銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

中澤佑二、40歳。有終の美にシャーレを掲げる

ACLは22、リーグは10。今年1年を背番号ナシで過ごした優柔不断な私とは思えないほど、あっさり来季のユニフォーム計画が決まった!

ただ一つ決まってないのは、ACLのユニフォームの発売が本当にあるのか、である。元日の勝利によって、発売は内定するはず。それを信じて今季の残り2試合の趨勢を見守る、否、勝利を見届けよう。

 

2018年シーズン、プロ20年目は区切りのシーズン。予てから宣言していた40歳での現役引退を改めて確認するかのように、中澤佑二は「集大成」を誓った。4年連続のフルタイム出場達成、連続フルタイム出場記録の新記録を樹立しさらに継続。個人としては今年も偉業を成し遂げ、前人未到の頂を登り続けていると言っていい。

 

個人としては、である。チームとしては天皇杯の可能性を残すとはいえ、不満の残るシーズンが続く。しかし来季、レジェンドの現役最終年、なんとかリーグタイトルとともに有終の美を飾りたい。まさかあっちの中村が、シャーレではなく風呂桶を掲げるとは思ってもみなかった。多くの選手は、シャーレに無縁のままスパイクを脱ぐのだ。お隣チームの優勝は不本意でかつ羨ましく、中澤佑二ほどのレジェンドの花道にシャーレが相応しいと思うのは決して傲慢だとは思えない。

 

今、私は二度ほど軽々しくレジェンドという言葉を使った。これは、マリノスのクラブ史に輝き、末代まで語り継がれる選手という意味で言った。ならば私自身に問おう。日本歴代最高のセンターバックは誰なのか。井原正巳か、闘莉王なのか、吉田麻也を推す声もあるか。

荒々しく、全てを跳ね返す鬼神が如く。そんな守備の職人を少なくとも私は中澤佑二をおいて他に知らないのである。

 

ジャンプ力が衰えた? 足が遅い? だからどうした、と強がって返さないほど、それは確かな課題である。事実として、シーズン後半のマリノスは伝統の堅守の看板を失ったように、失点を重ねた。いくつもの失点を防いできたのが中澤佑二ならば、今季失点に絡んだのも中澤佑二だった。ゼロに抑えるというミッションを考えれば、その事実は重い。両膝のテーピングはもうグルグル巻きである。

 

でも見逃してはならない。今年の彼は、キャリアでもかつてないほど縦パスを通したのではないか。GKの飯倉大樹から「繋ぐ」ことを厳命され、少しずつ成長させてきたビルドアップ。肩代わりのため最終ラインまで下がってきてくれる俊輔はもういない。だからこその、中澤佑二の新たな挑戦、成長だった。

昨年までなら。左にいるファビオか、右にいる小林祐三か、いずれかへの横パスしかお目にかかったことがなかった。だから当初は縦パスが通る度に、少しどよめきも起こった。

 

私たちは誇りと同時に嫉妬を感じたかもしれない。現役晩年になっても向上心を全く失わず、バリバリの代表だったころさえ苦手だった課題に取り組み、そして克服してしまうその姿に。

 

したがって、40歳になっても成長し続ける彼の姿しかイメージができないが故に、来季限りの引退など受け容れられないのだ。

まだ監督が決まらない、エースの復帰日も決まらなく、戦力補強がどのくらいあるのかもまるで分からない。

だが「優勝が目標と言え」とクラブに迫った中澤佑二の思いは定まっている。ならば、信じるのみ。

 

だけど、本当は強くないから。

優勝した時には、誰も見たことのない顔を私たちに見せるのかな。あれ、どこかで聞いたことがある。

 

後追い。道連れ。勝手に引退してくれれいいのに、まったくもってあの歌姫には困ったものである。