銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

遠藤渓太、東京五輪へ向かうために

渓太が帰ってきた。イタリア戦での堂安律へのアシストしたクロスは、この世界大会で残した確かな記録であり、成長の証でもある。

2年目の19歳、世代別代表で取りきれなかったレギュラーポジション。順調に成長し、代表でも、ルヴァンカップでもゴールを決め、得点に絡む決定的な仕事ができるようになってきた。

 

だがクラブには、同じポジションに背番号10の齋藤学。学が先発を外れた場合にも前田直輝が選ばれたりする。渓太の先発出場への道は険しい。2列目で勝負させてもらったり、金井貢史の代わりに右サイドバックに入れられたり。

難しい立場にいる。そして期待されている。

 

でも待ってほしい。マリノスに高卒で加わって、主力あるいは準主力で試合に出られている選手が何人いたであろうか。学でさえ、ごく僅かの試合数だった。渓太を超えるとなると、小野裕二クラスだ。すなわちマリノス育成組織としては10年にひとりの傑作と言っても過言ではない。

しかも堂安や小野のように天才の名を欲しいままにしてきたというタイプではない。それはそうだ、和田昌士の陰に隠れていた。この世代でマリノスユースを初のプレミア昇格に導いた和田の存在感は絶大で、渓太はどちらかと言えば滑り込み昇格。だがプロで通用するだけの明確な武器が渓太にはあった。言うまでもなくスピードだ。

 

そのスピード、凶暴につき。時として、その後のシュートコースを狭めてしまったり、コースを塞がれている無理筋な状態でシュートを強行するも、DFにぶち当てたり。フィニッシュ時の落ち着きが課題と言われるが、最高速の身体のバランスがコントロールが出来るようになれば、ゴールが自ずと増えて来るのではないか。スピードを持て余す。学もそれに近かった。マルティノスもバランスを失ったら、そうなる。常人には、持て余すほどのスピードなんてやや信じられないのだが、そういうことである。

 

その渓太は、今季リーグよりもルヴァン杯での出場が多くなっていた。ところが、代表で戦っている間にルヴァン杯は終戦してしまった。これから少なくとも戦うはずだったプレーオフの2試合はスルリと出場権を広島に奪われたことになる。昨日の川崎との練習試合は、サブ組が主体の2本目からの出場だった。下手をすると、出場のチャンスは天皇杯の2回戦しかない。

真面目で実直で好青年だが、学を押し退けてでも俺がやってやるという、気持ちがあるだろうか。多分あるのだろうが、ボソボソっと喋るし、良い意味での傲慢さを感じない。

そこが、一皮剥けるための鍵なのではないかと思う。スピードは、堂安より、昔の小野裕二や学よりあるのだから。

 

U-20W杯(昔のワールドユース)に出場した選手の半分以上は、後にフル代表に選ばれていて、さらにその半分程度が10キャップ以上を獲得し、主力扱いとなっている。逆に言えば、その後伸び悩みお声の掛からない選手も少なくない。渓太には前者であってほしい。

その前に2020年の東京五輪。自国開催の五輪代表なんて、生まれた時代も味方しないとなれない代物だ。世間の注目もこれから半端なものではなくなる。今のところ、その代表に渓太は近いポジションにいると言って良いだろう。だが、いろんなプレッシャーを跳ね除けられるか。チームを引っ張る強さを持てるか。

堂安の得点を引き出した落ち着いたクロスは、彼の武器であり、日本の武器になるだろう。

 

週末のリーグ戦メンバーに食い込み、またチャンスをものにしてほしい。

 

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