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銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

驚きと心配の完封勝利【J1第7節・広島戦】

天野純は狙っていた。キーパーと最終ラインの間。味方が駆け引きに勝って、きっと先に触ってくれるだろう。やや右に体を傾けて蹴ったボールはその通りの場所へ、カーブによってキーパーから遠ざかるように曲がりながら、ゴール前を通過する。

出し抜くどころか、完全にフリー。相手がラインコントロールを誤ったようだ。金井貢史と中澤佑二だけが並走する。先に右足を伸ばしたのは中澤だ、まさか背後に感じた気配が金井だとは気づかなかっただろう。難なくネットが揺れ、マリノス先制。

先制すれば負けなし(3勝1分)で、先制されれば得点すら奪えずに全敗(4敗。YBC含む)のマリノスにとって先制点の重みは大きい。とはいえ、あまりにも早すぎる4分での得点。この日のマリノスの内容で、広島が私たちのよく知るここ数年の広島だったのなら、スコアは1-2あたりにひっくり返されていた公算が高いと、私は思う。それくらいブロック内でスコスコパスを通され、浴びたシュートは自軍の倍以上の19本。決められない広島さんサイドにかなり問題がある。結論として言えば、あのマリノスを崩し切れないほど、今の広島はおかしい。マリノスが強くなったとは、このゲームを通じては言いがたい。

 

だがその中でも感心したことは、最後の齋藤学と天野のキープではないだろうか。二人とも数年前を思えば、そんなことが出来るなんて。特にルーキー時代の吹けば飛ぶようなあまじゅんと比較すればもう驚きしかない。ああいうプレーを見ると、現地のスタンドから大声援を送りたかったなと胸が熱くなる。

あれだけ柏にクロスを許しても、弾き続けた中澤とミロシュ・デゲネクは堅い。飯倉大樹はおそらく完封勝利の実感は得られてないだろうし、飛び出しても触らないスリルはなんとかしてほしい。が、コースを限定した中で、高い処理のシュートも彼がしのいでくれていた。

松原健の負傷は残念だ。打撲程度ならいいのだが、新井一耀には落ち着きを求めたい。そろそろ下平匠も帰ってくる。金井を右で使うかどうかも議論となるだろう。

マルティノスは再三チャンスを作って広島に脅威を与え続けた。しかし7試合で4枚目の警告を受け、次節は出場停止。このままだと、15〜16枚の警告を受けるペースだが正気だろうか。貰いすぎだ。

松原の治療で空いた時間には、学とダビド・バブンスキーさらにウーゴ・ヴィエイラが意見を戦わせるシーンが見られた。おそらく言葉はまったく通じていない。学の口がノーノーノー!と言っている動くのが見える。だが口論していたはずなのに、なぜか最後はなだめるウーゴと抱擁。さながらダチョウ倶楽部の上島と出川哲朗の出来の悪いコントのようだ。この試合、バブ、ウーゴとも良くなかった。ウーゴについては、いつでも点取ったるでぇという纏っていたオーラがどこかに行ってしまったかのように不調だ。心配ではあるがこの日の急な暑さでは仕方ないか。初めての日本の梅雨、蒸し暑さはこれからだ、厳しい環境下でトレーニングして慣れるしかないだろう。

 

4位浮上!などと喜ぶのはあまり意味がない。ただ引き分けに終わらせてしまった新潟戦の方が勝ち点3に相応しく、この日は勝ち点3をもらえたのが不思議とするなら帳尻が合ったくらいに考えるべきだろう。強かな1-0でもなく、粘って耐え抜いたという1-0でもない。長いリーグ戦の中には、そうした試合も存在する。

大事なことはチームとしての成長度の問題。コンビネーションは熟成してきたか、戦い方は浸透しているか、チームとしてのムードや意識は高まってきたか。「まだまだ途上」と答えるしかないかと思う。だが、上島竜兵…もとい学の試合中の声かけや、試合が終わった後の振る舞いは、少なくとも上記の改善に大きく影響してると言えそうだ。

 

立ち止まることなく、連勝を伸ばしていきたい。皆、厳しい表情を浮かべる完封勝利は今回くらいでいい。次はスカッと、頼みます。