マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

扇原貴宏の一歩踏み出す勇気

「レギュラー争いはどこにでもあることですし、結局は自分次第かなと。自分が良ければ使ってもらえると思うんですよ。そんなに焦りはなくて、シーズン通して最終的に自分がピッチに立っていればいいかなって思っています」

 

シーズン開幕直前のnumberのインタビューで、彼はこう答えていた。扇原貴宏は齋藤学を操れるか?横浜FMで復活を期す男の「直感」。 - Jリーグ - Number Web - ナンバー

 

なるほど、焦りはなかった。当時は天野純もポジションを確立する前。中町公祐と喜田拓也と、天野もボランチの一人として考えられていた。上のコメントを今読み返すと、この強気というか自然体な考え方は、楽観的すぎるようにも思うし、「お見事です。参りました」という気にもなる。

 

彼がスタメンで出始めた頃に、大型ボランチへの期待とロマンを込めて「扇原貴宏は再生するか」を書いた。扇原貴宏は再生するか - 銀皿航海 蹴球7日制

 

再生どころか、今や、欠かせない。この14試合負けなしが始まった時と、扇原がフル出場が始まった頃はほぼ一致する。5月に中町が肉離れで離脱し、入れ替わるように喜田が怪我をした。扇原が出場機会を得るには、彼に追い風の展開だったと言えるだろう。

 

彼特有の魅力は、なんといっても長くて正確なパスを送れることだろう。マルティノスと齋藤学の斬れ味は、こうしたロングパサーの存在があって一層脅威になる。中村俊輔のそれはアメフトのクォーターバックのように射抜くようなパスだった。対して、扇原のパスはバレーボールのセッターのように、撃ちやすい。

 

それに加え、瓦斯戦の決勝点は扇原の魅力を一層高めるものだったと言っていい。スコアレスのまま進んだ後半35分。得点したいが、点は絶対に失いたくない場面。齋藤学と前田直輝が、DFを引きつけて作ったエリア内のスペースを、扇原は突いた。この後方からの攻撃参加こそがCFGの求める動きなのだと、天野のインタビューで読んだことがある。

 

決めたのはウーゴ ヴィエイラだったが、扇原の勇気が生み出した、そしてチームに勝ち点3をもたらすゴールだったと言える。この姿は、冒頭の開幕前にはちょっと想像できなかった。

今の扇原がいれば、自身がパサーとなってゴールから遠ざかっているカピタン学のゴールも近いだろう。と、言ってるうちに残り10試合か笑。

 

今の扇原に心配なのは怪我と累積による出場停止くらいか。3枚貯まっているリーチの状態なので、この先の勝負どころで扇原を欠くのは避けたい。ディフェンダー陣でも、ポジション争いがはげしいため、松原健が出場停止のうちにポジションを失いかけたのは記憶に新しい。

それくらい今のマリノスは控え選手との差が拮抗しており、しかも代わりにチャンスを与えられた選手が活躍してしまう。

 

中町にも喜田にも当然、扇原にない能力がある。例えばセットプレーでの強さや、1対1での粘り強さだ。だが、瓦斯戦で見せた勇猛果敢なアシストの価値はさらに大きいと思う。

鹿島との差をなんとか詰めたい中で0-0のままで終わらせてしまうことはもう許されない。リスクを背負ってでも、点を取るという強い意志と、実行こそ最も必要なものだ。

 

この勇気に、多くの選手が触発されることを願う。扇原貴宏は復活を遂げ、以前よりも魅力的なMFになりつつある。