銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

1年も経つと【J1第12節・磐田戦 展望】

 去年のこの試合前の雰囲気は独特だった。磐田側がどうだったかはよく知らないが、少なくともこちらは絶対に負けられない試合だった。金井貢史がセンターフォワードよろしく、エリア内で落ち着いたシュートでネットを揺らした瞬間は歓喜というよりも、何かホッとしたような感覚だった。

敵将は、前年オフに自軍へと移籍した背番号10の名前をもじって、ダービーに祭り上げて、この試合を煽った。

そして1年後、そんなダービーのことを口にする人はもう誰もいない。俊輔が肉離れで離脱していることも影響はしているだろう。ともかく、彼は来ない。

1年で忘れ去られてしまう程度の因縁だったのか。その翌年の背番号10の顛末の方がインパクトが桁違いだったから、相対的に俊輔の話が影に隠れた感じはある。俊輔という名前は今後もこのブログに登場するだろう。だがもう一人の名前はもう忘れてしまったので、一切出てこない。

 

つまり、この試合は普通のナイトゲーム、普通の連戦ということになる。世が世なら、鹿島とのクラシックに続いて、磐田戦という巡り合わせはなかなか難儀だったに違いない。ともに黄金時代を築いた両クラブへのリスペクトは当然ある。

 

ところがどうしたことか、この鹿島を皮切りに、磐田、名古屋、G大阪、長崎と、順位は下のチームばかりで、現在9位という磐田の順位が、マリノス自身も含めたこの中ではダントツ上位という情けなさ。自虐ネタではない。いずれも戦力的か戦術的に課題もしくは欠陥を抱えるチームが多い中で、磐田は概ねマトモだ。この中にあっては守備も固い。

 

予想としては、マリノスが持つ展開に戻るだろう。ポゼッションすることそのものが難しくなるとは思えない。だからこそ、当然のことながら、パス本数と成功率ばかりが上がって、スイッチが入らない攻撃に陥ってしまう可能性もある。

 

前節のスターティングメンバーから変更があるのは、どうやら伊藤翔がトップに上がり、2列目は天野純と中町公祐の並列になる点。アンカーの位置に扇原貴宏が入るという。言うまでもなく、扇原の左右のスペースと、左偏重クセをどう改善するかは見所の一つ。練度が上がってきたことを証明するには磐田は「ちょうどいい相手」だ。彼らを牛耳れないようではこの先もおぼつかない。

 

ただ山田康太の連続先発には少し驚く。松原健の休息によるスタメン抜擢だとばかり思っていたが、アンジェ ポステコグルー監督の目に留まったのはあの球際での姿勢か、それとももっと高度な戦術的な理由によるものだろうか。指揮官はここに来て、メンバーを流動させてきた。過密日程だけが原因ではなさそうで、どの組み合わせであっても一定の技量さえあればチームとしての力を発揮できるよう、底上げを図っているようにも思える。いつでも普通に戦え、と。

 

普通に戦って、普通に勝てればこの1勝は大きいのだ。1年経って、様々なことが喉元を過ぎた。これほど1年はあっという間なのにだ。

1年経って、マリノスもまた別のチームになった。絶対に負けたくない相手から、普通に勝ちたい相手へ。秋には田んぼサッカーに屈したが、ホームと天皇杯では連勝した相手だ。マリノスの新たな普通を見せつけたい。

 

5月の反攻へ。