銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

完封勝利で中断期間へ行かないか【YBCプレーオフ第2戦・神戸戦】

夜中。マリノスとよく似た、いやまったく同じの字体の背番号を背負った選手たちが、迷走している。見どころがないなんてレベルではなく、こんな試合を少しでも見てしまった自分を呪うほど。選手選考は、時代の流れに逆行し、もうすでに底をついている貯金箱をひっくり返して、あれ何も出てこないぞ?と首を捻っているような、そんな監督の姿に嘲笑が広がる。

そんな夢も希望もない代表に入りたい一心で、我々の怒りと失望を招いたあのゼロ円移籍。今朝、ジーニアス・柿谷曜一朗の移籍話が持ち上がっているが、あんなもの禁断でもなんでもないぞと、タイムラインが「いいか、本当の禁断とは・・・」と物申す投稿であふれている。移籍金も払われるらしい。海外移籍を前提とした単年契約も存在しないし、志願して背負ったエースナンバーを何年も守ってきたし、柿谷さんは中心選手としてC大阪にタイトルももたらした。
それに移籍先では恩師と言える監督が待っている。最近は試合出場が減っている。禁断の移籍なんてチャンチャラおかしい、そう思う。

ああ、まったく関係のない大阪の話が続いてしまいましたが、皆さんお元気ですか。

ルヴァン杯、天皇杯、ルヴァン杯。この3連戦が終わると、いよいよ本当の中断期間に入る。1ヶ月もお預けを食らうのだからもったいない。他のカテゴリーの都合があるのは分かっているけれど、何もこのルヴァン杯の2試合の合間に天皇杯を挟み込まなくても…と思う。


さて4−2で第1戦を制したマリノスの勝ち上がりの条件は、この試合での勝利、引分けはもちろん1点差負けでもOKだ。
2点差負けの時に、0−2、1−3なら敗退で、第1戦と同じ2−4ならば延長戦となる。

この3試合だけで7失点のマリノス、完封となると4月末の鹿島戦まで遡る。あのマリノスが、かれこれ1ヶ月半、8試合も失点し続けている。ずっと血が止まらないようなものであり、「守り抜くようなチームではない」という仲川輝人のコメントは、貪欲な攻撃的姿勢の表れ言えば聞こえがいいが、割とマジで別のチームになってしまった感じはある。

神戸は前日の雨からうって変わって、晴天で気温が上がればまたもや早めにオープンな展開となるだろう。そうすれば、続けて壮絶な打ち合いが見られることだろう(白目)。

中断期間の十日町キャンプで、まだチームは変容する。男子三日会わざれば刮目して見よなのだから、特に若い選手の伸びには期待が持てる。だが、この試合のメンバーがベースとなり、良くも悪くもこの試合内容が改善していく上での土台にもなる。

だから完封勝利にこだわりたい。リスクを減らすのではない、淡白な守備を減らすのだ。1対1の勝負にこだわれなければ世界とは戦えない、そう言い残してハリルホジッチは舞台から引きずり降ろされたわけだが、確かにその言葉は正しかったとスイス戦を見ていて思った。個の力に優れる神戸の選手たちとの1対1を制することは意味がある。

堅守を忘れてしまっているが、捨て去ってはいない。そんな試合を見たい。
そうすればベスト8に進める。9月の戦いに進もう。

浮上への奥の手?【天皇杯2回戦・FC大阪戦】

アンジェ ポステコグルー監督の大胆起用。先の神戸戦では、大津祐樹が初ゴール(PK除いて)をあげたし、仲川輝人や山田康太など抜擢した選手の活躍はもはや周知の通り。

 

それにしてもだ。

ダビド バブンスキーが右サイドバックで先発予想とは本当に驚いた。開幕当初こそ、試合に絡んだもののオリヴィエ ブマルの加入以降はベンチ入りすることもほとんどなかったバブンスキーだ。この夏の移籍が噂されてしまうのもやむを得ないところではある。

不安は守備と、スタミナなのだから、本来は彼にサイドバックが向くとは思えない。それがこれまでの印象というものではないだろうか。

 

