ACLの結末は、いくつかの不確実な要素が折り重なって劇的なものとなった。
1stレグを3-1で制し、さらに1点を先制し圧倒的に有利な局面で迎えたのは川崎。ところが車屋紳太郎の一発退場や、中村憲剛、大島僚太という中軸を途中で下げざるを得ない状況もありまさかの4失点。
大逆転で浦和が2戦合計5-4として、準決勝進出を決めた。
いや、何も前節にマリノスが敗れた川崎の敗退をことさら強調したかったわけではない。いや、せっかくだから、川崎wwと書き残しておきたい気持ちはこれっぽっちもない。その川崎に良いところなく敗れた自分たちを蔑むのと同じことだと思う。
浦和は立派だったと思う。1-4になっても、戦った。戦えば勝てるというものではないが、諦めたらそこで試合終了なのは古今東西、いや安西の金言なわけであり、首位との勝ち点差が8だろうがなんだろうが、何も諦める必要などない。
ショックの残る15試合ぶりの敗戦をどう捉えたか。天野純は今までのやり方は間違っていたと言い、カピトン齋藤学は自信を失う必要はないと呼びかけた。私も後者の立場だ。
真価が問われる柏戦となった。勝敗の前に、マリノスの目は死んでいないか。そこがまず大事だから、中町公祐やパクジョンスがスタメンに選ばれる。入れ替え、大いに結構だ。さらに1トップには得点から遠ざかっている富樫敬真。マリノスの生き残りはこの男の勝負強さに託されたのだ。
よりによって、と思う。川崎の攻撃的、積極的守備に屈した次が、ハイプレス柏とは…。自陣におけるミスの連鎖は起きないだろうか。ジョンスや飯倉大樹がややタッチ数多めにプレーするのは、柏相手ならかなり危険である。
前節、出どころとして潰されることの多かった扇原貴宏の横に中町がいてくれる効能は特にバルドアップの場面で大きい。それに加えて、古巣からの初白星に燃える山中亮輔の攻撃参加には期待せずにはいられない。
そこに立ちはだかるのはJ最速の伊東純也だ。あいつはマジでヤバイ。山ちゃんの親友にして、紅白戦でも何度もやりあってきた。そして何の因果か、柏育ちで横浜の左を張る山ちゃんと、横須賀育ちで柏の右から相手を切り裂く純也。
敵将、下平隆宏も春の対戦では出場のなかった山中のレギュラー獲得を喜んでいるという。
育ててもらった恩をその場で返す方法は、サッカー界にはただ一つしかないんだぜ。
さあ踏みとどまるか。再浮上なるか。殴られたら、殴り返せ。