン ツェティノヴィッチの監督を発表する。補強が必要という判断だったわけだ。
まだ登録が済まされていないが、29歳という経験のあるセンターバックの本職選手を、ベンチに置いておくために取ったわけでは当然なく、スタメン起用が見込まれる。当然、金井の置かれた立場は厳しい。
その点ではアピールするには絶好の機会だ。相手2トップは、ディエゴ オリヴェイラと永井謙佑。決定力とスピードがある上に前節欠場したためにフレッシュでもある。なかなか強力な攻撃陣を揃えながらも2位につけているのはむしろ守備陣の奮闘が光る。何しろリーグ戦5試合連続で相手をシャットアウト。けれど自らも無得点で引き分けが多いのだ。
オーソドックスには瓦斯さんは、裏スペース狙いだろう。パスサッカーにはあちらにも自信がある。そこで失点するか、しないか、金井にかかる責任は大きい。6〜7点差ついた試合ならば、野放図でも良かったが、誤って追いかける展開になった時のリスクヘッジは本当に厄介だ。
攻撃陣は好調と言っていい。特に天野純の充実ぶりは目を見張るものがある。巧さに加えて、今は強さがある。昨夏の味スタでは89分に均衡を破る決勝点をマークした。仲川輝人も、味スタで人生が変わったと瓦斯戦への意気込みは強い。
ここから続くのは上位との対戦だ。瓦斯の守備陣を突破できれば期待は高まる。不在のアンジェ ポステコグルー監督に代わって、ピーター クラモフスキーコーチの手腕が問われないほどの圧倒劇を。