昨年に続いて、最終節に全てが決まる戦いに挑む。引分以上なら、3位通過で反対の組の2位とプレーオフへ。今季から導入された消化試合をなくすための工夫、3位救済の恩恵をフル活用することになる。もしも大量得点して、神戸が負けたとして、2位になってもどうせプレーオフ。極めてシンプルだ。
ホーム三ツ沢、3位と4位の直接対決でアドバンテージはこちら。広島はアウェイの地で勝つしかないという状態で決戦の夜を迎える。
2連敗の後の3連勝と、去年以上に端的に尻上がりな我がマリノスは、2年連続のベスト8入りに望みをつないできた。連敗スタートながらも、勝ち上がるのならばこれはなかなかの快挙と言えるだろう。
カップ戦を主に引っ張ってきた選手は誰だろう? 昨年ならば、はっきりと榎本哲也と言えたが、今年はあまり判然としない。鳥栖戦だけを取り上げればウーゴ ヴィエイラだった気もするが、Bチームの大黒柱は不在だった。
その中にあってプロ2年目の遠藤渓太、19歳とルーキーの吉尾海夏、18歳はよくやった。2人の壮行試合とも言えた大型連休中の甲府戦は渓太のクロスに飛び込んだ海夏がオウンゴールを誘発したっけ。それぞれが、代表に選ばれた。かたやU-20W杯に、海夏は登竜門であるトゥーロン国際大会に。
2人とも3年後に行われる自国開催という稀有な五輪の日本代表に選ばれる資格は十分にある。
堂安律がどれほどのものか。三好が渓太の代わりにスタメンに返り咲いたが、4試合でインパクトを残したのは渓太の方だったではないか。
トゥーロンはまだ始まったばかりだが、海夏が目立っていた。フリーキックも任される。イングランド代表など強豪との戦いは、なかなか経験できないこと。マリノスから若き才能が次々に飛び出している。
ではトップチームはどうだ。週末に戦うお隣のチームがACLを勝ち続けてる中で、よもやルヴァン杯のグループステージで躓いている場合ではない。来年はあのアジアの舞台に戻ることがせめてもの目標のはずだ。
若き日本代表選手は、プレーオフステージには帰ってくる。彼らのためにもここは絶対に譲れない。
富樫敬真と中町公祐がスタメンに帰ってくる。バブンスキーのトップ下はどうだ。2列目の左にはなんと高野遼が予想される。左サイドバックは山中亮輔。
今大会で一皮むけた感のある中島賢星と中町の守備の頑張りで、広島の攻撃を分断したい。相手ボランチへのプレスがとても重要だ。
そして齋藤学の途中出場はあるのだろうか。
勇敢に戦ってほしい。引き分けでいい、などという考えは仮に85分に同点だった時の話。それよりは先制点取って、固く閉じたほうがいい。
以前にも書いたが、wikipediaの記載を信じるとすると、今大会の3勝を加えるとマリノスのルヴァン杯(ナビスコ杯含む)における通算勝利数は83勝となり、鹿島の82勝を抜いて歴代最多勝利となった。
ただし、ACLのためにグループリーグを戦わないチームと同列に語るのはフェアではない。杯の通算記録が公式に見つからないのはこのためだろう。もちろんACLで敗退した鹿島は飄々と準々決勝から大会に現れ、このタイトルに照準を切り替えてくる。
だが今のマリノスは、ルヴァン杯で最も多く勝利を積み重ねたチーム、いわば主。中位を証明するやや自虐的な称号ではあるが、その誇りを持って、グループを突破しよう。