今年もマリノスにシャーレを 2020

シャーレを掲げることは難しく、守ることはさらに難しい。連覇に挑む2020年、アウトサイダーではなく本命として、今年もシャーレを掲げよう。座右の銘はシャーレです。

強っ…【ACL・GL2○シドニー4-0】

松原健がトップ下の司令塔のように、長くて鋭いパスを左前方に送る。受け取る遠藤渓太は斜めに前進してエリアに侵入して、さあ一枚剥がしてシュートを狙えという場面で、右足裏を使って背後へ転がす。

追い越すマルコス・ジュニオール、追いすがるDF。無理にシュートは打たないで優しいセンタリングを選択すると、ただ一人だけオナイウ阿道が待っていた…。

 

解説の中澤佑二は、松原からゴールまでが一連イメージが共有されていたかのようなデザインされたゴールと評した。これがマリノスの攻撃、Jリーグチャンピオンの火力だ。後半の立ち上がりという時間帯も良く、4-0となったシドニーは完璧に戦意を折られたようだった。オナイウ阿道もマリノス初ゴールにとどまらず2ゴール。テルも2ゴール。

 

前週にアウェイの全州で、逸機を繰り返した2人のアタッカーがホームでは待望のゴールを記録してくれたことも明るい材料である。

 

1点目は喜田拓也からオナイウ。縦パスを相手がコントロールミスしたところをその場で奪い返してのシュート。刺激が強そうな名前のウィルキンソンに当たって、ディフレクションがいいコースに飛んだ。

 

2点目はチアゴからテル。40mを超えるミラクルスルーパスが最終ラインのチアゴから出され、始めから目がけて走り込んでいたテルのもとに渡った。最後は憎らしいほどの落ち着いたループでフィニッシュ。

 

3点目はティーラトンからテル。エリア中央でポッカリ浮いていたテルのポジショニングと、その針の穴をも倒すティーラトンの正確無比なショートパスで勝負あり。喜田がちょっと撃ちたがって、テルと交錯しかけたが、すぐさまディフェンダーを外に釣る動きで、ゴールをお膳立てしたんやで。喜田さん、ちゃんとボンバーも解説してたで。

 

そして4点目は上述のようにケニー松原→渓太→マルコス→オナイウ。この場面で爆笑を誘ったのは靴磨きパフォーマンスだ。このようなラストパスで勝負有り!の場面では、得点者(オナイウ)がパスの出手(マルコス)に感謝を込めて、「あんたのパスが日本一!」と、ひざまずいてそのスパイクを磨くというゴールパフォーマンスがある。

この時、何を間違ったか、マルコスがオナイウのスパイクを磨き始めてしまう。「ちゃうわ!ちゃうわ!なんでワシが磨かなあかんねん笑笑」と、オナイウに靴磨きを要求するマルコスが激萌である。

 

話を戻そう。こんなどこからでもキーパスが出るなんてひどくないか。どこを塞げばいいのよ。

 

シドニーがとった対策と裏目に出たわけ

マンチェスターシティ所属経験のルークブラッタンは、Aリーグでも屈指の司令塔だ。彼がマルコスを封じる。マルコスからボールを奪って、前線へ。リーグ戦15試合15ゴールのゴールマシン、ルフォンドルがなんとかしてくれる。分かりやすく言えば、そんなところだったのではないか。

実際にマルコスに前を向かせないようにという意識は強く、センターでの寄せは早くて強い。

 

だが全然奪えないのである。マルコスはまるで舞空術の使い手かのようにフワフワと、上下左右に神出鬼没。しかも自分が持つことに拘らないからスペースを作っては、その自分が空けた場所にワンタッチで出す。

そこには、ケニー、ティーラトン、喜田、扇原貴宏と最大4人の受け手が前を向いた形で選択肢になる。もちろんその時には、前の3人はとっくに動き出している。面白いように裏が取れてチャンスが生まれるわけだ。

 

しかもAリーグで2位より3試合消化が少ないのに勝点10差をつけて首位独走とかいう、南半球のリバプール状態。ここにも落とし穴があり、国内で殴られた経験がない。ラインを下げてスペースを埋めるなんて発想がない。そこに上海戦が延期になって実戦間隔が開いたことも立ち上がりの不振につながったのではないだろうか。

 

マルコスは目立つ。だがそこだけ封じようとして全体のひずみが生まれた方がマリノスはやりやすいということだろう。

 

ひとりひとりを褒め称えざるを得ない

それにしても梶川裕嗣、なんてレベルが高いの…!