でも、上述の山田康太という前例がある。監督の育成法の一つとして、本来はインサイドハーフで使うべき選手をサイドバックで「慣れさせる」という方法論があるのだという。四方八方からのプレッシャーに晒されるセンターと比べれば、タッチラインにプレーの半分を制限されるサイドのほうが、判断基準や約束事を守りやすいということだと言う。

 

康太の台頭を見た後だと、バブにも再び輝くチャンスが…と期待してしまう。

 

そしてもう一人。和田昌士は高卒3年目、レンタルバック、同期は活躍中と正念場の三冠王。ルヴァン杯では何度か途中出場の機会をもらったが、現状は厳しい。

そこに降って湧いたかのような、アンカーでの初先発。テクニックがあり、点を取れる選手というのが、ユース時代からの評価として定着しているのにだ。

これも、確かに2列目で活かしたいが、前を向いてプレーするには慣れが必要ということだろうか。練習ではクラモフスキーコーチに、ボールを受けてのターンについて褒められていたと報道されている。これも2列目に比べればスペースと時間があるポジションで勝負させたいという親心かもしれない。

 

楽しみな選手は他にもいるのだが、とにかく今回はこの2選手が起用されるポジションというインパクトがあまりに大きい。

扇原貴宏がルヴァン杯にまわり、喜田拓也が怪我となると中町公祐が候補だろうと思うのだが、中町を前で起用してまでの和田抜擢。

 

これは楽しみでしかない。そして全てを出し切らないと、中断後のチャンスはなかなか貰えないだろう。なんとか彼らにも掴み取ってほしい。

 

だから、天皇杯初戦直前のこの落ち着きのなさがたまらない。しかも雨予報。もう既視感満載だ。あ、相手チームにも既視感だった。

 

もちろんまずは勝利すること。加えて、下のカテゴリーと今年公式戦で戦うのは初めてだから、今のサッカーで挑むのも初めて。

ここ数年のなかなか崩せずにイライラする天皇杯初戦とは無縁でありたい。

 

この試合の後、またある選手の未知なる可能性を我々は知ることになるだろう。さあ、それは誰なのか。

 

 

 

もろくて、それでいて揺さぶる【YBCプレーオフ第1戦・神戸戦】

アウェイゴールが価値のあるものという前提に立てば、2失点は痛い。

4-2で先勝というものの、これで舞台を神戸に移しての第2戦は、神戸は2-0でも勝ち上がれることになったのだ。アウェイゴール、それも2点というのは一定の価値がある。もう少し点差をつけて勝ちたかったというのが本音だ。これで残りの90分も緊張感と強度を持って戦うことになる。

でも、アンジェ ポステコグルーは試合前からこう言っていたのだ。点をやらないに越したことはないが、アウェイゴールを許したならその分神戸でゴールすればいい。1〜2点でガタガタ言うな。普通のリスクマネジメントとは次元が違うのだ。それが正しいかどうかは今週末まで待たねばならない。ただとにかくセットプレーの守備はもろい。

 

だがそんなことよりも。

仲川輝人のあのトラップを見たか。後方の松原健から送られて来る浮き玉のパス。DFの裏は既に取った。

 

ピタッ。右足の先、一発でコントロール下に収めたボールとともにペナルティエリアへ。直前の同点ゴールを決めたように、シュートコースを探すが、GKに加えて、DFが二人いて角度もない。

それならばと後ろを見返すと、仲川が引きつけた分、フリーの天野純が走って来る。さあ、純くん、後はどうぞ。天野は右足をかぶせて、丁寧に転がす。この日、何度かのシュートを枠外に外していたから、浮かさないように慎重に合わせたことは想像に難くない。

 

完璧に崩したと言っていい。あんなところからマイナスのパスを出される時点で、もう神戸には成すすべは残っていない。トラップの巧拙で結果が変わる、見本のようなプレーを見せても、落ち着いて決めた天野と、パスを供給してくれた松原健を讃える気遣いが仲川の充実を物語る。

 

だが、ここは指摘しておきたい。神戸守備陣の1対1対応におけるマズさに助けられた部分も大きいことを。特に、ティーラトンの軽く足を出す守備は、仲川のようなキレで勝負する選手には大好物と言っていい。名誉のために言えば、パスとフリーキックで勝負してきた選手だ。ちょっとひどいと思えるディフェンダーがこんなに出て来るか。今週末も同じシステム、選手配置で来たら、チャンスとも言えるのだが。

