銀皿航海 蹴球7日制

横浜F・マリノスサポーターです。好きな言葉はシャーレです。

我々はとっくにヤツの怖さを知っていたもんね!

豪州にW杯予選で初めて勝利したスタメン、11名。
GK1 川島 永嗣
DF 3 昌子 源
5 長友 佑都
19 酒井 宏樹
22 吉田 麻也
MF 2 井手口 陽介
16 山口 蛍
17 長谷部 誠
FW 14 乾 貴士
15 大迫 勇也
18 浅野 拓磨
途中出場は原口元気、岡崎慎司、久保裕也の3名。Jリーグ所属選手の出場は、昌子、井手口、山口の3名か。数そのものは、基本的に海外勢の人数が増加し続けていることを考えるとこんなものだろう。鎌田や堂安のように海を渡ったばかりの若手たちもこの後を狙っている。

個性を一切無視して言うならば、やはり何か光る才能のある選手だけが海外からオファーを受けているわけで、それだけ純粋Jリーガーにとっては、代表入りそれもスタメンなどとなれば、ますます狭き門になる。

井手口も、本大会の頃は海外所属になっている可能性はあるわけだが、現段階の国内組の若手がこの大一番で先発の座を掴んだ意義は大きい。国内組の先発3人はいずれも中央のポジション(インサイドハーフと、センターバック)というのは偶然だろうか。これも香川や本田が万全なら別の布陣になっていたので、「この日だけ」の話には違いないのだが。

抜擢されるだけの結果を出してきた。その上で1得点をあげただけでなく、かなり目立っていたのだから勝負強さに恐れ入った。例えば同じボランチでいきなり抜擢されたがミスから失点に繋がった大島はあれから代表で見かけない。勝ったからいいものの、引き分け以下だったなら井手口も批判の対象になっていただろう。経験のない選手をいきなり先発させるのはどうなのかって。

世間は、井手口陽介を初めて知ったかもしれないが、脚サポが頼もしく思っているのはもちろん、多くのJリーグサポーターは既に煮え湯を飲まされたことも少なくないだろう。
去年の2ndステージ15節。マリノスのホーム最終戦だ。富樫敬真と齋藤学のゴールで2度リードしたのに、井手口の強烈なミドルシュート含む2発に屈して追いつかれたゲーム。井手口ひとりにやられた印象が残っている。当時20歳になりたてだから、遠藤渓太ら東京五輪世代のたった1歳上ということになる。恐るべし。今年10月に対戦する前に急ぎ海外移籍してくれないかな。

ここで一つの物差しができた。井手口ほど出色の活躍をしているかどうか、それがJリーガー達の代表入りの目安である。学や扇原貴宏の世代はもう若手とは言えず、本大会までの爆発的活躍が求められる。リオ世代以下の富樫や松原健、山中亮輔らも「井手口並の存在感」があるかどうか。マリノスのサポーターだけを唸らせているくらいじゃ不十分だ。

 

井手口?前から知ってたぜ、当たり前じゃん。の名前が、マリノスの選手だったらどれだけ誇らしいか。今年タイトルを掴むチームの主力なら、チャンスはあるはずだ。頼むよ!

 

 

4級審判・シャーレさん、爆誕

4級審判を目指す、絶対に負けられない戦い。

 

コンタクトプレー映像を見て、警告なのか、退場なのか、はたまたノーファウルなのかを当てる問題集には小笠原、パトリックなどの派手な悪質ファウルが取り上げられていた。マリノスの映像は、このラフプレー集には一つもなかった。

 

J1の映像を堪能した私たちは、グラウンドに出て、まずタッチラインの概念を再確認する。つまりライン上はインプレー。そしてボールが完全に出ないうちはインプレー。完全に、というのは接地面の話ではなく、球体の一番端の部分がタッチラインを超えた瞬間にアウト、となる。

 

よく三ツ沢のような専門スタジアムでは、味方チームのライン際のドリブルが、客席からでもよく見える。そのため、贔屓目も手伝って実は出てるのに、スローインの笛を吹かれると、おいおい出てないよ!と腹を立てたりする。

 

が、近いとはいえスタンド側の角度からだとライン上にあるように見えるボールが真横からだと完全に出ていたりする。つまり見えているようで「見えていない」ので、スタンドが近い分、余計に観客は厄介だということを目の当たりにした。しかも副審との距離も近いものだから、反対派の露骨な不満の声はイヤでも耳に届いているはず。審判はツライよ。

 

さて、こないだの横浜FM対鳥栖で飯倉大樹のゴールキックがミスとなり、エリア内に侵入してきた鳥栖の選手に直接渡ってしまったという惨事があったのを覚えているだろうか。鳥栖の選手がボールに触れると、すぐに笛が吹かれてGKのやり直しとなった。

