今年もマリノスにシャーレを 2020

シャーレを掲げることは難しく、守ることはさらに難しい。連覇に挑む2020年、アウトサイダーではなく本命として、今年もシャーレを掲げよう。座右の銘はシャーレです。

変わらずにいるためには変わり続けなければならない【J1第28節・磐田戦◯2-0】

ルキアンはただ者ではない。川又と山田が週中に負傷離脱する不運に見舞われた、後のない最下位磐田だが優れた個の外国人を獲るのは上手い。とは言っても、チアゴ・マルチンスの方が上手だったというメシウマには変わりはないのだが。

 

ルキアンはボールを収める。必ず収めてくれる。その信頼が味方のサイドで果敢に攻め込む時間と、決心をもたらしてくれる。「ボールを奪われない」という能力は大きいのだ。これほどまでとは、驚きだった。

 

磐田が満身創痍なら、マリノスはここに来て離脱していた選手が帰ってきた。ベンチには李忠成、広瀬陸斗の姿もある。松原健と高野遼の怪我に泣いた2選手も、この日またもや大きな仕事をやってのけた。長期離脱は、覇権奪回のラストピースこと、エジガル・ジュニオだけだと言いたいところだが、遠藤渓太があわや大怪我ということもこの試合の趨勢をとても難しくした。

 

季節外れの暑さで体が重いこともあって、中盤の制圧がうまくいかない。前半のボール保持率は、給水タイムまでを切り取れば磐田が幾分上回っていただろう。それでもルキアンらが無理目なシュートを放って単発的に終わってしまうところに磐田の難しさはある。もちろん、試合中はそんな余裕をぶっこいてはいられない。

 

この試合、松原健の相棒に、仲川輝人がやってきた。二人の「ホットライン」だ。関係性の深さでマリノスの右サイドを任せるには随一。先制点は30分、劣勢の中でやってきた。左から攻めかけて、マルコス・ジュニオールのところまで運んだボールが行き場を失って扇原貴宏を経由して、松原に渡る。マリノス相手の守備の基本、「中を閉じる、外はやむを得まい」という考え方を磐田も踏襲していた。

 

なるほど、左右に揺さ振れば、閉じたはずの中央と、ライン際を警戒するDFの間に、わずかだがほころびができる。それを作ったのは左サイドのおかげで、そのほころびを的確に突いたのは松原の正確なスルーパス。ああ、美しい。誰もいないスペースに置かれたボールを触れれば大チャンスだが、そこにはJ最速クラスの仲川がいかんなくスピードを発揮する。この男、サイドから狙って良し。中央で駆け引きさせて良し。

 

その結果、後ろから追いかける形になったDFは身を投げ出して仲川のラストパスを封じるのが精一杯で、まるでそれを見越して当てたかのような、テルの悪魔的ラストパスを見事に味方ゴールへ運んでしまう。「ふふ、味方ゴールに突き刺したのはお前だよ」

 

後半はどちらも、ややペースが落ちた。この点も暑さの影響であり、仙台戦のような天下一武闘会・殴り合い編にならなかったのは運動量が原因ではないかと思われる。

 

驚いたのはエリキのCF適性の高さだ。スピード頼みかと思っていたら大違い。とにかくターンが上手い。磐田のDMFからすれば本当に嫌だったろう。加速もあるし、スラロームで予測の難しい動きをする。この試合、最大の発見であり、味方選手が疲れた時に、キープして「時間」を作ってくれたのはありがたかった。マテウスは前半立ち上がりにマルコスからのマイナス方向のラストパスにスルーをかます(シュートコースがないと判断したのならそれはそれで冷静に見えているのかも)など、この日も不思議なプレーをいくつか発揮。

 

ほぼ予定通り、渓太への交代が行われたのだが、決定機でポストに激突するアクシデントで途中交代を余儀なくされてしまう。しばらく動けずにかなり心配したが、試合後には軽傷であることが報告され一安心。ただブラジルの五輪代表遠征は辞退となった。早く万全のコンディションを整えて、再びのチャンスにかけてほしい。

 

なお、この時に3分近く中断したが、1点を追う磐田側のサポーターからブーイングがほとんど起こらず、さらに渓太が立ち上がった際には拍手さえ起こった。この「民度の高さ」を称賛する、感謝する声が試合後にマリノスサポーターが多く報告していたことは記しておきたい。

 

