マリノスにシャーレを2019

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

一夜の夢と、20年の思い。感謝がそこに【EUROJAPANCUP】マンC戦1-3●

まずはじめに、素晴らしくスペクタクルなエンタテインメントを見せてくれた両チームに感謝を。とりわけ来週末にはリバプール戦、再来週にはリーグ開幕戦を控える中で来日してくれ、さらに考えうるベストメンバーで戦ってくれたマンチェスターシティFCには感謝しかありません。呼んできたプロモーターにもありがとうと言いたいですよね。

 

考えてもみてください。日本で言えば2月上旬っすよ。リバポ戦がゼロックススーパー杯みたいな位置付けなので、その前週に海外で、しかも酷暑の国で興行できますか? ACLのプレーオフがあんなに過酷なのに。しかも中国でもヘロヘロになって、もう疲労的にはピークですよね。まあ、この試合へのモチベーションが高かったとは言いませんが、それでもベスメンでちょっとだけ本気を見せてくれました。

 

マリノスの同点ゴールが、そのちょっとを引き出したのかもしれませんが、親善試合の中ではかなり上質なものだったのは間違いないでしょう。6万5千人、アウェイ側の南ゲート2階もびっしり埋まった日産スタジアムの現場に身を置くのは、リーグ優勝に王手をかけていたあの2013年の新潟戦以来でした。その観衆が、スタメン発表で、しかも相手側の選手のコールに大きく湧き上がった光景はおそらくずっと忘れられないと思います。スターリングで最初にどよめいたスタンドは、デ・ブライネ、Dシルバ、Bシルバ、サネと、これでもか、これでもかと世界的なスター選手を並べてくるごとに卒倒しそうな雰囲気でした。サブの中には、シチズン(シティサポ)でなければ馴染みのないメンバーもいますが、フィルフォーデン!とか、騒ついていましたね。

そしてジョゼップ・グァルディオラの紹介で、どよめきはピークへ。異例なアウェイチームのシティの紹介を後から行ったのは正解でした。

 

試合の詳細は省きます。久々の記事投稿なので、モタモタ書いててお蔵入りするパターンが一番危ない。

開始20秒の朴一圭のパスミス、熱かったですね。今のマリノスサポーターはあれくらいじゃ慌てやしませんが、スタンドやテレビで見てた一見の方は、うわっこのキーパーヘタ!と思ったのでは。

 

そこからのパギさんのプレーは圧巻でしたけどね。私は前半半ばから、飯倉大樹の完全移籍取り消し待った無しを唱え始めていました。このままマンチェスター行きの飛行機に乗せられてしまいそうな人。パギさん、喜田拓也、遠藤渓太、あとはチアゴ・マルチンスだったかな。

パギさんはとにかく速かった。タイミングのいい飛び出しで、後ろの方3分の1を一人でカバーしていたような感じ。ブラボも途中から負けじと飛び出したのはなんか微笑ましかったです。

それにパギさんというかマリノスに追い風になりそうなのが、この日試行された新ルールです。

 

従来、ゴールキックや間接フリーキックのリスタート時はペナルティエリアからボールが出なくては、プレー再開となりませんでしたが、このルールが撤廃。そのために畠中槙之輔とチアゴと朴を加えた3選手がペナルティエリア内で頻繁にボール回しを行うというドキドキの場面が増えたわけです。もちろん失点に直結しかねないリスクはありますが、ビルドアップの選択肢が広がるのは明らかです。素早いリスタートも可能になりますし、「蹴れる」選手が多い方には有利かと思います。J1でも8月、すなわち次節から適用となるのは注目です。

 

ケヴィン・デ・ブライネがニアを撃ち抜き、大歓声の割に、当のシティの選手たちはフフンという雰囲気に。さあ何点取ってやろうかなというのでもなく、怪我なく遠征を終えたいほんの少しの緩みが出たかもしれません。

 

brave & challengingを勇猛果敢と訳した人は天才だと思うわけですが、マリノスの選手たちは殴り返しにかかります。それも仲川輝人のシュートをブラボが止め、マルコス・ジュニオールが詰めたところにも再びGKの手が伸び、遠藤渓太が畳み掛けて奪い取った1点。一人少ない神戸戦でも2点目にこだわったように、殴られて立ち止まるような子はいません。倍の力で殴れ。力が足りなきゃ、2回殴れ、いや3回。この時点で横浜FM 1-1 マンC、全国いや世界の皆さん、シティに追い付きましたよ。真っ向勝負ですよ。

 

しかし、サネとティーラトンのヨーイドン!で、シティが勝ち越すわけですが横にいたDFがチアゴだったらどうなっていたでしょうね。チアゴのスピードはもちろん対人も、十分に通用していました。ラポルト、ストーンズと遜色ないと発言したのは解説の戸田和幸氏ですが、そう思います。チアゴの買い取り問題はシティ本体を巻き込む争奪戦に発展する可能性が出てきた!?