これは、ゴールキックはボールがペナルティエリア外に出た瞬間にインプレーになる、というルールがあるためだ。鳥栖の選手はエリア外で待っていたからプレーは再開していると主張していたようだがこれは認められなかった。こんな知らない人はまるで知らなそうなルールを、グラウンドでボールを転がしながら再確認する。

 

そして手旗練習。これがなかなかのスパルタだった。副審が主審に伝えるメッセージは主に3つ。

 

1, ボールアウト(主にスローイン)=スローインを行う側のサイドを旗で示す

 

2,オフサイド=旗をまっすぐあげた後、水平に降ろしてオフサイドがあった地点を示す。

 

3, 眼前のファウル=旗をバタバタと頭上で振り、ファウルを受けた側が攻める方向を指す

 

これを副審らしく、オフサイドラインを意識しながら、サイドステップで移動し、講師の出すサインにしたがって次々にジェスチャーする。まあ当然のように間違え、その度、笛を吹かれて怒られる。「70人全員が揃うまで終わらないぞ!」などとゲキが飛ぶ。同じ人が二度三度まちがえて、冷ややかな目線を浴びながらやり直しを行い、ようやくクリア。自然と拍手が起こり、なぜか団結感が醸成されている。

 

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テストの問題についていろいろ書くとマズイかもしれないので割愛するが、結構ひっかけ問題も多い。上記のゴールキックの問題も出た。

 

テストなので、一応テキストはカバンの中にしまう。採点は隣の人と答案を交換して行う。私は25問中1問間違いで、水準をクリア。ホッ。

 

80点以上が合格と言いながら、それ以下だった人も10人前後いたようだが、最後に修了証をもらって終わり。後日、審判のワッペンや名前の入った資格カードが郵送されるそうだ。なんと、前の記事で触れたやたらと日産スタジアムでのマリノス戦の様子が収録された審判育成DVDももらえるとか。ラッキー。

 

これにて、公式戦でも笛を吹くことができる。理論上は。

 

なお、審判服などを一揃え買う人も多いようだ。私の場合は当面、息子のクラブが貸してくれるらしい。ふ、ふ…笛は買った方がい、い、いいですかね?の震え声質問には、「しばらくは主審やることなんてないから大丈夫ですよ苦笑」と、優しく諭された。

 

これが個人となると、真っ黒な審判服の他、イエロー、レッドカードのセットや、45分計の腕時計や、上記の笛、手旗などなど2〜3万円かけて揃えるのだとか。ひぃー! 所属先と、何をどこまで買うかはよくすり合わせた方がいいだろう。私は黒のロングソックスは自分で用意しようかと思っている、さすがに。

 

さて、飯田淳平氏の神の手見逃しが話題となった。だが言いたい。(プロの)審判はすごい。自信を持って瞬時に判断する。どんなに研鑽を積んでも間違うこともあるに決まっている。たしかに神の手のようなケースは勝敗に直結しかねない。

 

だが審判にリスペクトを。選手やスタッフ、観客に加えて、審判団も含めてお互いの理解とリスペクトがなければいいゲームは生まれない。それはプロも少年サッカーの小さな大会も同じこと。

判定がどっちに転ぶかもサッカーの一部だ。誰かが決めなくてはならない。そこに文句を言ってるのは無駄である。

 

せっかく審判になったのだから、自分でも早く腕を振るいたいような、怖いようなそんな気持ちである。ただ4級審判の端くれの端くれとして、マリノスの試合でも審判の判定にもう不平不満は言うまい。その方が試合結果もいいものになる気がするのである。

 

 

 

 

4級審判講習会に行って、思いの外トリコロールだった

息子のサッカークラブの要請で、4級審判の講習会に行ってきた。今後、そうしたお父さん、お母さんで、ちょっとビビってる人の参考になれば幸い。

 

一言で言うと、子供達とJリーグへの愛が深まったいい機会だった!

 

世田谷区少年サッカー連盟主催の4級審判講習会、参加者は150名。区の施設のホールはほぼ満員御礼である。大半は息子、娘の通う小学校のFCの保護者である。講師は、2級審判の資格を持ち、天皇杯の都代表決定戦や大学リーグで笛を吹いた経験を持つ佐野さんという方。

 

集合時刻は朝9時半。座学と実技を交えて、最後は筆記テストで17時解散という充実のプログラムである。充実?テスト?いや、普通に私の休日を返して欲しい。

 

よく考えると、サッカーはシンプルなルールのスポーツだ。相手のゴールラインをボールに越えさせればいい。それで1点。試合時間の中でその多寡を競うだけだ。ルールはたった17条の文章から成り立っていることを知った。

 