渓太を入れ、マルコスを渡辺皓太に代え、再び渓太の代わりに高野遼を投入せざるを得なかったのはマリノスには計算外だった。足がつった扇原を下げることもできずに最前線に置いて長いアディショナルタイムをしのぐことになる。

 

だが、仲川の2点目が大きく救ってくれた。それを生み出したのは、三枚目の交代で入った高野だった。渓太のポジションに入った高野のアタッキングサードでのサイドチェンジは、磐田の裏をかいた。受けた仲川はシュートか、クロスか。好セーブで耐えてきた八田が空けてしまったファーをコントロールされたシュートで撃ち抜く。冷静なスナイパー。

 

2-0の勝利。同時刻に瓦斯が鳥栖に逆転負けを喫したために勝ち点差はいよいよ1となった。

 

磐田はJ1残留がきわめて厳しくなった。だが、夏までの迷走していたころとは違う印象を持った。まだ整備されてないかもしれないが、フベロ監督はおそらく再構築できる監督だ。やりたいことがバラバラということはなかった。

 

だが同じ哲学で積み上げてきたものの確かさ、時間の長さでは当然マリノスが上回る。やっている内容は同じことの繰り返しのように見えるが、選手がどんどん入れ替わっても再現、もしくは進化している。それは選手の獲得をはじめ、休まずに手を打ち続けたからな他ならない。

 

変わらずに上位にいられるのは、変わり続けてきたからだ。「マリノス対策」と呼ばれるものをさらに覆してきた。磐田には空費した時間があったのは確かだろう。当然、マリノスがこの先に歩みを止めたならば、容易に入れ替わられることだってある。

 

続けること、変化すること、そして変化し続けること。それなくして、タイトルを争うことなどできないだろう。

 

残り6試合となった。予想以上の混戦となっている。またリーグ戦まで間隔がある。まだまだ進化する。

 

 

 

見えない「がんばれ」を込めてますか

マリノスって誰のもの?

選手?日産?チームって何?サポーターって何?そして、コールリーダーって何?誰が認めたの?

 

なぜ、これほどまでに話をややこしくしているのか。なぜ、一枚岩になれないのか。いや待て、一枚岩って必要なのか。なぜこのタイミングでその選曲なのか。それを歌って跳ねない奴は指定席に行けとは何事か。(と、少し挑発的に書いたものの、批判する目的はこの記事にはない。念のため)

 

今回のケースを短期的に言うと、日産スタジアムでのマリノス対浦和戦で、浦和サポが横断幕の掲示禁止区域に(確信犯的に)横断幕を掲げたことに端を発する。通常どの試合でも設けられている、イザコザを避けるための緩衝帯を乗り越え、マリノスのサポーター40名と浦和サポの間で暴力沙汰となった。この辺りは今更見たくもないが、動画が残っている。

 

結果、Jリーグが降した裁定は、両チームともに200万円の罰金だが、浦和は繰り返し違反を犯していて今年だけで4回目であり今後も続くようなら制裁金以上の処分が課せられる可能性も伝えられているそうだ。今年のような状況で勝ち点剥奪などということになれば、愚行がチームをJ2に落としかねない。リスペクト宣言は、アホには分からないのだろうか。綺麗事と言われるだろうが、対戦相手のチームは敵ではなく試合をするための仲間。仲間を応援する相手チームのサポーターには、分かり合えないところもあるし、彼なりの好き嫌いもあるだろうが、サッカーが好き、Jが好きという根っ子は同じこと。なんだけどなぁ。

 

 

さて、冒頭の問い。誰がために鐘はなる、否、誰がためにチャントを歌う。

 

千差万別なその答えに、恐らく一定の割合で賛同が得られるだろう動画を紹介する。

 

わずか120秒の、国民的清涼飲料水の新作CM。子供のいる方は勝手に我が子を重ねて見るだろう。自分がスポーツ少年少女だったなら、親のことを思い浮かべて見てほしい。

 

見えない「がんばれ」が詰まってるらしい。ああ、レギュラーになりそうでなれないアイツも、いや盛ってしまった、まるで縁が遠いにもかかわらず、

雨の日も風の日も送迎して、

朝、起こしてあげたのに、逆に罵られながらも練習に連れ出して、

逆側のゴールなら良かったのに豪快にオウンゴールをかましたら励まして、

願掛けのためにビールを我慢して、でも試合に出られなかったりして。

 

まあ、家族であってもさ、「ありがとう」という見返りを知らず知らずのうちに期待してたりする。

 

