今更ながら天皇杯。シーズン開始から4ヶ月半にして、齋藤学が初ゴールをあげた。
遅! と、しか言いようがない。
なぜこんなにも時間がかかったのかという問いに答えられるのは本人も含めていない。焦りとか、責任感による重圧などということだろうか。
次戦が7月29日の清水戦ということで、2週間半の中断期間になる。ミロシュ デゲネクと、ウーゴ ヴィエイラが一時帰国する言わば夏休み。チーム全体としては、ファン感謝デーであるトリコロールフェスタの開催後に、今日17日から6日間に渡って新潟県十日町市でキャンプを行う。
ギリギリ、この中断期間の前に「カピトン」学にゴールが生まれた意味は決して小さくない。それがJ3チーム相手であったとしても、精神的な余裕が生まれないはずがないからだ。しかも、今季はあれほどまでに責任感が強く、真面目一本槍で来ていた。沼津のGKのミスだなんて言ってくれるな。正真正銘、学のゴール、それも2発だ。
2016 3節 新潟(A) 2-1 公式戦3試合目
2015 7節 湘南(H) 3-0 公式戦10試合目
2014 2節 清水(A) 1-0 公式戦2試合目
2013 1節 湘南(H) 1-0 公式戦1試合目
2012 1節 柏 (A) 1-0 公式戦1試合目
愛媛から復帰した12年以降、これほど初得点が取れなかったシーズンはない。
2017年は、この試合がチームとして26試合目の公式戦である。どれほどトンネルが長かったが分かると言うものだ。
そして待望のリーグ戦ゴールという意味では、過去5シーズンで遅くとも7節までに記録していることを考えると、今季すでに18節が終わってノーゴールというのは突出している。
たかがゴール、齋藤学の価値は自身の得点数が多いか少ないかでは測れない。
されどゴール、自他共に認めるマリノスの中心であるなら、無得点の見栄えはあまりにも悪い。
扇原貴宏がやべっちFCに生出演した際にバラしていたのは、「学の無得点を皆が心配している。けど、天皇杯で取れたからこれから取ってくれるでしょう」という話と、年代別代表時にはイジられキャラだったのに、マリノスではキングキャラだと。誰もイジらないけど、僕はイジると。それに、土居聖真とチョンテセ苦笑みたいな。
かたや途中から、中盤で絶大な存在感を放つ扇原。喜田拓也と中町公祐がボランチの先発の座を争うことになるが、天野純やダビド バブンスキーが揃って扇原以上のプレーを見せない限りは扇原の先発は揺るがないように思える。その場合、実は裏抜けで得点が狙えるのは他ならぬ学のような予感がある。
学の爆発、いわゆるケチャドバがあれば、後半戦のマリノスの戦いは有利になるだろう。とくに清水戦から瓦斯までの6試合は、順位的に取りこぼしたくない相手。学がゴールすれば、その可能性はグッと減るだろう。
そのための十日町キャンプ。
セビージャやドルトムントとの親善試合はちょっと羨ましいが、ここは雌伏の時。緩いなどと批判した炎上国会議員が驚くような試合を、後半の日産でこそ、見せようではないか。