今年もマリノスにシャーレを 2023

横浜F・マリノスのスポンサーを目指して脱サラした頭のおかしい3級審判のブログです

早々と正念場。「金で魂を売った」と言わせないで

信頼を積み上げるのは難しく、壊すのは一瞬のこと。ただでさえ新参者。懐疑的な声が多かった。あ、どこかの外国人選手の話ではない。

全試合生配信を売りにしておきながら、開幕節で2日連続の配信停止事故を起こしたDAZNのことである。

 

日曜唯一のJ1開催となった、G大阪甲府の一戦で悲劇は起きた。17時の試合開始に合わせ、アデミウソンやファビオ、そして甲府に籍を写した小椋祥平の勇姿を見るつもりであった。

待てど暮らせど、画面は映らず、お前んとこの回線が悪いか、接続がおかしいみたいだから確認しやがれのメッセージが出る。

なるほど、マリノスの勝利の余韻で、携帯とテレビ、PCといろんなデバイスでアクセスしたために不具合が生じたのかな。テレビやFIRE TV stickの電源を入れ直し、他のデバイスでもアクセスし直してみるが、結果は同じ。

こ、壊れた…? DAZNのメッセージは変わらず、完全にこちらの回線が悪いことになっている。(この上から目線の空気を読めないメッセージが後々一層、民衆の怒りに火をつけることになる)

 

いや、ひょっとして悪いのは私ではなく、配信元では…? 頭をよぎった私はおもむろにTwitterを開く。案の定、そこはすでに火の海だった。この開幕戦のために契約したユーザー多数。なかには吹田に行けなかったので、スマートテレビを買い換え、回線を光にして、ダゾーンの契約をして盤石の体制で17時を迎えた甲府サポの悲痛な叫びもあった。その頃には非難轟々である。

 

バレーボールの配信が終わった後のチャンネルで臨時対応という摩訶不思議なソリューションにも疑問が残る。Jリーグの公式YouTubeで全編を無料放送するという対応はせめてもの救いだった。

だが、ごめんなさいで済む問題ではない。立派な契約不履行である。何しろ既存のテレビ放送で行われる一部の試合を除いて、他に手段はないのだ。

今もし仮に、DAZNは月額1750円。ただし生で観られるかどうかは当日の運次第。かたや、スカパーは3倍額に近い5千円。ただし、全試合完全生中継。オンデマンドのアプリも、ハイライト番組も完備。シュートの本数も今まで通りに集計して表示しまっせと言われたらどうだろうか。どちらかを選べるとしたら、どちらを選ぶ?

ダゾーンは安いのだから、分相応のサービスしか期待すべきではないという声がある。だが生配信の時間にリアルタイムで視聴できないというのは、値段の問題ではない。放送・通信事業者としては論外の話である。画質やコンテンツとしての未成熟さを議論するのはまず無事に配信されてからだ。演出上の要望など、今は何も語れない。

 

チャンネルを合わせれば、放送が流れるというのはかくも当たり前のことではない。でも利用者は、電気ガス水道と同じくインフラだと考える。金も払っているのだから、なおさらその意識はある。ダゾーンはまず、その基本に立ち返る必要がある。

Jリーグ放送権獲得以前から、彼らの対応には不信感がささやかれていた。NFLの全試合中継を歌っていたのに、徐々にトーンダウンし気づけば3分の1あまりの試合しか放送されなかったという。なんとなく見切り発車の匂いがするのだ。

 

大事なのはカメラの台数ではなく、誠実なる生中継だ。それが、できてから画質やコンテンツの中身についての話をしよう。

ダゾーンのおかげで、J1は1ステージ制に戻り、潤沢な優勝賞金を争って活況を呈している。でも今のままでは、スカパーに優っているのは広告宣伝費だけ、ということになりかねない。Jリーグそのものも評価を落としかねない。

 

簡単な作りではあったが、第1節のレビューという15分の番組の配信が始まった。一応、ハイライト番組だ。その気概は買うので、なんとか普通に見られる安心を、私たちの手に取り戻させてほしい。

 

ダゾーンに対しての私たちのスタンス。クレームというよりは、叱咤激励や前向きなブーイングを送りたいものだ。育てていくしかない。