ではマリノスの選手に、私たちは、私は何を期待してるのだろう。親が支えなければならない息子達と違って、朴一圭の後ろには数千、数万のサポーターが付いている。でもなぜ、息子と似て非なる、結構似ている感情で彼の名を叫ぶのだろう。

 

答えは、パギさんが横浜F・マリノスの選手だからだ。その昔、山本浩という名アナウンサーがこう実況した。ジョホールバルの歓喜と言われたW杯が悲願だった頃の特別な試合だ。

 

円陣を組んで、今、ピッチに散った日本代表は私たちにとって「彼等」ではありません。これは「私達そのもの」です。

 

感情移入なんて実に勝手なものだ。移入される方は堪ったものではないかもしれない。私達の多くは誰に頼まれるでもなく、横浜F・マリノスを自分たちと同一化し、したがって家族同様に応援している。

 

だからだろう、そんな公共の財産であり私的な思入れのあるものを、ほんの一部の喧嘩っ早い人たちが我が物側で扱うのを、ごく自然に、受け入れられないのだ。

 

本来は、浦和より鹿島より川崎より、マリノスが多くの人々に支持される、分かりやすく言えばJ最多の観客動員になることを望んでいるのじゃないか。それでもって圧倒的な強さでリーグを勝ち抜く。マリノスが。それが私たち目線から見た最高のストーリー。だのに、ピッチならまだしも、スタンドにいるアイツのここが気にくわないとか…。

 

見えない「がんばれ」は、それぞれがたくさん込めている。目に見える形にしたものが、横断幕やゲーフラであり、90分間も情熱的に飛び跳ね声を張り上げる姿は一番分かりやすい「がんばれ」だ。

 

だが、ヤマハスタジアムの駐車場で待つ車列の数々にも、こうやって思いを綴っているだけのブログにも、練習を見守る姿にも、スタジアムで運営を支えるボランティアにも「がんばれ」が詰まっている。

 

何のために?マリノスのため?

いや違う、自分のためだ。マリノスを愛する自分のためだ。

 

身内、肉親の部活や草サッカーならともかく、赤の他人のマリノスの選手たちに、なぜそこまで思い入れる?  私達が勝手に「彼等を私達そのものと」同一化しているためだ。でも、だからこそ、楽しい。我々は泣けるし、喜べる。

 

そうすると、つまり勝敗よりも大事なものがそこにはあり、仮に優勝しても、そうでなくてもどちらでも良いことになるのだが、それを言っちゃあオシマイ案件。別にJ1だろうが、JFLだろうが、県リーグにいようが、「そこにあるマリノスを愛する」ということもそれを言っちゃあオシマイ。もちろん「上位カテゴリーにいるプロチームとしてのマリノス」というステータスが大事ではないなどとは言ってない。

 

さあ着地点を見失ってきたが、サポーターは多かれ少なかれ、家族を思う「ような」気持ちでチームを見ている。コアで筋金入りな人であればあるほど。

 

それなのに、お前の「がんばれ」は足りないとか、俺の愛し方に従えとか言われたら誰だって腹が立つ。できるなら、その「がんばれ」の方向性や強さをぶつけ合うのではなく、束ねてくれる人こそリーダーに相応しいと個人的には思う。彼がそれを実現できていると思ったことも何度もある。が、今はそうなってない。

 

見えない「がんばれ」をたくさん携えて、スタジアムへ。または画面の前から。明日も、また。

 

スタジアムはおめでとう、ありがとうと互いに言い合える稀有な空間だ。異常な幸福感と落胆も少し。もっとたくさんの人が引き込まれてほしいと心から願うし、吸引力をともに作っていきたい。

マジメかよ。

 

動画見てみてください。僕はしばし涙が止まりませんでした。

 

あかん優勝してまう【J1第27節・仙台戦△1-1】

あかん、優勝してまうとは、弱小チームの自虐的なギャグだが、何も水曜日まで更新をサボったから奇をてらって書いているわけではない。

昨夏に8得点を挙げた杜の都での試合は、1-1。終了間際に追いつかれた展開は、もちろん痛恨な結果だった。だが大きく前進は出来なかったが、結局あらゆるものがマリノスに有利に働き始めていると言わざるをえない。

土曜の昼、鹿島が札幌を相手に引き分けて喜び、夜にはマリノスが仙台に引き分けたので、瓦斯サポーターが喜んだはずである。そして翌日には瓦斯も松本に引き分けた。三者痛み分けで、ジリジリと差を詰めてきたC大阪の一人勝ちというのが、第27節の結果である。