 

ウーゴ ヴィエイラにと久々のゴールが生まれた。華麗にかわして、華麗に外してきたこの1ヶ月のウーゴだ。この日も華麗にポストに当てて、北本の力を借りた。だがこれで呪縛が解けるかもしれない。

 

もっと点が取れたと、ボスは真顔で言う。

4点でお腹いっぱいだとは我々も思っていない。まだ90分が終わっただけだからだ。ただノックアウトステージ進出に王手をかけただけ。

 

だが敵の守備を揺さぶり、サポーターの心を揺さぶるマリノスのサッカーはまた一歩前進した気がする。今、仲川という研ぎ澄まされた矢が中心にいることは間違いがない。

 

誕生日おめでとう

長男が8歳の誕生日を迎えた。どの親もそうだと思う。あっという間であったし、成長が嬉しくてしかたない一方で、少年としてともに過ごしてくれる時間のはかなさを感じずにはいられない。

8年前に、シュンスケと名付けて、一緒にマリノスのサポーターとなった。マリノスがあったから、家族旅行もしたし、だから彼はサッカーを習い始めた。

 

我が家のサポーターライフは、2017年を境に少し変わった。元祖・俊輔さんの移籍と、息子の小学校進学と、さらには弟の誕生とで、家族揃って観戦に行く機会は減ってしまった。

小学校に上がり、土曜午後のサッカー教室を続ける時に、マリノスよりも練習を優先することをルールとして決めた。彼は納得しているが、こっそり父が一人で観戦に行くことは嫉妬している。練習が終われば、全試合のダイジェストを見ないことはない。

 

強豪チームに入団してしまったため、低学年でもそれなりに練習試合はある。それがマリノスと重なれば、私も息子の方を選んでいる。だから距離の離れたアウェイは長い間ご無沙汰している。

こないだ息子の練習試合が熊谷市で行われた際は閉口した。熊谷に足を踏み入れたのは2012年の天皇杯4回戦、対浦和以来だ。もちろん会場はスタジアムなどではなく、その辺の公園なのだが、息子のサポーターになったような気もした。まさにアウェイ遠征。もし、この後もサッカーを続けたとしても、あと数年もしたら自分たちで電車を乗り継いで遠征に行くようになるだろう。送迎すら今だけの特権として思い出になる。

 

近場の練習試合なら、必ず見に行く弟。2歳の有望株の方も、イイ感じに育っている。例えば、病院の待合室で、アンパンマンの絵本には見向きもせずにDAZNでハイライトを見せろとせがむ。もちろん看護師さんは理解できない。2歳になりたてだが、「まりのしゅ」の試合が一番だ、ということくらいは理解している。ハイライトで一番好きなのは「よこはま、しぇんしぇー!(先制)」だ。自転車で、ヤーヤーヤーヤーと歌うので、行き交う人によく見られる。

 

先週、シュンスケの7歳最後の試合は、大事な節目となった。区のトーナメント戦で、初めて彼はスタメンの8人に選ばれた。希望ポジションは天野純をイメージした2列目だが、実際には体の大きさを買われてセンターバック。背番号は22、ではなく20なのが少し惜しい。もちろん試合に出ることが第一で本当は前がいいなど言うはずもない。

大切な試合。昨秋に決勝で敗れた相手とのリベンジマッチだ。ちなみに半年前のこの試合では、シュンスケは最後まで出番がなかった。

 

悔しい。

とあの日、本当に思ったか、親が言わせたかはもう定かではない。ただそれまで以上に、サッカーに打ち込んだ。ある意味ではマリノスを犠牲にしてでも。そんなストイックな息子ではない。強制的に練習させてきた。「引退勧告」をしたことも一度や二度ではない。

 

結果は、見事な完封勝利でリベンジ達成。シュンスケはディフェンス陣の一角として、フル出場した。次男がDAZNで長崎戦を死ぬほど見直すように、むしろ本人よりも親である我々の方が、成長を噛みしめるようにビデオを繰り返し見ていた。

 

