あの下平匠が、肩を震わせていた。いつも冷静で澄ましている下平が。
ウーゴ ヴィエイラがお気に入りの勝利後の円陣は、ズルい。10ヶ月ぶりに公式戦のピッチに帰ってきて、後輩のプロ初ゴールに続いて帰還をみんなに祝ってもらったら、さすがに泣いてまうやん。
長かった復帰までの道のり。合流したのに、症状が悪化し再度離脱ということもあった。自身は2011年に二度にわたる腰部骨折でやはり長期離脱を経験している。当時の所属チーム、G大阪。下部組織出身の下平は、大宮を経て、14年よりマリノスに加わった。G大阪には同じポジションに安田理大や藤春廣輝といった猛者がいた。色々あって、そして下平はマリノスにいて、今では金井貢史とポジションを争っている。その下平の今節の出場の可能性はアクシデントがない限りは低い。
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とかく、ガンバ戦と言うと、アデミウソン、藤本淳吾に加えて、ファビオとマリノスから移籍した選手の存在が気になる。G大阪を退団したマムシの小椋祥平は新天地・甲府で大活躍中だ。淳吾は右サイドで先発予想。大宮戦ではキレッキレだった。金井貢史の意地に期待だ。
右サイドバックには新婚ホヤホヤの松原健。アデミウソンは欠場で、日本代表の倉田秋が来る。この両サイドの攻防が見ものである。
もちろんマリノスのサイドには、今節も齋藤学と、有給から復帰のマルティノス。復調気配のバブンスキーに中央のスペースを作ってあげたい。それぞれ、オジェソクと、藤春がマッチアップする。
1トップの伊藤翔は、4試合ぶりの先発へ。ウーゴの状態が上がらないことで、チャンスが巡ったきた形か。
サカダイでは、マリノスがガンバを得意としているように書いてあったが、はっきり言って違和感。アデミウソンの途中出場はもちろん嫌。それに目下売り出し中の堂安律と、かつては雑魚専と揶揄された長澤は強力になってきた。
柏戦での苦戦は、動脈の分離に原因があると思う。すなわち両サイドへの供給を絶たれる、もしくはボールが渡ったとしてもそのあとにすぐに潰すこと。この柏のやり方は効果てきめんにマリノスのストロングを消した。
それを上回る対策がこの数日で進化するとは考えにくい。したがって上述のサイドバックはファウルを恐れずに、強めに来るだろう。
両翼の調子が良ければいい試合になるし、そうでなければ厳しい試合になるのはある程度仕方がない。
そこで、バブンスキー。父親ボバンの古巣でもあるガンバ戦に、スピリチュアルな巡り合わせを感じるナイスガイ。開幕戦と同じ輝きを取り戻すにはいい相手だ。狙いは前半死んだふり作戦でどうだろうか。
今野を欠くガンバの中盤、今日も多分遠藤保仁は途中から来る。彼がいる時の方がバブは仕事がしやすいだろう。とにかくスペースを。
そして両サイドハーフを支える、サイドバックの上がり。押し込むか、押し込まれるかに目が離せない。
下平匠、山中亮輔の復帰で激化必至のサイドバック争い。
勝つのは、俺だという意地のぶつかり合いである。