残りは7試合となった。前節と上位3チームの勝ち点差も得失点差も変わらず、ただ1試合分のカレンダーが進んだだけである。それに喜田拓也とティーラトンのレギュラー二人の出場停止という危機をしのいだとも言える。

先制点が美しすぎたのかもしれない。だから落胆が大きくなったとしたら、無理もない。

高野遼の2019年は開幕スタメンで始まり、半年をリハビリに費やした。その高野がブランクを感じさせないほど、忠実に仕事をこなす。左サイドをえぐって、マイナスのグラウンダーのクロスをいれると、走りこんできたのは仲川輝人でもなく、マルコス・ジュニオールでもなく、その後方からやってきた松原健だった。

今季何度も何度も繰り返されてきた定番の崩しを、両サイドバックが再現してみせた。しかも、苦労してきた高野と松原というのもストーリー性満点。映画館だったらもうとっくに泣いている。で、こんな得点見せられたら、あと何点取るかなって期待しちゃうわよね。

だが、そもそも週中に天皇杯で、何名かの主力を温存して鹿島に敗退したのだから、仙台相手に万全で勝てるだろうとタカをくくっていたとすれば、その方がおかしい。去年の8得点の夢を引きずりすぎである。

2-0にできなかった忸怩たる思いがある。が、惜しかった場面がいくつあっただろうか。最近の、とくに昨年のマリノスのパターンは1点を先制しても、決めるところで決められずに追加点を奪えず、結果追いつかれる、またはひっくり返されることが多かった。でもこの試合は違う。「情熱的で機械的な先制点」以外に、何度崩せただろうか。

エリキが右で持ち、崩しきれずにカウンターの対応に追われて、疲弊したのはマリノスが先だったというのが実態ではないか。惜しかった、のは、せいぜい同点弾を喰らった後の、遠藤渓太の決定機だろう。ああいうの決めると、もう海外移籍待ったなしなのだろうな。

ともかく妥当な結果だった。1-0で逃げきるにはちょっと撃たれすぎだった。

この試合で浮き彫りになったのは慢性的な疲労蓄積の問題。開幕から半年、コンスタントに出場を続けてきた選手でどこも痛まない万全な選手などほぼいないだろう。それはどのチームでも同じことだ。

高野と朴一圭の復帰は本当に喜ばしいが、とくに前3人の状態は気がかりだ。センターラインに陣取るテルとマルコスは、どうやっても替えが効かない。この2人の低迷は、マリノスの呼吸困難を意味し、もし離脱するようなことがあれば心肺停止級。

エジガル・ジュニオ、天野純、三好康児の不在がここに来て響いている。帰ってこられるのはエジガルだけだが、怪我が癒えて再来日したとはまだ聞かないので、辛抱するしかない。

遠藤、エリキ、マテウスがサイドでどれくらい殴れるだろう。蹂躙できるだろうか。圧倒的に押し込むことができるだろうか。中央に相手守備を集めずに距離を広げられるだろうか。そこにかかっている。

渡辺皓太も、大津祐樹と同様に途中から出場し、最後まで懸命に追ってくれる使い方が現状では最も良いかもしれない。扇原貴宏のすばらしいサイドチェンジをもっと活かしたかったというのもある。エリキ、マテウスの話に戻るが、間違いなく今のマリノスに合っているアビリティーを持っている。2人とも試合を重ねるごとに着実に前進していると私は思う。エリキのペナルティエリア角付近での停滞はやや謎だったが。


マリノスの優勝確率は、前節よりわずかに上がったとすら思える。決してレベルの高い優勝争いとは言えず、それはかえって好都合だからだ。ただ目指せばいい。至高の7試合を勝ち抜くことだけを。

ただこの道を行けばどうなるものか【天皇杯4回戦・鹿島戦●1-4】

さようなら、元日の国立。新たなオリンピック・メインスタジアムのこけら落としは、私たちの横浜F・マリノスではないどこかのチームが戦うこととなる。そのことがとても残念だ。
手を抜くとか、抜かないとかではなく、選ばれた選手たち。その彼らが思うような結果を残せなかった。スコアも内容も、完敗だった。ただ惜しむらくは失点がほぼどれも安かったことが悔しい。「してやられた」感じはほぼ無いのだ。0−0の時間は短かったが、その間は確かにこちらのペースだった。

