マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

4級審判・シャーレさん、爆誕

4級審判を目指す、絶対に負けられない戦い。

 

コンタクトプレー映像を見て、警告なのか、退場なのか、はたまたノーファウルなのかを当てる問題集には小笠原、パトリックなどの派手な悪質ファウルが取り上げられていた。マリノスの映像は、このラフプレー集には一つもなかった。

 

J1の映像を堪能した私たちは、グラウンドに出て、まずタッチラインの概念を再確認する。つまりライン上はインプレー。そしてボールが完全に出ないうちはインプレー。完全に、というのは接地面の話ではなく、球体の一番端の部分がタッチラインを超えた瞬間にアウト、となる。

 

よく三ツ沢のような専門スタジアムでは、味方チームのライン際のドリブルが、客席からでもよく見える。そのため、贔屓目も手伝って実は出てるのに、スローインの笛を吹かれると、おいおい出てないよ!と腹を立てたりする。

 

が、近いとはいえスタンド側の角度からだとライン上にあるように見えるボールが真横からだと完全に出ていたりする。つまり見えているようで「見えていない」ので、スタンドが近い分、余計に観客は厄介だということを目の当たりにした。しかも副審との距離も近いものだから、反対派の露骨な不満の声はイヤでも耳に届いているはず。審判はツライよ。

 

さて、こないだの横浜FM対鳥栖で飯倉大樹のゴールキックがミスとなり、エリア内に侵入してきた鳥栖の選手に直接渡ってしまったという惨事があったのを覚えているだろうか。鳥栖の選手がボールに触れると、すぐに笛が吹かれてGKのやり直しとなった。

これは、ゴールキックはボールがペナルティエリア外に出た瞬間にインプレーになる、というルールがあるためだ。鳥栖の選手はエリア外で待っていたからプレーは再開していると主張していたようだがこれは認められなかった。こんな知らない人はまるで知らなそうなルールを、グラウンドでボールを転がしながら再確認する。

 

そして手旗練習。これがなかなかのスパルタだった。副審が主審に伝えるメッセージは主に3つ。

 

1, ボールアウト(主にスローイン)=スローインを行う側のサイドを旗で示す

 

2,オフサイド=旗をまっすぐあげた後、水平に降ろしてオフサイドがあった地点を示す。

 

3, 眼前のファウル=旗をバタバタと頭上で振り、ファウルを受けた側が攻める方向を指す

 

これを副審らしく、オフサイドラインを意識しながら、サイドステップで移動し、講師の出すサインにしたがって次々にジェスチャーする。まあ当然のように間違え、その度、笛を吹かれて怒られる。「70人全員が揃うまで終わらないぞ!」などとゲキが飛ぶ。同じ人が二度三度まちがえて、冷ややかな目線を浴びながらやり直しを行い、ようやくクリア。自然と拍手が起こり、なぜか団結感が醸成されている。

 

f:id:f-schale:20170831091958j:image

 

テストの問題についていろいろ書くとマズイかもしれないので割愛するが、結構ひっかけ問題も多い。上記のゴールキックの問題も出た。

 

テストなので、一応テキストはカバンの中にしまう。採点は隣の人と答案を交換して行う。私は25問中1問間違いで、水準をクリア。ホッ。

 

80点以上が合格と言いながら、それ以下だった人も10人前後いたようだが、最後に修了証をもらって終わり。後日、審判のワッペンや名前の入った資格カードが郵送されるそうだ。なんと、前の記事で触れたやたらと日産スタジアムでのマリノス戦の様子が収録された審判育成DVDももらえるとか。ラッキー。

 

これにて、公式戦でも笛を吹くことができる。理論上は。

 

なお、審判服などを一揃え買う人も多いようだ。私の場合は当面、息子のクラブが貸してくれるらしい。ふ、ふ…笛は買った方がい、い、いいですかね?の震え声質問には、「しばらくは主審やることなんてないから大丈夫ですよ苦笑」と、優しく諭された。

 

これが個人となると、真っ黒な審判服の他、イエロー、レッドカードのセットや、45分計の腕時計や、上記の笛、手旗などなど2〜3万円かけて揃えるのだとか。ひぃー! 所属先と、何をどこまで買うかはよくすり合わせた方がいいだろう。私は黒のロングソックスは自分で用意しようかと思っている、さすがに。

 

さて、飯田淳平氏の神の手見逃しが話題となった。だが言いたい。(プロの)審判はすごい。自信を持って瞬時に判断する。どんなに研鑽を積んでも間違うこともあるに決まっている。たしかに神の手のようなケースは勝敗に直結しかねない。

 

だが審判にリスペクトを。選手やスタッフ、観客に加えて、審判団も含めてお互いの理解とリスペクトがなければいいゲームは生まれない。それはプロも少年サッカーの小さな大会も同じこと。

判定がどっちに転ぶかもサッカーの一部だ。誰かが決めなくてはならない。そこに文句を言ってるのは無駄である。

 

せっかく審判になったのだから、自分でも早く腕を振るいたいような、怖いようなそんな気持ちである。ただ4級審判の端くれの端くれとして、マリノスの試合でも審判の判定にもう不平不満は言うまい。その方が試合結果もいいものになる気がするのである。