マリノスにシャーレを2019

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

芝生のようにボロボロだったけれど【J1第23節・C大阪戦●1-2】

改めてエジガル・ジュニオの負傷離脱、扇原貴宏の出場停止、加えて正守護神・朴一圭の怪我までもが重なる。指揮官が恨み節を唱えるほどのホームグラウンドの芝生。多くの観客もスタジアムに入って絶句したことだろう。日産スタジアムのコンコースからゲートをくぐると、そこに照明に照らされた美しい緑の絨毯が広がる。サッカースタジアムってそんな場所だ。あの静かにキックオフの瞬間を待つフィールドを見ているだけで胸が高鳴るものだ。にもかかわらずシティ戦、清水戦を経て、加速度的にグランド状態は悪くなっていた。耕作前の畑のように茶色が見えるみすぼらしい表面では、自慢のパスサッカーにプラスがあるわけがない。

そして相性の悪いセレッソ大阪。しっかりと中を閉じる。

J1初出場のGK杉本大地に加えて、MF渡辺皓太、MFマテウス、FWエリキ。渡辺には天皇杯という実戦の機会があったが、両外国人選手は初めての対外試合だ。「誰もがコンセプトを深く理解し、再現性の高いアタッキングフットボール」とは言うものの、実際にはだいぶ「演者への依存度」が高い。連携もへったくれも、熟成期間もないほぼぶっつけ本番。

エリキが1アシストを記録したように、マテウスは存分に個の力を見せつけてくれたように、「思ったよりやれた」のは確かである。

不満を言うならば、後半の「押し込みながらも、ブロックの外側で横パスばかりを繰り返し、一向に局面が進まない消極的に見えるボール回し」だろう。エリキとマルコス・ジュニオールが縦でなく横に並んだことが原因なのか、真ん中は渋滞がちでノースペース、ノータイムに。だからますます渡辺や喜田拓也プロも窮屈そうにボールを外側へ出す=これが、ボール支配率の割に攻めあぐねている時間が長くなっていく。

こういう良くやったとも言える、でも物足りない敗戦の後は、大別して2つに分かれる。言うまでもなく、1つは拍手や激励の言葉を送る観客であり、他方は不満と叱咤が入り混じったブーイングに。今年初めてではないだろうか、後者の数がはっきりと認識できるほど多くなったのは。

ブーイングを送った人の行動のきっかけに、退屈で消極的に見えるブロック外のパス回しがあったことは想像に難くない。
「マリノス中とじ封じ」は定着して来た感がある。悔しいけれど、マリノスのサイドが優位であることは認めた上で、だからこそサイドを捨ててきているのだ。サイドを蹂躙されたとしてもそれはゴールマウスから遠く離れた場所のことだ。真ん中でさえやらせなければ怖くないというのは真実であり、マリノスはその真ん中をこじ開けられていない。
高さはない、でもグラウンダーは日産じゃなくて悲惨なデコボコピッチが精度を狂わせる。ああ、実に相手の守り方は現実的なのだ。

そんな苦しみの果てに、マルコスの裏抜けが決まり、エリキにアシストがついて同点ゴール!さあ逆転までというシチュエーション。どうにかこうにか、セレッソの先制点の何倍もの手間隙をかけてようやく得点したのに、セレッソの勝ち越しゴールがそれに輪をかけて呆気ないものだから、余計に嫌気がさしたのは事実。

こうして真夏の試練、連敗は3に伸び、リーグタイトルが霞んでいく。せめてもの救いは首位のFC東京も敗れ、首位との勝ち点差9が保たれたこと。ただ精神的にはかなり追い詰められた。

私はよく敗戦後に「伸びしろ」という言葉を使ってきた。チームが熟成してくると、チーム力が上がりそれとともに「伸びしろ」は小さくなるものだ。だが今年のマリノスは、次々に伸びしろが付け足されていく。
飯倉、天野、三好、高野と開幕戦のスタメンのうち、4名が今戦線にいない。新加入選手がチームに対応しなければならないのと同様に、チーム(周りの選手)もまた新入りにフィットしていかなければならない。その点ではまだまだこれからだ。


エリキは、即興性という点ではよくやったのではないか。ワンタッチのシュートが3本、いずれかが決まってたらヒーローとして崇められただろうけれど。マルコスとの相性の良さは示した。

マテウスは守備でも貢献してくれとハードワークを求められていたようだが、そこは…? ただし左サイドの制圧と、左足で良質なクロスを入れるという第一ミッションは応えてみせた。大宮でゴリゴリやってた時の姿を思い出した。名古屋?では知らない。

渡辺皓太は上手なんです。テルが二人いるかのようなスピード感と、三好がいるかのようなボール運びの巧みさ。本人が言うように今後は、スペースがなくても見つけて、作って、中でどのくらい仕事ができるかだろう。そこが上手くいくと中とじ封じを無効化できるかもしれない。喜田さんが累積で出場停止になった際はアンカーに入れてもいけるかもという点でとても大きな補強だった。

杉本はデビュー戦がほろ苦いものとなったが、去年のルヴァン杯の頃を思えば、大きな破綻もなく上々ではないだろうか。次戦からは落ち着きを持ってもらうしかない。

ティーラトンが左で連携不足に苦しそうだったのに対して、広瀬陸斗は自由自在。惜しいミドルを放つだけでなく、CBの助けにもよく動いていた印象。


移籍期間はこれで終了し、もう残りの三ヶ月余りを戦うメンバーは選び抜かれた。怪我で離脱中の選手たちも少しでも早期の復帰を目指している。

あと11試合。高めながら、勝っていくしかない。
この3連敗を乗り越えた先に、再び頂きが見えてくると信じて。