マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

足元を見つめ、自信を取り戻してほしい

神戸戦の観戦記は、ない。

仕事のため三ツ沢には行けなかった。それにスカパーは解約したままである。何しろ3月、4月とルヴァン杯は1試合しかない。それに対して、視聴プランは融通の利かないフルセット3,000円也は高すぎる。5月は3試合あるので契約予定だが、ともかく神戸戦の映像は公式ハイライトの約3分しか見ていない。

すると当然、失点シーンを繰り返し見せられることになり、はっきり言えば不愉快だ。ルヴァン杯は2戦2敗で、グループ最下位に沈む。残りは4試合で、星勘定的にもまだ巻き返しは可能だ。しかも今年から3位でもプレーオフに進めるので、ノックアウトステージに生き残る間口は広がっている。だいぶ混戦になっているので勝ち点9(つまり3勝3敗)でも、3位に滑り込めるかもしれない。

中島賢星が随分叩かれていたようだ。ユースの山田康太を自分の代わりに送り込まれただけでもショックだったろう。Twitterで「思うところはあるけれど、がんばろう」とつぶやいた真意はなんだろうか。なんとなく迷いの中にいるようだ。頭を使えば使うほど、プレーが縮こまってしまうのだろうか。年初にタイでゴールをあげたときは、ポジショニングも、思い切りもよく、東福岡のエースが蘇ったかのようだったが。失った自信をどう取り戻すか、これはプロでなくても直面する話だろう。代表的な答えは、「小さな成功を積み重ねさせること」にある。できないことを指摘するのではなくて、できることを認め承認する。

まあ、マネジメントの基礎的な話だけれども、プロスポーツ選手といえども人の子だ。しかも高校時代は圧倒的な実績で、鳴り物入りでの入団だったのだ。結果に落胆しているのは他ならぬ本人だろう。けれどもプロはすごいのだ。プロに入ってもA契約の条件である450分出場を果たせぬまま夢半ばで、舞台から立ち去る選手も多いのに、賢星はそこまで到達した。だが正直、大きな変化を起こせないと今のマリノスにいるのは厳しいだけかもしれない。

 

息子が新しく入った強豪サッカーチームは、これまでに何名かプロ選手を輩出しているそうだ。チーム内の競争は激しく、試合に出してもらえなくなった子は途中で退部するのだそう。単にサッカーを楽しみたいうちの子にはちょっと厳しい環境と言える。でも出し抜いて、勝ち抜かないと上のカテゴリーに進める可能性はどんどん狭くなってしまう。えーと、そんな環境選んでしまってよかったのか…

1年生になって加入したばかりというのに、日曜には練習試合。しかも相手は超有名な強豪チームということ。さらには朝8時試合開始なのに、妻は仕事で不在と、もう私にしてみれば、広島戦の心配をしている暇はない感じである。本人のやる気に火がつく程度なら、打ちのめされてもいい経験だろう。

 

1年生で、びっくりするほど上手いヤツはいないが、皆それなりに貪欲である。いきなりトップチーム、つまりプロや、せいぜいユースの試合しか見なければ分からないが、プロとは本当に一握り以下のとてつもない存在である。

それもJ1ともなれば、もうとんでもない。下部組織からトップに昇格するのと、外部から加わるのと、プロセスに優劣はないが、後者の方がより狭き門ではないだろうか。

高卒でいきなりJ1に行く選手など、本当にごくわずか。改めて、中島賢星はスーパーエリートであることを念押ししておきたい。だからこそ、プロ入り後にぶち当たっている壁は、自分が味わったことのない壁かもしれない。が、溢れる才能と実力でここまで来たのはダテじゃない。どう課題設定し、それと向き合うかだろう。オフザボール、ポジション取りが喫緊の課題、(´-`).。oまあ他にもいろいろあるのだと思うが。

 

最近ベストセラーになった「GRIT やり抜く力」という本がある。上に書いたように、課題を定めて、それを克服するような意図的な練習が大切と説く。もっとも大事なことは、何かを成し遂げて成功する人と、そうでないなとの差は、意志力、つまりやり抜く力の差だという論だ。

 

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

 

仕事でも、子育てでも、何よりも自分の成長のために必要と思って読んだ。度々出てくるのは、誰よりも強い興味を持って、自分の好きな練習ばかりでなく苦手なことにも目的意識をきっちり持って、掲げた高めの目標を突破することに喜びを感じるか。あるいは突破できるまで、何度でも何度でもやれるか。そのことは、よく言われる「生まれ持った才能」などよりも、はるかに大事なのだという。

 

賢星にはこの本を薦めたい。何様だって話だけども。やるべきことがはっきり見えて、自信を取り戻すきっかけを作ってほしいものだ。

まだルヴァン杯は4試合も残されている。齋藤学に、もっと悔しがるべきなどと言わせている場合ではない。次こそ、ゴールまたはお膳立てを。賢星と、遠藤渓太の覚醒を待っている。