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銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

太陽に向かって咲いているか

NHKサタデースポーツは、というか我らが公共放送はベタである。ベタであるがゆえに、万人に分かりやすいストーリーテリングをする。Tomorrow songというコーナーで、我らがキャプテン・齋藤学が登場した。これは、主人公の心の一曲を、競技の映像とともに紹介するものだ。学の親や親族だったら、これだけで涙してしまうと思う。

齋藤学が選んだ一曲はN.O.B.U!!!の「太陽に向かって咲く花」という一曲だった。いい曲である。はい、すみません、この放送まで知りませんでした。ノブとカタカナで書くと、ドアの取っ手っぽいし、漫才師の千鳥を思わせる。まだ観ていない方は、下記のリンクが消されないうちにぜひ見てほしい。曲を歌っている本人のツイートなのだから消さない度量の広さをNHKに見せてほしいところだが。

ところで、NHKの編集がイイのである。
やがて銀皿航海チャンネルを YouTubeで開設する日が来るのなら、細説にわたって、どこがイイのかを解説したいところだ。私だって韻くらい踏める。
まずは俊輔がピッチから去る後ろ姿から、学の背番号10を背負う姿までの編集は王道ながら、よい間合いだ。通常ならオーバーラップもしくはディゾルブという、ぼんやり画面が切り替わる姿を好む人が多い中、真っ向勝負の俊輔から学への10番後ろ姿カット繋ぎ。

F・マリノスで10番を背負うというのは、相当な思いがないとつけられないし、背負えないこと。僕の人生にとってすごく大きな1年になる」という最後の学の表情、その瞳がキラキラと澄み切っていたこと。

もう一つ、「仲間を信じたラストパス」のくだりもたまらない。以前は周りを見ずに突っ込んでいた学が、仲間との信頼を積み重ねて、そして仲間を信じたラストパス。エリアの隅から出したグラウンダーのパスを待ち構えるのは前田直輝浦和レッズとの開幕の激闘にピリオドを打つアディショナルタイムの逆転弾を生み出した。

このメンバーでも、死ぬ気で1試合1試合戦えば優勝できると思っている。

そして最後は太陽に向かって咲くヒマワリに映像が切り替わって番組のエンディングとなる。


N.O.B.U!!! - 太陽に向かって咲く花

学が曲の中で、もっとも好きだと答えたのは、
「人に踏まれても けなされても 誰よりも輝いてる
太陽の恵み輝きの中 強く根を張ってる」
という箇所。

けなすやつなんて、そうはいないと思う。確かに選考に一貫性とセンスのない代表監督にはイラッとするけど、それも吹き飛ばすくらい輝き、強く咲くということか。
毎試合学を観ていると、なかなか気づきにくいことだが、新聞記事や雑誌、戦評などで学を紹介する文のテイストが「別格扱い」になってきた。
リーグ屈指のアタッカーとか、ベストウィンガーとか、国内組で今最も旬とか、なぜ代表に呼ばれないのか全く理解できないとか、そんな類の賛辞のことである。
それ以上に、「僕の人生にとってすごく大きな1年になる」という一言が破格に重い。賛辞など要らない、優勝という結果が欲しい。俺がキャプテンでマリノスに栄光をもたらしたという事実が。そのことによって、残留もキャプテン襲名も、10の継承も、正当性が証明されるということか。しかも証明されるのは他者評価によってではなく、自分の腹の底から。

屈託のない笑顔と、サッカーに向かう真摯な姿勢は、まさに太陽に向かって咲くヒマワリを思わせる。これが、誰よりも大きな大輪の花になるのかは、今年の冬に分かる。
そうなるよう、いつも声援という栄養を全力で送ろうと思った。