例えばボールの重さは試合開始の時点で410〜450グラムと定められているの、ご存知だったろうか。「ここテストに出るよ」と、ご丁寧な解説付きで、しかも試合開始時だからね、試合を通じてみたいはヒッカケ問題に引っかからないでよ、とまでフォローがある。

 

そうなのだ。テストがあり、80点以上が合格なだと口では言うものの、仮に0点でも(たぶん)合格する。まあ皆さん、お金もかかっているし、ふざけて回答する人などいないと思うけど。日本サッカー協会と、東京都サッカー協会と、各種テキスト代という名目で6,000円を支払った。しかも1年に一度、更新が必要なのでドンドンサッカー協会にお金が落ちる。審判服や、笛や45分腕時計の購入を勧めるスポーツ用品店の店員もアテンドしている。誠に儲かる仕組みがよく出来ている。

 

ルールブックに則った解説だけだと分かりづらいし、居眠り者が続出してしまうので、DVDで実際の映像を交えても、説明が行われる。実際、居眠りして講師に指摘されてた人もいたので、注意したいところ。

初心者に特に難しいのはやはり、オフサイドの解釈、判定。それにファウルの種類だ。直接FKと間接FKが与えられる反則がどれか?などもテストに出る。

 

その試合映像がJリーグの実際の試合を編集したものだというのは想像がつくと思う。だが、私が変に興奮してしまったのは、DVDの再生前の目次?の画面なのだ。背景が日産スタジアムで、マリノスと広島かな?が整列した試合前の静止画。少しボカシがかかっているが、シルエットで分かる。審判団のすぐ隣に中村俊輔が立っていて、その隣が中澤佑二だ。

 

ちょっw。ワイ歓喜。

しばらくマリノス対湘南だったかな?の試合映像で、このシーンはオフサイドだよーなどとナレーション付きで流れる。分かりやすく作られているのだが、マリノスの選手やスタジアムの雰囲気ばかりを目で追ってしまう私の頭には、説明が何も入ってこない!

 

ナレーションでは、特定の選手名では呼ばれない。説明の主眼と関係ないからだろう。レッズは赤の選手と呼ばれ、ベガルタは黄色の選手となる。その不自然さが私の集中を一層惹きつける。これはテストとは関係ないのだが、プレー映像を15問見せられて、ファウルか、ノーファウルか、警告相当か、一発退場かを考えてみてください、という時間があった。ノーマルとスロー、2回見せられても自分で判断するというとは大抵のことではない。全問正解した受講者はおらず、私を含め10問以上正解者は1割程度。それでも10問以上正解なら大したものだと、褒められた。これは完全に日頃、少年サッカーを見てるか、Jを見てるかな違いだと思う。ありがとう、Jリーグ。

 

さて、午後は炎天下のグランドで実技講習。そしてテストというクライマックスへ向かう。思いの外、マリノスの映像を見た私は、やや幸福な気持ちで、意気揚々とグランドに向かったのである。後半に続く。

 

 

 

 

扇原貴宏の一歩踏み出す勇気

「レギュラー争いはどこにでもあることですし、結局は自分次第かなと。自分が良ければ使ってもらえると思うんですよ。そんなに焦りはなくて、シーズン通して最終的に自分がピッチに立っていればいいかなって思っています」

 

シーズン開幕直前のnumberのインタビューで、彼はこう答えていた。扇原貴宏は齋藤学を操れるか?横浜FMで復活を期す男の「直感」。 - Jリーグ - Number Web - ナンバー

 

なるほど、焦りはなかった。当時は天野純もポジションを確立する前。中町公祐と喜田拓也と、天野もボランチの一人として考えられていた。上のコメントを今読み返すと、この強気というか自然体な考え方は、楽観的すぎるようにも思うし、「お見事です。参りました」という気にもなる。

 

彼がスタメンで出始めた頃に、大型ボランチへの期待とロマンを込めて「扇原貴宏は再生するか」を書いた。扇原貴宏は再生するか - 銀皿航海 蹴球7日制

 

再生どころか、今や、欠かせない。この14試合負けなしが始まった時と、扇原がフル出場が始まった頃はほぼ一致する。5月に中町が肉離れで離脱し、入れ替わるように喜田が怪我をした。扇原が出場機会を得るには、彼に追い風の展開だったと言えるだろう。

 

彼特有の魅力は、なんといっても長くて正確なパスを送れることだろう。マルティノスと齋藤学の斬れ味は、こうしたロングパサーの存在があって一層脅威になる。中村俊輔のそれはアメフトのクォーターバックのように射抜くようなパスだった。対して、扇原のパスはバレーボールのセッターのように、撃ちやすい。

 

それに加え、瓦斯戦の決勝点は扇原の魅力を一層高めるものだったと言っていい。スコアレスのまま進んだ後半35分。得点したいが、点は絶対に失いたくない場面。齋藤学と前田直輝が、DFを引きつけて作ったエリア内のスペースを、扇原は突いた。この後方からの攻撃参加こそがCFGの求める動きなのだと、天野のインタビューで読んだことがある。