 

渓太のゴール以上に美しく、そして惜しかった2回のチャンスに共通しているのは、三好康児がシュートを豪快に外してしまったこと。崩すところまではできてましたし、とくにロドリが届かない両脇を突く喜田プロ、マルコスの狙いはシティをそれなりに困らせていました。崩す、揺さぶる、なおも崩す。…打つ! しかし、枠を捉えられない。ボスが振り返ったようにここの差が勝敗を分けました。

 

75分過ぎの交代で、マリノスのメンバーは先発から9名が変わったことになります。

前線は、中川風希、大津祐樹、泉澤仁。

中盤は、三好、喜田はそのままで、扇原貴宏のところへ山田康太。

ディフェンスは右から松原健、ドゥシャン、伊藤槙人、和田拓也。

そしてGKはラストマッチ、飯倉大樹。公式戦では無理だったであろうGKの交代で、最後にゴールマウスを守る飯倉の姿を我々はその目に焼き付けることができたわけです。

決定機を防ぐ飯倉。シュートストップも、判断も、ハイボールの処理も、素早いリスタートも。レギュラーとして出ていた頃から錆びついてなんかいません。

追いつけそうなチャンスもあったが決めきれずにいたらアディショナルタイムに失点。シティ期待のルーカス・ヌメチャ。いやあ、すごい隠し玉まだ居ましたわー。

 

これぞマリノスに欠けている、結果を出すために絶対に大事な「リアリティ」。53%のポゼッション、シティを2本上回る12本のシュート。スタッツからこの試合の魅力が伝わってくるようです。が、結果は1-3。

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裏で川崎が勝ち点を落としてくれてたら全然気持ちが違ったけれど、よりにもよって等々力のスコアも3−1というのは、ちっ。

 

プレミアリーグの王者と、J1リーグ2位(暫定)の埋めがたい差ではあるものの、でも見方を変えれば、フィニッシュの点以外ではピッチに、映像を通じて世界に、ひと添えのプライドと、マリノスらしさを示すことが出来たと思うのです。

ちょっと頭がおかしいのではと思わせるようなマリノスらしさは、単純に「面白い」。私たちマリノスサポーターが、昨年の2月にアンジェ初陣とともに受けた衝撃をはるかに完成度が高く、より狂気を増して、世界最高峰クラブを相手にやったわけですから。これは「痛快」です。

 

シティとの関係が始まって5年。マリノスが、言わば旧態依然から脱皮するのにかかった年数と言い換えてもいいかもしれません。その一つの果実が、この一夜の夢のような試合だったのではないかと思います。試合と前後して、CFGへの日産自動車のスポンサーシップが延長されることが発表されました。当初「5年契約」とされたCFGとマリノスの関係も続いていくことが確実です。ただ5年目の今年、「第1章」はまだ終わっていません。リーグタイトルを獲ってこそ、です。

 

どうしても今年「獲りたい理由」が、20年をマリノスとともに過ごした我らの絶対的守護神の移籍というトピックによりまた一つ増えました。でも、この試合のおかげで私たちは飯倉を盛大に見送ることが出来たのですよね。泣きすぎでしょう。ここまで泣いて、泣かされてマリノスから旅立った選手って、松田直樹だったり、最近では小林祐三やウーゴ・ヴィエイラを思い出すわけです。別に泣く選手が素敵だと言いたいのではありません。でも時間が経っても、思い出したくもない、怒りしか湧かない移籍はよくないですよね。

 

「ブーイングを受けるようなこと何一つここでしていないから!」と言った飯倉の言葉は、重たいです。飯倉がクラブやサポーターに感謝しながら旅に出たように、私たちも彼への感謝を胸に秘めて、優勝に向かって突き進みたい。飯倉にも、シティの皆さんにも、いい報告をしましょうよ。