あれをファウルとされるなら、どうボールを取ったらいいか分からないと、喜田拓也は言ったそうだが、正当なフィジカルコンタクトやタックルと、ファウルの境目にあるプレーだったと思う。到底、明らかな誤審などと呼べるような判定ではない。吹く人、吹かない人、両方いるようなプレーだったと、10回リプレーを見直した4級審判の私はそう思う。
というよりも、必然だったさ。あの同点ゴールは。むろん幸運を拾って勝った可能性も十分だったけど。でも一発勝負。エリク モンバエルツ監督の早々に喜田を入れた采配を消極的だとか、あれでますますフルボッコになったとか語る人がいるけれど、それもまた結果論。同点の後に、ウーゴ ヴィエイラ投入に動かなかったのは首をかしげたのだけれども。
少なくともあの判定は試合のほんのディテールの一つに過ぎない。ファウルはファウルだよ、という立ち位置から話せば、試合終了の整列後に抗議して警告を受けているという事実、その行動の方がはるかに幼稚で重くないか。だって僕はきちんと体を入れていたし、チャレンジできる状況にあった。あそこでファウル取られたら、危ないことくらい分かってた…本当に?自分のプレーをジャッジするのは自分じゃない、他人だ。「正当なフィジカルコンタクトだったんです」と後から自分で弁明するのはやや、おめでたい。
ガツガツと球際に厳しく行く特長は素晴らしい。それに伴って普通のプレーよりもファウルを取られる確率は高まる。だからこそ、ファウルを犯さずにボールを取りきると、それは賞賛の的になる。
そう。取り切っていれば、マリノスのカウンターが成就したかもしれないし、たとえそうでなくても時間を上手く消費できただろう。
紙一重。ただそのリスクが逆に触れた時に、そこにはクリスティアーノの右足である。そんな1-1のドローゲーム。新潟対鹿島はハーフタイムの段階では、鹿島が2点のビハインドだったから、「このまま」ならマリノスと鹿島の勝ち点差は5に縮まるはずが、なんとなんと、終わってみたら「10」差。
もう、勝って勝って勝ちまくって、それで上位が落ちてくるのを待つしかない奇跡待ち。そういう差になってしまった。ああ、優勝争いとはこれほどまでに躓きが許されないか。
私の仕事がいっそう忙しさを増し、天皇杯も、週末の山梨行きも取りやめとなった。ブログの更新が遅れているのも、何も熱意がなくなったとか、こないだの引き分けに呆れているとかではない。物理的なプライオリティの問題。いや、改めて毎日の更新などは並みの技ではない。
週中の天皇杯だ。広島とのラウンド16に挑む。広島は最悪の時期を脱して明らかに堅守が戻ってきた。得点力不足は相変わらずのようだが、それはどこかのチームとて似たようなものではないか。ロースコアの接戦が予想される。
期待の新戦力、イッペイ シノヅカは登録の関係上、出場できない。それがショック。遠藤渓太、前田直輝、イッペイの2列目が見たかったが、代わりに齋藤学の先発。