今年もマリノスにシャーレを 2020

シャーレを掲げることは難しく、守ることはさらに難しい。連覇に挑む2020年、アウトサイダーではなく本命として、今年もシャーレを掲げよう。座右の銘はシャーレです。

スタジアムをめぐる損得「感情」

満員の大観衆、万雷の拍手。「すべてはマリノスのために」と想いを一つに、キャプテンが横浜の空にシャーレを掲げる姿は美しかった。表紙の写真は一部の選手たちが喜ぶ形にトリミングされているが、この周りには6万を優に超えるファン、サポーターの姿があった。

 

あの光景はいくつもの奇跡の上で

これが「ニッパツ三ツ沢」だったならば、という想像をしたことはあるだろうか。我が国最大の日産スタジアムだからあの優勝の絵は成立したのだ。日産スはラグビーW杯の試合会場として8/17の23節、C大阪戦を最後に3ヶ月半に渡って日産スで試合が出来なかった。
日程の妙で、もしもホーム最終戦までもニッパツ開催だったならば。

キャパシティそのものから、観客の上限は1万5千人にも満たない。すなわちあの日あの瞬間に日産スタジアムで見守った観客63,854名のうち4分の3にあたる5万名はあの場に入れなかったことになる。


スポーツチームにとって試合会場は命である。だから相応しいサイズや設備を整えるようにリーグも各クラブに交付するライセンスの1つの条件として要求しているわけである。

ラグビーW杯の翌年である今年は、東京五輪のサッカー競技などで、日産スの他、味スタ、カシマ、埼玉、札幌ドームが使用の制限を受ける。

 

負担は大きい。公正だろうか

真夏の3ヶ月のやりくりだ。マリノスは今年もニッパツ三ツ沢を頼る。浦和は1試合を2万人収容の駒場スタジアムに、札幌は厚別の開催を増やして対応。

FC東京(瓦斯)は昨年に続いて8試合連続のアウェイ連戦を余儀なくされる。鹿島も5試合連続のアウェイだ。しかも真夏の暑い盛りで選手への負担は大きい。これはコンペティションとして公正といえるだろうか、疑問が残る。

昨年も瓦斯は秋に8試合連続アウェイを経験した。これがなかったらマリノスの逆転優勝はなかった、とまでは言わない。因果関係を証明することは難しい。でも公正だろうか。

 

 

「貸す貸さないの問題ではない」ことは承知している。日産スタジアムは、マリノスの持ち物ではない。他のクラブも同様だ。柏や磐田を除けば、スタジアムを意のままにできるクラブは日本にはない。まあもし日産スタジアムがクラブの所有物だったとしても、いろんな圧がかかって貸し出さざるを得ない状況になっていたとは思うが。

加えて大会日程から考えても使えない期間が長すぎるというのも考えものだ。オリンピックは7/24〜8/9で、パラは8/25〜9/6で開催されるが、埼玉スタジアムの使用不可期間は6/1からだという記事も出た。(実際には6月27日の浦和対瓦斯は埼スタ開催が発表されている。誤報だったのか?)にしても、約3ヶ月は長い。

 

誰がための五輪ですか

だが、一体誰のための五輪なのだろうかという愚痴の一つは言いたくなる。犠牲や負担を強いられている気がする。各クラブにとっては売上を抑えられるからだ。瓦斯に対して、去年のようにNACK5や秩父宮でしのげばいいではないか、というのは暴論だと思う。

別角度の話だが、交通の規制や、明治神宮野球場や東京ビッグサイトなど巨大施設の制限など、GHQによる差し押さえに近いと思ってしまうのは私だけだろうか。息子のサッカーの練習場もまもなく使えなくなると聞く。協力してくれ、というが、我慢しろと聞こえてしまうのは、私が狭量なだけだろうか。

 

