銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

喜田拓也、復活弾。これが目指している得点【J1第13節・名古屋戦】

大津祐樹が最前線で身体を張って、残したボール。いつもそこにいる山中亮輔が緩めのボールを櫛引とホーシャの間に送る。二人の距離感が微妙に甘かった。そこに喜田拓也が入り込む。すり抜けるように、身体を投げ出して飛び込む。上背は関係ない。この先の決定機で度々能力の高さを見せつけた豪州の守護神・ランゲラックに何もさせない先制点。

1トップがはたいて、サイドバックがクロスを上げて、アンカーがフィニッシュ。マリノスがやりたいようにゲームをコントロールできたことを示す先制点だった。単に喜田が決めたこと以上にこの形は称えられるべきだ。

流麗なパス回しは些細なトラップの巧拙や、ショートパスの長短で損なわれる。マリノスのパス回しがうまく行っているときのリズムを見てほしい。言うならば、3拍子のワルツである。だから小気味いいのである。ちょっとしたミスが出始めると、メヌエットになる。もうちょっとゆったりしたリズムなので、相手も合わせやすく、壊されやすい。ワルツであり続けるための消耗は確かに激しい。消耗するとミスが増える。この夜のプレーの精度という点では、天野純にも、大津にも、遠藤渓太にも、仲川輝人にも物足りなさがあった。崩す割には、フィニッシュまで辿り着かない。それは自分たちのミスによって放棄してしまっていた部分もある。

後半にマリノスの疲れが出た。そのことによって、名古屋の選手たちが行けるぞと考え、向こうの攻勢が強まることとなった。けれどもオフサイドでゴールが取り消されたあたりまでは怖くなかった。マリノスが最後に跳ね返す力を持っていたし、交代によって流れを変えられると思ったからだ。だが、アンジェ ポステコグルー監督は動かなかった。何名かに疲労困憊の色が見えているのに一人も変えなかった。

結果論である。結局、交代の決断を下したのと、実際にウーゴ ヴィエイラとオリヴィエ ブマルがピッチに登場するのとの間に、同点ゴールを決められてしまった。192センチのジョーに競り負けた松原健を責めることは簡単だが、何度も見ただろう。両サイドバックが相手エースを捕まえ切れずに、ゴールネットを揺らされてしまうシーンを。

2点目を取れていれば、こうなっていなかった可能性は高い。
最後の最後、大津はトラップがデカくなってシュートコースを失い、ブマルの左上を狙ったシュートはランゲラックに読まれ、ウーゴがシュートを狙ったフェイントからかましたループも見透かされていた。どれか決められたはずなのは間違い無いのだが、やはりもっと早い時間に2−0に出来ていたはずなのだ。そちらのほうが問題だ。鹿島戦の時はフリーキックだったとは言え、短い時間のうちに2点目が取れた。それが大きい。
まあ、それもテンプレのように毎節、同じことを言っているだけなのが少し虚しい。


さて5連戦が終わった。再びルヴァン杯が週中に挟まるため、これでまた先発メンバーの入れ替えが起こる。控え組にとっては残り少ない実戦の機会となる。ルヴァンの仙台遠征を経れば、あとはホーム3連戦であっという間に中断期間だ。

苦しくて、そして苦しい連戦の終わりが見えてきた。大きな修正はないかもしれないが、中断期間にはこの戦いにフィットする選手と、そうでない選手の奮い分けも進むだろう。

荒行のような結果の中にも、明日への光明はある。そう信じて。