学校の絵日記の宿題は必ずサッカーだ。マリノスを観に行ったか、自分が試合で活躍したかのどちらか。それが彼の週末。そんな暮らしを続けていて、私たちも幸せだと思う。

 

同じマリノスを応援し続けることはできても、同じ選手を見守り続けることは難しい。選手の輝きは刹那的であり、だから愛おしい。

 

子供との間に、サッカーという共通言語がある。一緒に夢中になれる。

君のおかげだ、本当にありがとう。おめでとう。健やかに育ってください。

 

此の横浜に優るあらめや?!【J1第15節・長崎戦】

こんなに足取りの軽いスタジアムからの帰路はいつ以来だろう?と考えながら、もしも、1-2のまま終わっていたとしたら、ということも考えた。

5得点取った後だから、少しだけ余裕を持って振り返れるが、この試合に至るまでの巡り合わせを考えたら、十分にありえた結果だ。

来い!来い!来い!というゴール裏の歓声と、惜しいというため息が交互にやってくる焦れる展開。「チャンスは作っていたのに、ラストのところで決め切れなかった。中断期間にそこを高めて行きたい」と、監督のコメントが怒りに火を注いだだろう。

失点はあほかというほど軽かった。山中亮輔のせいにするつもりはないが、2つのシーンで彼のボールウォッチャーぶりが目立った。悲しいほどドフリー。あんなん、誰でも決めますやん。

あのまま終わっていたら。私たちはきっと今とは180度異なる気持ちで、ため息と落胆と絶望で、あと1ヶ月半を過ごしていたのかもしれない。

 

仲川輝人は決められる気がしていたのだという。その根拠のないであろう自信こそがストライカーに必要な資質だ。待望の同点ゴールと、逆転ゴールの2発。開幕当初、紅白戦にすら出られなかったのは、戦術理解度が他の選手より低かったからだとアンジェ ポステコグルー監督は解説する。この2ヶ月、最も立ち位置の変わった(変えた)選手だったと言っていいだろう。

 

18歳にして堂々としたプレーを攻守に見せる山田康太が右外のレーンで一人を交わして上がる。クロス、長崎のDFにあたったボールがクロスを待っていた仲川の目の前へ。1失点目の不運と帳尻が合うかのようだ。それを迷いなく、ただし枠外に逸れないように少しだけ大切に振り抜く。

それからわずか7分後だ。今度は松原健だ。仲川にパスをつけると、彼は右サイドに流れる。ほんのわずかDFが松原に引っ張られたのを、仲川は見逃さなかった。狭い、ニアサイドを撃ち抜く。GKの手さえ弾くような速いシュートで。

 

このようなテンポでゴールが決まることを「押せ押せ」という。これまでのマリノスは「押せそう」止まりだった。「もう少し押せば、押せ押せになったかもしれない」だった。その呪縛のような重たく錆び付いた扉を、仲川が押し切ったのだ。

 

扇原貴宏の4点目、ミロシュ デゲネクの5点目は、同点の場面なら惜しいで終わりがちなところ。あれが決まるのは、仲川が一発で押せ押せにしていたからだ。ウーゴ ヴィエイラの6点目は…次にとっておく。同点の場面でウーゴにあれをやられていたら、狂い死んでいた自信がある。

 

お立ち台で仲川は叫んだ。「最高でーす」そうさ、5点も取りゃ最高だ。監督は言った。「もっと点が取れた」。あんたも最高だよ。

 

5点を加えて、暫定ながらリーグ最多得点に躍り出た。にもかかわらず、得失点差はまだマイナス1というアイロニー。公式戦21試合目にして、あのタコ殴りの湘南戦を除けば初めて革命の対価が得られた攻撃的サッカーが結実した試合となった。

 

中断したくない。このまま次の試合をやりたい。ここで止めてしまうのはもったいない。その通りだが言わせてもらいたい。

 

結果という自信を携えて、中断期間という熟成の日々を迎えられるからこそ、マリノスは強くなるのだ。

マリノスが降格に近づくことを怯える日々は終わった。これからは他チームがマリノスサッカーに怯えるのだ。はい、言い過ぎ。

 

この試合をターニングポイントにできるか。それはこれからに懸かっている。