今年もマリノスにシャーレを 2020

シャーレを掲げることは難しく、守ることはさらに難しい。連覇に挑む2020年、アウトサイダーではなく本命として、今年もシャーレを掲げよう。座右の銘はシャーレです。

ただただ、今年も目が離せない、それでいいじゃないか【XEROX 神戸戦●3-3(2-3)】

飯倉大樹が立ちはだかる。足元の正確さや飛び出しの判断は朴一圭かもしれないが、シュートストップは上手いよな。J随一かもしれない。前日に榎本哲也が現役引退を表明したばかり。「トリコロールの守護神」という系譜を受け継がれ、飯倉からパギへ。感慨深い試合となった。

最後のPKを9選手が連続して外したことが大きな批判を浴びているようだが、GK 2人の好セーブがあったのも確か。かのイビチャオシムは、蹴るメンバーを決めると、心臓に悪いからという理由でもうPKを見なかった。選手スタッフみんなで肩を組むのも悪くない。PK戦で勝者と敗者が別れる以上、PKは重要じゃない、サッカーじゃないなどと言っても仕方がない。

PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持つものだけと言ったのは、世界最高峰のW杯決勝のPK戦ではるか上空にキックを飛ばした当代随一のストライカー、ロベルト・バッジョ。そう、下手だ、お粗末だと、外野がとやかく言うもんじゃあないのだ。

「PK戦に勝てなくても、リーグタイトルは取れる!」などというと、ちょっと傲慢でひねくれて聞こえるだろうが、その通り。ACLでも、天皇杯でも、ルヴァンでも、普通は90分でタイスコアならば延長戦がある。その中で1点でも多く勝ればいい。でも次にPK戦が来たら、マリノスの選手はきっとやってくれるだろう。

去年まで共にプレーしていた正守護神とのPK戦など、蹴りにくさで言えばトップクラス。再び飯倉とやるよりもやりづらいPK戦などないはずだ。だから次は、きっと大丈夫。


それにしても、マリノスは健在なり。大切なのはそこだ。
イニエスタの即興性のあるアシストは誰の目にも分かりやすく、古橋享悟は割とマジでやばい。攻守に本気な神戸は強い。個として傑出している。でもこの二人のどちらかが居なかった時に攻撃は成立するのだろうか。特にイニエスタのフル稼働は難しいだろう、次いつ関東に来てくれるかも不明である。

後半の神戸はわかりやすく落ちた。運動量が落ちると、マリノスの制圧が始まる。

それにしても扇原貴宏が上手く当てた2点目はとても美しく、さらに遠藤渓太の変態トラップとアウトサイドによるクロスからのエリキの同点ゴールがマリノスの真骨頂だ。

エジガルジュニオが復活した。直接得点に絡まなくても、すべてのレベルが高い。頼もしい。同じく途中交代で入った和田拓也もとても良い。昨年の最終節、優勝決定の試合で一皮むけたのか、もとからこんなにも質の高いゲームメーカーだったのか。良い意味での驚きがあった。


ACL前夜、登録メンバーが明かされると外国籍選手の枠の関係から、朴一圭とエジガルジュニオが登録外であることが判明した。長期離脱の上、キャンプ序盤でも負傷離脱してしまったエジガルはやむを得ないが、パギは意外だった。朝鮮籍のパギとタイ国籍のティーラトンのうち一人を選ばざるを得ない選択だった。数日前にティーラトンが、ACL の意気込みを語っていたので薄々予測はしていたが、それにしてもフォザチームの精神を強調する両選手のコメントは素晴らしい。去年の大津祐樹ら、試合に出場できなかった選手たちの振る舞いこそ、今のマリノスの最大の宝である。

それにしても、ACLで梶川裕嗣を使うならばなぜゼロックスでも起用しなかったのか。今季からマリノスに加わった選手なので余計に実戦の機会が大事だった気はする。初の公式戦が大事なACL初戦、これはとてつもなく期待が大きい証だ。

それにしても今回もゼロックスカップには縁がないまま。5回目の準優勝、ということは5度目の敗戦ということだが、鹿島と浦和の4度を抜いて、単独トップとなった。2回以上出場して、優勝ゼロというのもマリノスだけの珍記録である。

ただゼロックスの成績は、シーズンの戦績に関係がない。Jの幕開けを告げるゼロックスで、マリノスの選手が今年も健在ということを示したことが誇らしい。

最後にマスコット総選挙でマリノスケが初優勝。白熱した選挙戦については曲がり角に来ている印象だが、一部のサポーターを中心としたSNS上での盛り上がりはすごかった。

シーズンが始まった。期待が大きいだけに、ポステコグルー体制3年目が本当に楽しみだ。