マリノスにシャーレを 2024

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

松原健に、三ツ沢のご加護を!

諦めずに、腐らずに努力し続けることは難しい。人は競争の中で生きているし、評価の中で生きている。孤独に黙々と、継続することは、己との戦いであり、それに気づかないうちに敗れる人のなんと多いことか。それをある人は「モチベーション」と呼ぶ。

こんな毒にも薬にもならないブログですら、運営側のモチベーションは存在する。褒められれば、もっと書きたくなる。モチベーションを下げるのは実は批判されることではない。誰の目にも止まらずに無視されることだ。話題にもならない記事は存在意義がないし、意義のない、人々から認められないものを続けるのは困難を伴う。誰かに褒められたくて始めたわけでは無いはずなのに、だ。自分のささやかな満足のためにだけやれるなら良いのかもしれない。でも素人の記事でさえ、読まれて、評価されてナンボだし、プロサッカー選手なら試合でプレーしてナンボだ。

「The Day」で、怪我、リハビリを経て、復帰を飾る扇原貴宏の試合後の清々しい姿を、「今日の試合は素晴らしかったよ」とシャツ姿で労う松原健。

THE DAY presented by WIND AND SEA【vol.12】
シャツとはつまりベンチ外だ。怪我も重なった。今年はずっとそうだった。

無視される記事のような扱いを今年のマツケンは味わってきたのでは無いだろうか。吹田での開幕戦、右SBのスタメンを掴んだのは新加入の広瀬陸斗だった。J2徳島からの移籍で言わば個人昇格の選手が、開幕スタメンを奪取したことは少なからず驚きを持って迎えられた。その感覚は覚えている人も多いだろう。ほぼほぼ、松原健のものだと思われていたからだ。でも途中から、マツケンが居ないことに違和感は無くなっていった。和田もティーラトンも加わり、ベンチにも入れなくなってしまう。彼の不在に世間が慣れてしまうまで、さほど長い時間はかからない。プロの世界のあまりにめまぐるしい入れ替わり。

3年前の冬、それまで6年に渡って右SBに君臨し続けた小林祐三(当時31歳。現・鳥栖)との契約を更新しなかったマリノスの世代交代の象徴として、24歳の松原は新潟から横浜へ。左・山中亮輔、GK杉本大地、FW富樫敬真、CB新井一耀らが同年代で、一気に若返るマリノスだった。その中で、松原と山中だけが定位置をつかんだが、その山中もすでにいない。2年でリーグ戦55試合出場したのに、3年目の今年はわずかに5。怪我も邪魔をした。

それなのに全く諦めなかった。移籍を考えなかったはずもないのだろう。
だが、広瀬が怪我で、和田は広島戦に出られない。そこで巡ってきた!今季最大にして最後のチャンスだ!

同年入団の杉本大地にも、いろんなアクシデントが重なってチャンスはやってきた。この3試合懸命に戦ってくれた。マツケンにだってチャンスが来ないはずがないじゃないか。

事実は、そんな甘っちょろく、生易しい話ではない。こんな機会は訪れない可能性の方が遥かに高かった。移籍を考えたけど良い話がなかったと述懐した杉本、ではマツケンはどうだったのだろうか。

どうあれ、準備し続けたから、この日は来た。朴一圭が離脱中のGKと異なり、マツケンのチャンスは恐らくこの試合のみ。上手くいったとしても、来週にはベンチ外になっている可能性だってある。

だからどうした?
ダメでもともと。良かった時のマツケンと言えば、右サイドで、ともに苦労してきた仲川輝人との縦関係だった。仲川がゴールを量産できるようになった影には、彼の動きを知り尽くしたマツケンの意外性あるパスは欠かせなかった。

だがそれも今は昔だ。マルコス・ジュニオールの君臨と、エジガル・ジュニオの離脱が起きた今、相棒はテルはCFに。それにマツケンのような理解者がいなくても、マルコスもすっかりテルの良さを活かせるようになっている。マツテルの蜜月時代は発展的解消を迎えていた…。

では守備でチームに安定をもたらしたい。隣にいるチアゴ・マルチンスのスピードは頼りになるが、なんと言ってもトイメンが柏好文といういきなりのボス戦。そして蜜月は終わって、テルの代わりに前方にはエリキという名のザ・フリーダム。守備をしたくないんじゃない、ただ気まぐれで時々デタラメなだけだ。

元は豊富なスタミナが持ち味だったが、ゲーム体力的にもマツケンが、エリキとともに柏を90分抑え込むのは至難と言って良い。

だから?諦めるのか?
マツケンの2019年で最大の試合だ。フリーダムな振る舞いはできない。陸斗やエリキの代わりはできない。そうさ、頭で考えて整理して、傷を少なく。マツケンの良さがアンジェサッカーで生きづらいなんて誰が決めたのか。

ここまで準備してきたマツケンに最大級レベルの難敵。足が動かなくなっても、頭が疲れても。最大の声援を送り続けよう。舞台は幸いにして三ツ沢、どこよりも近く、熱く、サポーターの声は届くだろう。三ツ沢のご加護はきっとある。
試合後に勝利を分かち合うために。頼むマツケン、がんばれマツケン。