一体なぜ…? それはほんの一瞬の命取り。失点直結型のミスが生まれたからだった。クオリティの差。アンジェ・ポステコグルー監督はその差を「経験の差」と表現し、ある人はスキル・技術に原因を求めるだろう。

週末の J1リーグ戦は出場停止となるために、この試合にフル出場したキャプテン・喜田拓也は言い切る。サブ組、Bチームなどではない。天皇杯とリーグを両方勝つために選ばれたのが、この日の先発メンバーだったと。序列を付けるなら、マリノスはリーグ戦に重きを置くという判断を下した。この決断が正しかったか、正しくなかったかはまだ分からない。天皇杯に敗れてしまった以上、失敗だったと見る向きがあるだろう。

だが、退路を断たれたリーグ戦での結果を見てみなければ分からない。もう後戻りはできない。
「二兎追うものは一兎も得ず」と言うものの、もはや我々には一兎、すなわちリーグ戦しか残されていないのだ。残り8戦にすべてがかかる。躍進した2019年がタイトルとともに永く私たちの歴史に刻まれるのか、ただ惜しかっただけの1年となるのか。

2017年の天皇杯と、2018年のルヴァン杯はともにファイナルまでコマを進めたわけだけれど、結果は準優勝。優勝という輝きとは明らかに違う。

私たちが目指してきたのは、2004年以来のリーグタイトルのはずであって、2013年以来の優勝争いという言葉ではないはずだ。その中でボスは選択し、結果として天皇杯は終わってしまった。

前週、2引き分けながらアウェイゴールに泣き、ACLで敗退したことでより一層、鹿島は天皇杯を落とすわけにはいかなかった。そんな巡り合わせもあるが、だからどうした。逆の結果なら、「ACLからの悪い流れを断ち切れなかった、絶対に落とせないという重圧になったか」と語られただけのこと。「4冠を狙える」などと気勢を上げていた鹿島の思惑をポッキリ折れていれば、リーグでも後ろからマリノスが追われる図式がますます不気味になったことだろう。

だが、そうはならなかった。

システムと言いながらも、やるのは一人一人の選手である。だからチアゴ・マルチンス頼みのハイラインと言われても現状は仕方ないし、その裏付けとなる場面をいくつも見せてしまった。

期待された中川風希と山谷侑士がセンターラインではなくて、エリキの突破待ちが起きてしまった。杉本大地もリーグ戦とは異なるコンペティションだったからなのか、またもやぎこちなさを見せてしまった。

皆、ナイーブだった。もちろん悪い意味で。だが、今年の残り8戦。「それしかない」とも言えるし、まだ2ヶ月半とあるとも言える。願わくば、ベンチ入りそして試合出場を狙い、成長を見せつけてほしい。エリキも含め、やるべきことは皆はっきりしているはずだ。


朴一圭が、高野遼が、ベンチに帰ってきた。仙台戦以降の戦力は底上げされ、可能性は広がる。

天皇杯を閉ざされてしまった以上、リーグに全力。それは当たり前のことだ。ACLの出場権を狙うのではなく、タイトルを獲りに行こう。

日程的にも厳しく、結果も厳しく、スカパーの再加入の価値が90分で終わったこともすべて厳しい。

この道を行けばどうなるかの答えは「迷わず行けよ。行けば分かるさ」しかない。それも当たり前。とにかく、この道を行くと決めた。そして今、他の道は断たれた。

ここで立て直して、また前進しよう。

もちろん両方獲りたいさ、サポーターだもの

ACLと天皇杯で相次いで動きがあったのでまとめておく。

 

【ACL準々決勝】

上海上港2-2浦和   浦和1-1上海上港  

→浦和が準決勝に進出!

広州恒大0-0鹿島   鹿島1-1広州恒大

→鹿島は準々決勝で敗退。

 

日本勢は4試合戦って4引分けだったが、浦和と鹿島でアウェイゴールの差で明暗が分かれた。トーナメントの恐ろしさとアウェイゴールの醍醐味だろう。

 

【天皇杯 4回戦(ラウンド16)】

神戸 3-2 川崎

大分 1-1(PK10-9) 広島

鳥栖 4-2 C大阪

清水 1-1(PK4-3) 磐田

 

長崎 2-1 仙台

甲府 2-1 法政大

浦和-Honda、鹿島-横浜FMは、9/25に実施。

 