雰囲気のニッパツ。現地で見たいという心情的には日産

話をマリノスに戻す。ニッパツがあるのは本当にありがたいことだ。しかも、昨夏から秋にかけてチームが一気に勢いに乗ったのは、ニッパツが作り出す圧倒的なホーム感の試合が続いたことと無関係ではあるまい。今年は例年より多い5試合のリーグ戦開催が決まっている。

だが我らのニッパツは、AFCが定めた規定により、ACLの試合開催ができない。グループリーグの3試合は日産スタジアムでの開催で日程的に問題がないのだが、懸念はマリノスが準々決勝まで勝ち進んだ場合だ。8月25・26日、9月15・16日のいずれかで開催が見込まれる。前者日程なら日産は使えない公算が高い。どんな結果であってもホーム戦を後にしてもらうなどの解決策はあるが、ニッパツでの開催ができない以上、どこかを借りるなどという展開もあり得る。やはり負担は大きい。

 

ニッパツの良いところはたくさんあるのだが、やはり定員がネックとなる。満員御礼は結構だが、新規ファンの獲得が極めて困難になる。ポテンシャルとしては日産スタジアムを満員にする力があることを再認識した。それが優勝争いまたは優勝決定戦という付加価値の大きさである。開幕戦は2.2万人の観客だったものが最終節は6.4万人だった。今のマリノスの振れ幅は大きいが、好成績をあげている限りニッパツの1.4万人上限がいかに機会損失になっているか。

 

「どんな時でも俺たちが傍にいる」「世界の果てまで俺たちはともに」と勇ましく歌うものの、物理的にホームスタジアムの席が足りない状況は滑稽なようであり、割と切実だ。ご新規の友達を誘うこともままならないのだから。

 

感情以上に許せない…

五輪の事情だけでなく、彼らのポリシーというか、それ以外の理由も複合されている気がしてならないが、横浜FCは日産ではなくニッパツでマリノス戦を断行するという。注目が高まり、プラチナチケット化するだろうが、見たいのに見られない人が続発する。チケット入手を巡るトラブルも予想されるし、現場の警備を思うとやれやれという感想しか出てこない。自クラブのサポーターにとってもいい選択ではないということが分からないはずがない。何か、別の何かが優先されなければこうはならない。とても悲しい。8月、夏休み最後の週末、子供たちはスタジアムでマリノスを見ることはほぼできないだろう。

とは言うものの、マリノスとのアウェイゲームをニッパツで開催される相手チームも同じような感情を持っているのだろう。ブーメランか。

 

作る?作る?作る?

こうなるといつも出てくるのが、4万人の専スタの新築待望論である。引き合いに出されるのは、京都のサンガスタジアム(収容21,600人)の建設費170億円、吹田市立スタジアム(収容39,694人)は140億円だそうである。IR、カジノがあんなことになってしまった今、クラウドファンディングで300億円ほど集められたら用地も含めてイケるだろうか。役所に任せていても何も起こらないだろうから、もう有志でやっちゃいますかぁ。マスコット選挙のノリで、スタジアム募金。

 

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幸いなことに、というべきか、日産で売切を心配することなんてなかった。ニッパツですら、一昨年までなら「瞬殺」なんてことはなかった。

 

ユニフォームの売り切れスピードからしても、しばらくは優勝の影響で動員も伸びるのではないか。それ即ちチケット争奪戦の激化へと繋がり、ライト層は疲弊してしまうかも。リセールなどの便利な新しい入手方法を知らない人の方が多いだろう。

 

とするならば、今すぐできることは、少なくとも日産スタジアムへといざなうこと。恒常的に日産での観客数を増やしていくことはいろんな意味のwinを呼ぶのではないか。

 

スタジアムは一朝一夕には整わない。次から次へと新設することは現実的ではない。短期的な損得はあるけれども、今ある制度の中で、一人でも多くの希望者にチケットが行き渡るようにしていくことと、募金することくらいしか思い付かないが、運良くプラチナチケットを取れたら全力応援しようと心に誓うのであった。