とかく一発勝負は難しく、残酷で、それでいて楽しい。ロサンゼルスでは侍JAPANが善戦虚しくアメリカに敗れた。準決勝。1次ラウンドから6連勝と、波に乗っての対戦だったが力負けの感は否めなかった。夏ほどではないがセンバツもの高校野球も真っ盛り。一発勝負、トーナメントが日本人は大好きだという。
あぁ、確かに天皇杯の方がどちらかと言えば日本的な発想であり、ホームアンドアウェイ方式というのは日本人の発想からは生まれにくい。いや、なんとなく傾向として。
W杯の最終予選はさしずめ十発勝負である。折り返しの5試合を終えて、日本は出場権獲得圏内の2位につけているが、4チームによる混戦が続く。
順位 国 点 勝 分 敗 差
1 サウジ 10 3 1 1 +4
2 日本 10 3 1 1 +3
3 豪州 9 2 3 0 +3
4 UAE 9 3 0 2 +1
5 イラク 3 1 0 4 -2
6 タイ 1 0 1 4 -9
今晩遅くに第6戦を戦う日本の相手は、UAE。アウェイでは勝ったことがなく、第1戦でホームにて敗戦を喫した相手である。まさか勝ち点6を献上するわけにはいかない、きちっとやり返したい。因みに日本はこの後、中4日でタイ戦を迎え、UAEはアウェイに乗り込み、我らが横浜のミロシュ・デゲネク擁するオーストラリアと対戦する。
いわゆる上位4強では4位のUAEにとって大事な直接対決2連戦であり、生き残りがかかる。しかし混戦から一気に首位に抜け出す可能性もある。十発勝負と言いながらも、この2試合は大事だ。
日本代表の選考をめぐっては、特に本田さんの処遇が何かと話題になった。少なくともこの数ヶ月は、ろくに試合に出ていない。それでもハリルホジッチ監督は、大一番においては経験のある選手が必要なのだという。その強い意向が監督への逆風も強めている。宇佐美貴史の謎の招集もまた然り。タイプの異なる選手を置いておきたいのは理解できるが、宇佐美もまたほぼ出場機会を減らしている。乾貴士、南野拓実そして国内組なら齋藤学、小林悠あたりのほうがいんじゃね?となるのは当たり前である。
かと言って、監督の過ちが証明されるように日本が勝たないのを期待するのも何か違う。今の学なら遠からず、再び代表に必要とされる日が来るだろう。と言って、軽く一年は過ぎたな。やはり学の活躍の機会を思うなら、現監督のクビが飛んだ方が…、いやいやそういうことではない。
本田の方が経験豊富である、ここ一番で貴重な働きをしてきたというのは認めるが、仮にビハインドの展開ならば本田を出すよりも、左に学、右に浅野拓磨の方が相手には怖くないだろうか。その発想がすでにマリノスの戦い方に縛られているだろうか。
もう一人、注目されるのが不動のボランチにして主将の長谷部に代わって出場するとみられる今野泰幸だ。当初は高萩洋次郎の抜擢も選択肢としてあったようだがコンディション不良。ここでも今野のボール奪取力とともに経験が期待されるという。
経験。正直、先のブラジルW杯など後年の今野が代表で素晴らしかった記憶がない。しかも2年、代表から遠ざかっていた。それがなぜ今と思うのは、当然だ。選手選考にあたって、年齢が高いからという要素をマイナスにカウントしてきた監督だけに説得力がない。実は年齢など二の次だった、最後の最後に頼りになるのは今まで信頼して使ってきた選手だと言えばいい。
学さえいれば良かったのに…という結論を私は望んでいない。でも学待望論を唱え続けよう。今日行われるサッカーの中身は、マリノスのそれとかなり共通点がある。マリノスとの比較においても注目してみる価値がある。
それでも次は、学を選べ。そして使え。