銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

ウーゴのシュートは練習する類のものなのか??【天皇杯4回戦・広島戦】

そりゃあもう、敗色濃厚な2失点。たった15分の間だから、まだ75分ある。いや最終的には100分以上残っていたのだけどそれは後の話。それに、点の取られ方がかなり悪かった。ボールウォッチャーだらけ?のコーナーキックと、捲土重来を期したはずのボランチ・ダビド バブンスキーが背後、ど真ん中にパスを通されたのアンロペこと、アンデルソン ロペスの豪快ミドル。

 

諦めなかったし、ハーフタイムに必死に修正した。メンバーを変えることなく、出ている選手たちが修正した。

3失点目を喫してもおかしくない機会もいくつもあったが、数少ないチャンスをものにしたマリノスは敗退の淵からよみがえる。

 

遠藤渓太のクロスを、水本が手で弾いたと判断されて広島には厳しいPKの判定。スポットに向かうウーゴ ヴィエイラにすがるように、遠藤は自分の取ったPKなのだからと蹴らせてくれるように主張していた。チームとしての勝利ももちろん大事だが、遠藤は自分自身が生き残りたい。そんな強い思いが溢れていた。結果的に蹴ったのはウーゴでも、その心意気をサポーターは感じたはずだ。それにユース出身の後輩をなだめた喜田拓也や齋藤学は、やはり優れたリーダーだ。

 

それでもまだ敗色濃厚。そこを飯倉大樹のビッグセーブが、寸前でチームを救う。結果的に広島のサポーターからは叩かれる工藤壮人の決め切れないあの感じにも随分と助けられた。でもって、今夜はキレ味がないなあと思われた学が後半42分に大きな仕事。中央を切り裂くドリブルでエリアに侵入し、そしてヨロシクと、フリーのウーゴにラストパスだ。ウーゴは浮いていた上に身体の向きまで完全に備えていた。まるでPKよりも簡単に、今度は右隅へのゴール。土壇場の2-2は、田中隼磨が言うところのスコアレスドローだ。

 

だが、天皇杯にドローはない。正直、両軍避けたかったはずの延長戦。マリノスの天皇杯における延長戦への突入率は実に高い。この日も8試合中、唯一。どうせやるならさ、90分よりも120分だよね。お客さんもその方がお得でしょ?と誰かが言ったかどうかは知らないが、三ツ沢劇場は延長、そして、あのフィナーレへ。

 

シュートの前に、特筆すべきことが二つある。一つは飯倉のパントだ。あれがなかりせば、生まれ得なかったチャンスだから。飯倉らしい低くて速いパントキックの軌道は美しい。日本代表の西川周作も上手いが、遜色のないキックだ。

ハーフウェイラインを超えて、タッチラインに向かって転がるボールに全力疾走で追いついたウーゴの執念も褒められるべきだ。ちなみに、「120分フル出場の120分目」の出来事。半年前のウーゴと比べるのはおかしいが、あの頃から思うとウーゴ…あんた最高だ。

 

普通はクロスを選択するところ。富樫敬真が中央に入って来たことにより、GKの注意がそちらに向いた。だからこそ、シュートを選択したのだそうだ。そんなウーゴにもう一つだけ聞きたい。あんな角度、ほぼ平行線からのシュートって、そんな練習してあるものなのかい?

 

スライス回転のかかったボールは、バウンドとともに急速に右側に旋回して、ゴールラインを超えて行った。

もちろんルール上、Vゴールではないのだが控え選手まで飛び出してきてのお祭り騒ぎだ。0-2からの大逆転はすべてウーゴ ヴィエイラのゴールで成し遂げられた。そのヒーローを呼ぶ歌声がそう簡単に鳴り止むはずもない。

 

これを、クレイジーなゲームと称したのは勝軍のエリク モンバエルツ監督だった。齋藤学はサポーターのおかげと感謝した。

 

準々決勝進出!というだけの、ただの1勝じゃないかもしれない。120分激闘の中で、中2日の甲府アウェイ戦は容易ではないが、リーグ戦のモヤモヤした流れを断ち切り、「残り8連勝」を合言葉にしてもいいのではないだろうか。

 

絶望から救ったウーゴが甲府戦にどれくらいのコンディションかは微妙だ。だが、ここぞのスーパーサブで起用するのも一手。

これをきっかけに、マリノスはリーグでも、再浮上する。