公式戦2試合目、ACLでクリーンシート達成。リーグ戦で朴一圭とのスタメン争いは贅沢極まりない。あのセットプレー時にニアに移動しながらも、ファーサイドを突かれたヘディングへの反応は一流アスリートのバネ!

 

伊藤槙人、代役とは言わせない対人とリスク管理。畠中槙之輔とも遜色のない部分も。去年は畠中が代表も含めてフル稼働だったので、今年は槙人を頼って休む選択肢もあり。畠中ととかく比べられる縦パス、ビルドアップの部分は槙人も意識しているに決まっている。だがこの日はチアゴが大当たりだったこともあって、やや慎重にプレーしていたのも良かった。今後、ハイプレッシャーな日々の練習やリーグ戦でさらに磨いていきたい。

 

新戦力ではないが、大津祐樹のアニキは気合入っていた。それにダブルタッチの一瞬のスピードでマークを置き去りにする姿はカッコよく、まさに柏時代のそれ。わかりやすい結果がほしかったところだが疑いなく実力はレギュラーと同等。いつでも、どこでも全力プレー。シーズン後半に、出番に恵まれなかった若手選手がインタビューでこう答えるのが目に浮かぶ。「あれだけ実績も実力もあるユウキくんがやってるのに、僕らが手を抜けるわけがない」

財産やで。アニキのユニフォーム、やっぱり欲しいやで。

 

3人目に登場した水沼宏太は、全北戦より時間は長く10分余り。FKも蹴ったし、シュートも放った。けど、我々が散々苦渋を舐めさせられたミズヌマはもっと力が抜けていて、もっと忍者のような仕事人だった。まだシーズンは始まったばかり。求められる役割と、仕事人が得意とすることの区分けを頭の中で整理することが必要なのか。

 

それでも4-0は妥当な結果と思えない

シュート数4倍。相手の2つの決定機は梶川のスーパーセーブという見せ場まで加わって完封。

だが、マリノスの記録した10を超える決定機はもっとイージーなものもあった。それなのに4得点かという思いもある。

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これ、AFCで簡単に見られるスタッツの中にあるヒートマップ。全選手を入れ込んだ、何処にいたかの情報。右側が真っ赤なのは、マリノス がそれだけシドニー側に攻め込んでいたことを表す。

 

扇原貴宏のより攻撃に関わる意識変化も含め、マルコスジュニオールの初弾も出てもおかしくなかった。コーナーキックから槙人のヘディングも惜しかったし、今後あれも好きになる。

 

4-0で満足してはいけない。もっともっとの精神で、あれだけリスタートも早くし続けた。相手は「マジかよ…」だったと思う。それでもオナイウの4点目が50分で、そこからは取れなかったのも事実。フィニッシュの精度を磨く。簡単ではないが、それだろう。

 

さあリーグ戦へ

2試合で勝点6、今後の展開を考えると理想的なスタートとなった。中国チームの動向、新型肺炎の動向次第だが、1ヶ月半は間隔が開くことになる。

瓦斯も神戸も1-0で見事に勝ってJの3チームとも無敗となった。幸先よし。なお、シカ…。

 

今宵、湘南対浦和で20年シーズンのJリーグが始まる。誰もが一目を置くチャンピオンの船出は、ACLの日程を考慮してもらっての日曜だ。

ACLで順調でもリーグ戦で足元をすくわれては誰も評価してくれない。

 

初戦、ガンバ。パギやエジガルも手ぐすねを引いて待っている。

 

頼むぞ、チャンピオン。行こうぜ、チャンピオン。