 

決めたのはウーゴ ヴィエイラだったが、扇原の勇気が生み出した、そしてチームに勝ち点3をもたらすゴールだったと言える。この姿は、冒頭の開幕前にはちょっと想像できなかった。

今の扇原がいれば、自身がパサーとなってゴールから遠ざかっているカピタン学のゴールも近いだろう。と、言ってるうちに残り10試合か笑。

 

今の扇原に心配なのは怪我と累積による出場停止くらいか。3枚貯まっているリーチの状態なので、この先の勝負どころで扇原を欠くのは避けたい。ディフェンダー陣でも、ポジション争いがはげしいため、松原健が出場停止のうちにポジションを失いかけたのは記憶に新しい。

それくらい今のマリノスは控え選手との差が拮抗しており、しかも代わりにチャンスを与えられた選手が活躍してしまう。

 

中町にも喜田にも当然、扇原にない能力がある。例えばセットプレーでの強さや、1対1での粘り強さだ。だが、瓦斯戦で見せた勇猛果敢なアシストの価値はさらに大きいと思う。

鹿島との差をなんとか詰めたい中で0-0のままで終わらせてしまうことはもう許されない。リスクを背負ってでも、点を取るという強い意志と、実行こそ最も必要なものだ。

 

この勇気に、多くの選手が触発されることを願う。扇原貴宏は復活を遂げ、以前よりも魅力的なMFになりつつある。

 

 

 

 

何かが生んだ決勝点【J1第24節・FC東京戦】

ファーサイドに走り込んでいたウーゴ ヴィエイラは渾身の力でヘディングした。そのボールは二度跳ねた。まずはウーゴが基本に則って、ピッチに叩きつける。
それから、クロスを上げた扇原貴宏がいる、すなわち逆サイドのゴールポストを叩いたのだ。
ボールはそのまま、ゴールの内側にバウンドを変えて、静かにネットを揺らした。

見守っていた時間、たぶん3秒前後。静寂のような、時が止まったような、その時間の後に訪れるマリノスの歓喜。2戦連続のスコアレスドローが頭をよぎっていた頃、3列目から扇原が飛び込んでくる勇気と、ニアに相手を引き連れたマルティノスの動きと、それを利用してフリーになったウーゴ。ヘディングで、ほんの数センチのズレを計算することなどできない。あのヘディングは狙ったが、コースは狙っていない。見えない力があのシュートをゴールインさせてくれたとしか、私には説明のしようがない。

入らなそうで入った1点。一方で、瓦斯は前半39分の最大チャンスで、高萩が1対1で相対した飯倉大樹のかけひきからループを枠外に外す。また途中出場の中島翔哉が放った国内ラストゲーム、ラストシュートもまたクロスバーに嫌われたのである。瓦斯サポの友人によれば、決定機を決めきれないのがいかにも今年の瓦斯らしいのだそう。
最終スコア1-0の、その差は決めたか、決められなかったの差である。当然のことだ。普段のマリノスも、こういう時に決めきるような強さはない。失点はしないのに、なぜか勝ち点3が積み上がらないという主因は決定力不足なことが多いからだ。

今のウーゴは頼もしいようで、一人で何かできるタイプではない。マリノスはロングカウンターを多用するが、待ち受けているのが齋藤学やマルティノスの時と比べてしまえば、ウーゴはスピードがないからチャンスにすらならない。
剥がせないから、エリア内での強引なシュートも少なくない。
だが、ここぞで決めてくれた。嗅覚とか、カンとかそんな曖昧な表現の能力とともに生きる。言葉は曖昧でも、中身は研ぎ澄まされているのだ。


前節のスコアレスドローこそ惜しかったが、これで8月は月間無失点で終えた。凄まじい結果である。4勝1分で、2位に浮上したが鹿島との差は1縮まったのみで、まだ5差がある。

このように順位ではなく、勝ち点差で語りたいところだが、C大阪、柏、川崎が引き分け以下の結果だったために2位に浮上した。開幕2連勝の首位以来の好位置である。

 

8月で下位との戦いはほぼ終わりで、残り10試合は厳しい相手との試合を多く残す。

なんといっても次は川崎との直接対決、その次は柏。優勝云々を語るには、この2試合で結果を残してからである。

 

試合終了後の選手たちの少なく爽やかな笑顔と、石川直宏との別れとで、8月は幕を下ろした。

 

マルティノスの動きが鈍いのが少し気になる。中澤佑二は凄まじいが膝の状態も心配である。中断期間に夏の疲れを癒してほしい。そして、勝負の秋へと、進む。

 

それにしても興奮する夏だった。