漠然とだが、マリノスには良い結果となった。C大阪や川崎などが敗退したのは、ハッキリと追い風である。

 

今週末はラグビーW杯の開幕に配慮してか、J1リーグ戦はまたお休み。だから週中に天皇杯の試合を組むのは理にかなっていた。浦和と鹿島はACL準々決勝を戦うために、それぞれ天皇杯は来週に。これにより煽りを受けたのはマリノスだ。そこから中2日でアウェイの仙台戦を迎える。これは天皇杯の対戦カードの抽選結果を恨むほかない。

 

とばっちりはこれだけではない。来週、マリノスが鹿島に、浦和がHondaに勝利すると、両チームが準々決勝で対戦することが決まっている。準々決勝は10/23で、これもJ1リーグ戦がお休みの週だ。よく配慮されている。

 

が、ACL準決勝に浦和が進んだために、10/23にはACLの第2戦が優先して行われる。天皇杯準々決勝の浦和戦は、11/27に順延。すると、今度は中2日で、J1第33節。しかもアウェイ川崎戦という優勝を狙うマリノスにとっては超大一番がある。鹿島はACL敗退で、天皇杯やリーグ戦により力を入れてくるだろう。(まあ、浦和が負けて、鹿島が残る逆の展開が良かったよね)

 

ぐぬぬぬぬ。これは天皇杯の対戦カードの抽選結果を恨むほかない。(2回目) なお天皇杯は、この準々決勝を勝ち抜けると、甲府と長崎の勝者と準決勝を戦い、決勝は神戸、大分、鳥栖、清水のいずれか。リーグ戦の順位に当てはめると上位チームで残ったのは鹿島とマリノスだけなのだ。あまり余計なことを言うべきでないけど、大チャンス。

 

2020年1月1日。東京五輪のメイン会場となる新国立競技場が決勝の舞台だ。他のスタジアムがどうというわけではないが、やはり天皇杯決勝は元日、明治神宮で参拝を済ませてから臨む、千駄ヶ谷駅前のあのスタジアムが相応しい。埼スタでカップ戦の決勝と聞くと、頭痛が激しくなってしまう。さよなら、民間駐車場のおじちゃん達…。

 

杮落としの一戦、令和初の天皇杯王者。その先にはACL、6年ぶりのアジアの戦い。あっ、天皇杯の結果にかかわらずリーグ優勝してACLの出場権はとっくに確保しているはずだ。

 

ところで、言いたい。

この杮落としの一戦に行きたい、決勝進出したい!という声が意外にも結構多くて、違和感を覚えている。元日決勝に行くだけじゃダメだろ!勝たないと何の意味もないだろ!ってやつ。頭痛の思い出を完全に忘れちゃダメだ。

私がサポーターになってから、タイトルを取ったのは2014年の元日だけだ。そのほか、13年の超満員新潟戦、最終節等々力、14年の広州恒大とのグループリーグ最終戦、ゼロックス広島戦、18年元日の天皇杯C大阪戦、ルヴァン決勝の湘南戦。ぜーんぶ負けてきた。

 

でもさ、決勝で負けるくらいならサッサと早期敗退した方がマシだって真顔で言えるかい?

 

いろんな角度から君を見てきた
そのどれもが素晴らしくて
僕は愛を思い知るんだ

 

泣いたり笑ったり
不安定な想いだけど
それが君と僕のしるし

 

だいたい議論の着地に困ると、私は桜井和寿の詞に救いを求めるのだけど、結局、サポートなんて自分勝手な恋みたいなもんだよなと思う。で、恋が敗れたからと言って、私たち出会わなければよかったのかもとかボーッと生きてんじゃねーよと言いたくなる。負けたっていいじゃないかとは絶対に言わないけど、敗戦もフットボールと人生の一部だろ。負けたくないなら戦わないことだ。でも、それは絶対に勝つこともない。

 

天皇杯の対戦カードの抽選結果を恨むだけ恨んだら(3回目)、あとは優勝まで突き進むだけさ。クリスマス休暇もなく、遠征ホテルで迎える年始なんて、ボスからしたらクレイジーだろうけど。

一番綺麗な色ってなんだろう。

一番光ってる色ってなんだろう。

トリコロールだ、当たり前だろ。言わせんな。

 

両方獲りたい。それも当たり前だろ。

ごめんな親兄弟、親戚と一族郎党。今回も、元日の予定は埋まっているんだ。今回は、空かないと思う。