銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

もろくて、それでいて揺さぶる【YBCプレーオフ第1戦・神戸戦】

アウェイゴールが価値のあるものという前提に立てば、2失点は痛い。

4-2で先勝というものの、これで舞台を神戸に移しての第2戦は、神戸は2-0でも勝ち上がれることになったのだ。アウェイゴール、それも2点というのは一定の価値がある。もう少し点差をつけて勝ちたかったというのが本音だ。これで残りの90分も緊張感と強度を持って戦うことになる。

でも、アンジェ ポステコグルーは試合前からこう言っていたのだ。点をやらないに越したことはないが、アウェイゴールを許したならその分神戸でゴールすればいい。1〜2点でガタガタ言うな。普通のリスクマネジメントとは次元が違うのだ。それが正しいかどうかは今週末まで待たねばならない。ただとにかくセットプレーの守備はもろい。

 

だがそんなことよりも。

仲川輝人のあのトラップを見たか。後方の松原健から送られて来る浮き玉のパス。DFの裏は既に取った。

 

ピタッ。右足の先、一発でコントロール下に収めたボールとともにペナルティエリアへ。直前の同点ゴールを決めたように、シュートコースを探すが、GKに加えて、DFが二人いて角度もない。

それならばと後ろを見返すと、仲川が引きつけた分、フリーの天野純が走って来る。さあ、純くん、後はどうぞ。天野は右足をかぶせて、丁寧に転がす。この日、何度かのシュートを枠外に外していたから、浮かさないように慎重に合わせたことは想像に難くない。

 

完璧に崩したと言っていい。あんなところからマイナスのパスを出される時点で、もう神戸には成すすべは残っていない。トラップの巧拙で結果が変わる、見本のようなプレーを見せても、落ち着いて決めた天野と、パスを供給してくれた松原健を讃える気遣いが仲川の充実を物語る。

 

だが、ここは指摘しておきたい。神戸守備陣の1対1対応におけるマズさに助けられた部分も大きいことを。特に、ティーラトンの軽く足を出す守備は、仲川のようなキレで勝負する選手には大好物と言っていい。名誉のために言えば、パスとフリーキックで勝負してきた選手だ。ちょっとひどいと思えるディフェンダーがこんなに出て来るか。今週末も同じシステム、選手配置で来たら、チャンスとも言えるのだが。

 

ウーゴ ヴィエイラにと久々のゴールが生まれた。華麗にかわして、華麗に外してきたこの1ヶ月のウーゴだ。この日も華麗にポストに当てて、北本の力を借りた。だがこれで呪縛が解けるかもしれない。

 

もっと点が取れたと、ボスは真顔で言う。

4点でお腹いっぱいだとは我々も思っていない。まだ90分が終わっただけだからだ。ただノックアウトステージ進出に王手をかけただけ。

 

だが敵の守備を揺さぶり、サポーターの心を揺さぶるマリノスのサッカーはまた一歩前進した気がする。今、仲川という研ぎ澄まされた矢が中心にいることは間違いがない。